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森人 8

えー、悶えたり滾ったりと進まないので、ここは私が話を進めたいと思います!

原因とかなんとか聞こえませんよ。


「ちゃて、ぐえいんしゃん。こきょにはにゃにしにちゃんでしゅか?」


く・・・・舌足らずなのをこんなに悔いたことはないですね。やはり猛練習せねば…

でないと今目の前でまた崩れ落ちた森人とか、後ろから菩薩のような視線を向けてくるローランさんとかでいたたまれなくて全く話がすすまないんですよ!


≪姫、ここは我等が代わりに話すということでよろしいのでは?姫の直接お話しされようとする姿勢は素晴らしいと思いますが、この森人には高度すぎますし≫


イーロンさん…さらっとえぐっていきますね…私にも被弾してるんですが‥うん、悪気はないって信じてます…。

でも、今回は仕方ありません、お願いします。


≪はい、任されました。というわけでローラン、頼みます≫

≪…はあ、そういうつもりだとは思っていましたが…。さて、グウェインでしたか、姫様がここには何をしにきたのかと聞かれているが?≫


イーロン、ローランさんに任せた瞬間にさらっと私を腕に抱き上げるのはどういう…あ、今日はずっと抱っこしてなかったからですか…そうですか。

あ、森人も起き上がりましたね。それにしても胡坐を組んで座っても小人さんよりも大きいんですね。


「いや、俺の質問…。…ああ、ここに来た理由だっけか?ベアーの血抜きしてたら他にも気配を感じたんだよ。これまで感じたこともなかった気配だったからな。今回は最近の森の生態の変化についての調査に来てんだよ。で、あんな浅めところで変異種がいたからな。こっちにも何かあるのかと思ってきたってわけだ。」


ふむ。完全にこちらのやらかしが原因だった!ってことですね。

はっはっは‥‥いや、まだ何か被害がでたとかじゃないならセーフでは?


「最近、若い冒険者連中や見習いが今まで狩りができてたところで、怪我して帰ってくるのが多くなってきたからな。新人の狩場っていっても中堅になりかけもいるわけだ。それが怪我がおおくなったってことでさすがに様子がおかしいってわけでな」


≪なるほど?最深部のほうでなにかあったと?≫


「ああ。うちの長が言ってたのは言ってたんだ。世界樹に何かあったと。でも、魔物が増えるというよりは逃げてきている様子に、こりゃ高位生物が世界樹近くに居ついたってな。で、浅めのところから危険度が高い魔物を狩りながら調査中ってわけだ。っで、ここでお前たちにあった。」


森人の長すげええ・・・・ですね。ほぼ当たってます。いや~…静かに暮らしてるつもりでしたが、いろいろ影響というのは出てるものなんですね。

けが人に関してはどんなところでも気を抜くなと言いたいですが、急な変化だったというのならば仕方がないでしょうかね。


≪姫様が気になされるようなことではありませんよ。狩りにでて気を抜いているほうが悪いのです≫


「まあな。だが、さすがに今までよりレベルの高い魔物が急に来れば怪我をしても仕方がないだろ。死者が出てないだけ俺は褒めたいがな。まあ、ほかの集落だと舐めたやつらが何人か喰われたとは聞いたが」


ああ、しっかり被害も出てましたか。

でもまあ、仕方ないです。私も食われかけてから勉強し続けて今のようになったんですから。狩りは生死がかかるものです。


≪ええ。姫様だとて努力をされて現在の力を手に入れられたのです。その力は誇っていいものだと思いますよ≫


いやいや、最強の小人さんたちのおかげです。


「…で、俺がここに来たのは今言った理由だが、俺の質問には答えてくれるのか?」


そうですね…こちらのことですかと言っても、言えることは多くないんですが。




≪このおかわいらしい、姫様が我等の主だ≫


えええええ~…ローランさんあっさり何言ってるんですか。


「いやいや、それは様子を見て分かったんだが…それがどういうことなのかとかを…」


ほら、筋骨さんも戸惑ってるじゃないですか。


≪答えるとでも?≫


「いや…な。さっきのあの声は、この姫さんだろ?ということは人語もはなせるってことだろ?これまでかなり高位の魔物であれば言語を操るものがいなかったわけじゃないが、どういう存在なんだろな?こんなそばにいて圧を感じないくせに魔力に底がかんじられねえし、そのへんとかな?」


≪そこまでわかっているのならば敵対するようなことはないだろう?≫


うん。筋骨さんとローランさんの間に緊迫した空気が流れてます。

友好的という言葉はなかったということですね。

知ってましたよ。知ってたんですがね…私と二人との温度差が!!

温度差がぁああ~~~



≪姫、ちょっと楽しんでませんか?≫


あ、バレました?イーロン、だって、シリアスなんて面倒なんです。

ああ~ツンってしないでください、仕方がないなあって顔しないでください。

ほら、微妙な空気になるじゃないですか、ほらあ~~~



「…あ~、わかった。この話はこれでしまいだ。それよりも、お前たちのことは長には報告しないほうが良いのか?俺としては、ここで黙っておくことで集落に何もなければそれでいいと思ってんだが」


≪姫様?≫


別に何かいたということは伝えてもらっても良いんですけどね。むしろ、筋骨さんが手を引くような相手がいるということでほかの人が来なくなったほうが安心します。


≪では、そのように。…姫様は我等のことを言ってもいいとの仰せだ。ただし、種族は口にするな。我等の種族を聞いてやってくるようなうつけを相手にする暇はないのでな≫


「それはそうだな。世界樹に小人がいたといえば、俺と同じくらいのランクの奴らでも血気逸った馬鹿が突撃するとも限らねえしな。じゃあ、その辺はうまく長に言っておく。」







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