森人 6
ううう、筋骨隆々なエルフなんて…
っと若干先ほどの狩りの様子が、後を引いている私です。
ローランさんたちにも心配そうな視線を向けられているのですが、なんといえばいいのか!むしろ言えるはずがありません。
なのでベリーに意識を向けるよう頑張ります。
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しばらく移動して食事をした川辺まで戻ってきました。道中に出てきた魔物はしっかり倒してインベントリです。イーロンがワクテカしてました。なかなかいいお肉が手に入ったようです。
さて…この辺にベリーの実があるようなんですが‥‥。
イーロンのいうベリーというのはキイチゴとかと同じもののようです。でも木って言ってたような…?
≪姫!こちらにありました。これが、シェルベリーというベリーの実です。こいつはなかなか珍しくてこの森でもあまり見かけていないんですよ。なのでバトラーからも植樹できるように木を手にいれるよう指示もあったので、今食べられる分のみ取ったらあとは抜いて持って帰りますね≫
イーロンがそう言って指さしてくれたのは、確かに木でした。
そりゃあ…低い位置を探していた私には見つからないはずです。数メートル上についてるなんて。
浮いてるだろといわれても、サイズ的にはそうそう上まで見ないんですよ。
そんなことを思っていた間に、食べる分の実をとってしまったイーロンの手際の良さに感心していると、数メートル級の木を何のてらいもなくサクッと地面から抜いていた。
木ってそんなに簡単に抜けるものだったかなあ‥‥?(遠い目)
サクッとしすぎじゃないですかね?
≪これで果物がまた増えましたね、姫≫
「う・・・うん」
良い笑顔でそう言われたら、うなずくしかないですよね‥‥。
わーい、おいしい果物が増えたぞ~(やけくそ)
とりあえず、目的の木も発見したし、あとはのんびり‥‥
≪姫様、先ほどの森人の気配がこちらに近づいてきています≫
≪ベアーの血抜きでもしていたのでしょう。こちらの気配を感じたのかもしれませんね…≫
どうやらさっきの森人は、いい腕なのは間違いないようです。
川の形の関係で少し距離が近づいていたのもあるのかもしれませんが、かすかなこちらの気配に気づくというのは結構すごいのではないでしょうか?って上から目線ですが、こちらもいろいろと勉強した結果それなりに腕は上がったと自負しております(エヘン)
いや、毛玉がいきっても全く怖くないのはわかっているんですよ、かわいらしさしかないのはわかってるんですよ、ああああだからなでくりほおずりやめてええええええ
ーーーーーしばらくおまちください。
はっ!
…なにかありましたっけ?ローランさん、とってもいい笑顔でしたがなにかありましたか?
≪いいえ。姫様が本日もとてもおかわいらしくて我等は心から癒されいるなと感じているだけですよ≫
…なんだか、もてあそばれた感が半端ないのですが、そこを突っ込むと泥沼な気がするのでスパッと諦めます。
ああ、今日も平和だなあ~(遠い目)