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獣人 4

洞窟の外は吹雪がすごかったです。

でも、体の周りをあったかい空気で包んでもらってるおかげか、ほとんど寒さを感じることがありません。厚着しなくていいですね。


外に出てすぐに、洞窟に入ろうとしていたオオカミ型の魔物をサクッとエンジが狩っていました。

包丁で首を一瞬でした。

血抜きは戻ってからするということで、インベントリへとすぐにインしていました。


「ありぇは、おおかみしゃんですか?」


さっきのオオカミよりも、かなり大きなオオカミがこちらに向かっているのが見えます。


≪さっきのは斥候の役目を持ってたのかもしれませんねえ。あれは毛皮とか使えそうですよ≫

≪だな。骨も使いたいから傷はつけないように頼むわ≫

≪了解です≫


ジオウさんとエンジの間で話が付いたようで、エンジがあっという間にオオカミに向かっていました。

今回も私の出番はないようです。


≪姫さんは、まわりのこまいのを露払いでもしてくれるか?焼くのも効くが、毛もつかえるかもしれねえんでな、今回は火魔法は禁止だ≫


「あい!じゃあ、かじぇで一刀両断なのでしゅ!」


おおう、出番ありました!さっきのオオカミさんくらいのが数等群れになってますね。エンジのように首をトスっと落としていきますよ。


≪良い配分で魔力も振れるようになったなあ。あれら相手でもほとんど時間がかからねえとは、しっかり成長してるじゃねえか、姫さん≫


わ~い、褒められましたよ。実践で使えたこともうれしいですが、やっぱり褒められるともっと嬉しいですね。ついつい頭をジオウさんにぐりぐり擦り付けちゃいます。


≪くくく、かわいい姫さんだ≫


ジオウさんに撫でてもらっていると、あのオオカミを狩り終わったエンジが戻ってきました。


≪戻りました~って、ずるいですよ、ジオウさん。僕だって姫様のこと抱っこしたいです!!≫


≪あん?…仕方がねえな、ちゃんと注文通り獲物をしとめた褒美だ。姫さんをしっかり抱っこしやがれ≫

≪!!本当ですか?姫様~、久しぶりの抱っこです。イーロンにいつも先を越されてるので、本当にうれしいですよ。ああ…かわいいなあ≫


私は景品じゃないですが、抱っこするのみんな好きですもんね。良いですよ、一仕事終えてくれましたし。でも、ちゃんと撫でてくださいね?満足するまでちゃんと撫でてくれないと怒りますよ!


≪心行くまで撫でさせてもらうので、大丈夫です。いっそ、怒った姫様もみたい気もしないではないですが、今は撫でたい気分なので≫


よし、需要と供給がばっちりですね。



なんてやっているうちに、雪山をずいぶん上がってきたみたいです。

あれからも魔物は出てきたんですが、きっと暇だったんでしょうね。ジオウさんがハンマーをとてもいい笑顔で振り回されて、無双されてました。

肉がつぶれるたびに、エンジは悲しそうなため息をついていましたが。


≪大丈夫です。ミンチでつかえると思うんで≫


‥‥そうですか。



さて、登頂です。ここには偶然見つけたという、希少なお花が咲いてるそうです。

幻とも言われているお花で、見つけたときには影さんも二度見したとか。


凍蝶華とうちょうかというそうです。花弁が透明なちょうちょの羽のような形をしていることから、この名がついたようなんですが、育つ条件が厳しいらしくて小人さんたちでも、採取するしかないそうです。このお花は錬金で使うということで、数本を残して大部分を持ち帰ります。


あとは鉱石ですね。

ジオウさんがほしい鉱石もここにあるみたいで、さっきからピッケルがうなりをあげています。

エンジは相変わらず私を抱っこしてるんですが、視線がいろいろ動いているので、採取する目星をつけてるみたいです。


採取しに行ってもいいですよ?


≪いえいえ、ジオウさんが落ち着いてからで大丈夫です。姫様をいま放してしまったら次に抱っこできるまで、またつらい日々をすごさないといけないですし。それに何よりきっと、姫様風に流されてしまいますから≫


…‥そうですか。ええ…まあ飛んでいくかもというのは否定しません。抱っこでおとなしくしておくのでハーネスはやめてくださいね‥‥?











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