表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/60

獣人 3

転移門配置完了しました~~~~!


って、私は報告を受けただけなんですけどね。

行先はお楽しみだそうです。


あれから例のキツネさんですが、何度か転移させられてここがメイズ化したことに気づいたようでした。

そのせいで数人の冒険者が近辺に来たりしてましたが、もともとこのあたりにいる魔物はかなり強いものなので長居もできずに去って行きました。


キツネさん自体はかなり未練ありまくりな様子でしたが、一緒にいた森人の冒険者に引きずられて去ってました。


そのほかに獣人はこなかったのかとローランさんに聞いてみると、あのキツネさんは完全に単独行動であの日ここにやってきていたようです。なので、今のところすぐそばでみた獣人はあのキツネさんだけです。


平和がいちばんですねえ。


そうそうお家の畑ですが全体に結界を重複して張ることになりました。世界樹へは直接張っていませんが、世界樹から入ってこれないようにという形です。

ジオウさんとジエンさんが盗人対策もしっかりしたといっていたので、きっとトラップ満載なんだと思います。



「結界も張れまちたち、お出かけしましゅ」


活舌ずいぶんよくなったとおもいませんか?ようやっとここまでしゃべれるようになりました!

メイさんたちにも練習をずいぶん手伝ってもらったのです。


今日は、転移門の状態を確認するのにジオウさんとエンジというもう一人の料理人が一緒です。

大体お出かけするときは、私プラス二人小人さんが付くという形です。

はじめのころは、バトラーさんがほとんどだったんですが、最近は他の小人さんたちにも慣れてきたこともあって、その時の行先でメンバーが変わるようになりました。


本当はもう一人予定だったんですが、ちょっと森人の集落のほうで気になることがあったということで、神域を守ることを優先してもらっています。



では、お家の転移門から出発です。

人と同行するときは、自分の行ける転移門であれば同時にくぐることができます。

なのでジオウさんに抱っこしてもらって門をくぐります。


--------------------


転移門の先は、どこかの洞窟でした。

気温はぐっと低いようですが、一瞬の間にあったかい空気にくるまれました。

ジオウさんが魔法をかけてくれたようです。


≪姫さん、ここは外界でも魔族の地にある凍土の山だ。影の中に空間魔法の得意な奴らが組んで、こっちに来ることに成功した。で、向こうにはない素材のあるここに転移門を設置したんだ≫


影の小人さんたちすごすぎませんか…別大陸にいつの間にか渡ってたんですよ。


「かげしゃん、しゅごいですねえ」


≪ああ。姫さんに喜んでもらうためにとかなり頑張ってたからな。そういってもらったら、あいつらも喜ぶだろ≫


「かげしゃん、がんばってくりぇて、ありがちょうでしゅ」


しっかりお礼を言っておかないとですね。きっと今回もそばにいてくれているはずですし。

…なぜかなでなでされてますが‥‥ジオウさん、その孫を見るような目は…なんとなくいたたまれないのですが…。


≪姫さんはほんとにかわいいよなあ≫


しみじみ言うのやめてくださいよ…。ところでエンジはどこに?


≪わはははは。ああ、エンジは食材調達で洞窟内の素材を採取に行ってる。ついでに調査もな≫


「にゃるほど‥。ここは深淵の森よりもちゅよい魔物がいりゅんでしゅか?」


≪なんともいえねえな。あそこにいるのも高位ではあるが、めったにでてこねえしな。こっちは全体的に言えば強いか…?≫


「だったりゃ、こんどからこちらで練習するです?」


≪それも一つだな。あっちで面倒が起きるってんならしばらくこっちに居を構えてもいいんだからな≫


ジオウさんの口ぶりからして森のほうは、高い確率で面倒が起こりそうですね。世界樹のためにもあんまり離れようと思ってなかったんですが、逆に厄介ごとを引き付けるならば一度離れるのもありですよね。


お家は道具扱いされてるらしくて、インベントリに直せるという優れものですし!畑はジオウさんたちの結界を壊せる人たちがいるとも思えませんから、あの場所に置いておくしかないですね。

そのうち空間魔法を鍛えて、別空間に移動させられると良いんですが…。


≪ま、今回はあくまで姫さんの散歩だ。この門もちゃんと起動してることが確認できたからこっちにもいつでも来れるってわけだ。焦ることはねえ≫


さすが保護者のお一人。説得力がちがいます。安心感も。

では、今回の目的を果たしに行きましょう。


「あい。じゃあ、お外行ってみちゃいです!お外、しゃむいです?」


≪ああ、雪も積もってるだろうし、吹雪いてはないと思うが。お、エンジも戻ってきたし行くか≫


良いところにエンジも帰ってきたみたいですね。

小人さんたちの中でも、かなりひょろっとした感じの優男なエンジですが、腕っぷしは問題なしで、戦う料理人です。人は見かけによらないというのを体現しているのです。


≪ん?僕のこと待ってました?すみません、つい素材に誘われて採りすぎてました≫


見かけはほやんとしてるんですけどねえ…料理に関してはどこまでも貪欲ですもんね。

これだけうれしそうにしてるということはいいものが採れたんでしょうね。


≪いや、丁度いいところだ。これから外に行く。姫さんが、雪とか見てみたいようだ≫

≪そうですか、それはいいですね。外にも良い素材になる魔物がいるでしょうし、姫様も楽しめるでしょう≫


二人とも戦闘職じゃないのにこの安心感。


これが小人くおりてぃ…‥







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ