にゃんとにゃんになる 3
あれから自分の名前のことをバトラーさんに相談しました!
バトラーさんだけじゃなかったけど、ひとまず真名云々は今は却下しました。
もしかしたら、下手に自覚するとまずいかもしれないと言われましたので。
それでいいのかといわれそうですが、良いんです。
そんなわけで一応の名前は、イヴになりました~~。
どこかで聞いたことある気がしますが気にしません。
名前が決まるまであっさり過ぎとか言われても知りません。
ということで名前も決まったことですし、この世界のこともいろいろお勉強していくことになりました。
まずここ。この世界はアウロラというらしいです。
太陽系にあるわけじゃないようなんですが、もう異世界でいいと思います。
それからこの森、深淵の森ですが、やっぱり異世界ものあるあるの禁足地だったみたいです。
といわれても落とされた場所なんですから知りません。
で、世界樹は世界を支えている神樹だとのことです……そんなところに家あってもいいんですかね?
≪姫様は世界樹の寵愛をお受けになっておりますので問題ありません≫
あ、そうですか。
それで、この世界樹の周りの最深部は神域らしいです。なるほどそれで魔物が出てこないんですね。
深淵の森というのは、大型の魔物、魔獣が多く生息しているということで私がはじめに食べられかけたあの大きなオオカミもこの中では小さい魔獣らしいです。
……知ってましたよ。私、極小サイズですもんね……。
まあそんなことは置いといて、この森は魔力が豊富で魔獣などもそうですが、森の幸もとても豊富らしいのです。そのこともあって深淵の森の浅いところには森人という人型が村を作って暮らしているそうです。……それはもしやエルフというやつですかね?
そこよりもっと浅い森の外には真人という、私でいうところの人間が国を作って暮らしているそうです。
この世界人種差別というものはあまりないようですが、人族と魔族というくくりで対立があるそうです。
バトラーさんから言わせれば、大陸の違いで呼称を差別すること自体が愚かだということなんですが、まあ人は、自分とは違うものに対して優劣をつけたがるものですよね。自分がその真っただ中にいれば、もっと真剣に考えるんですがどうにもこの体ですからね。そもそもが新種なわけで、これでうっかり姿をみせたらとおもうと何をされるかとそっちのほうが恐ろしいです。
≪ご安心ください。姫に不埒なことをしようとするモノはわれらがすぐに排除いたしますので≫
それは心強い‥‥バトラーさんさっきから私の頭の中に……いや、もう突っ込むのはやめておこう…。
でもまあ、いまのところここから出ていく必要性も感じませんね。
魔法もここで使えば外にはバレないって言われましたし、魔物は捕まえなくともいるし。
最深部からいろんな方向にむかえば、ドラゴンとかもいるかもしれないし!わざわざ冒険者にならなくても日々本気の冒険ができますしね。
あ、バトラーさんたちは物足りなければ…
≪姫様のおられるところが我等の最上の地でございますので≫
はい…。
じゃあこれからどうしていくかってところですけど、ひとまずこのままでいいですかね。
よくあるのは村を作ったり、街にでていったり、世界の大事に巻き込まれたりといろいろあるのは知ってますけど、自分がまきこまれるのはごめんですもんね。
人型であったらそういうことも考えたかもしれませんが、猫ですから。
そう考えると、猫でよかったのかもしれませんね。
では、当面はこの世界樹のもとでいろいろ勉強しながら、のんびりライフですね。
そして、いつか誘拐犯をみつけて、ぶん殴るのです!!(フンス)