森人 7
「新種の魔物か?」
あ。そういえば、森人が近くに来ているってことでした。忘れてましたね。
脅威は感じていなかったので、全く隠れる準備してませんでした。
ローランさんになでくりされているままなのですが、筋骨隆々さんにはどうしましょうか。
≪記憶を奪ってしまいましょうか(物理)≫
やめてあげてください。
「小人族が魔物を従魔にするというのは聞いたことがないが…」
小人さんたちとの空気の差がすごいですが、筋骨さんはこちらをじっと観察してます。こちらも同じですが、ここはあれの出番じゃないですか!?
最近はあまり活躍してなかった、鑑定さんです!
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名前 グウェイン オス
種族 真森人
年齢 575 成人
職業 冒険者 ランク 白金
スキル 大剣の心得 武器の心得 鑑定 感知
魔法 風魔法 土魔法 水魔法
特殊 戦神に愛された森人
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まさかのハイエルフ!!っていうか、森の民なのになんで戦神に愛されてるんでしょうか…
このエルフ戦争にでてたんですかね?
≪姫様、森人が鑑定に気づいたようですよ≫
おおう、うっかりでした。まあ、向こうに見える情報は見られてもそんなに困りません。
隠ぺいもばっちりです。バトラーさんのおかげでっとつきますけどもね。
なんて堂々としすぎましたかね。
目の前の森人さん。どうにもこめかみを抑えてうなってますね。
あ、しゃがみこんでしまいましたね。
「ああああ~‥なんだあのちまっこいのはああああ~~くぁわいいだろおおおおお」
って、悶えてたんですか。
≪姫の可愛さに悶えているとは、なかなかわかっているではないですか≫
≪イーロン、姫様は顔を引きつらせておられるが?しかし、鑑定をした割にはあまり驚いてはいない様子ですね≫
頭上の会話もですが、なんというかこの状況シュールでしかないと思うんですが、どうでしょう?
相変わらず森人は悶えてますし…って復活しましたか。
「あ~、思わず滾ったわ。 さて、お前さんたち俺のこと鑑定してたろ?こっちも同じだが、いかんせん見えないところが多すぎる。その辺聞きてえんだが…そこの小人族の様子じゃ無理っぽいな。」
歴戦の戦士?という様相からは考えられないくらい軽いですね。
ローランとイーロンが空気を変えたことにも気づくくらいですし、少しくらい話してもいいでしょうか?
≪姫様が聞いてみたいことがあれば訪ねてみるのもいいと思います≫
よし、OKもいただいたところで傍に寄ってみますかね。
ふわりと浮かび上がったところで森人は驚いたようですが、それよりもローランさんたちがかなり慌てたようについてきてますね。いや、お話するのにローランさんの腕の中っていうのもどうかとおもったんですよ。
さて、森人の目の前でふよふよ浮いていたわけですが、この状態だと風が強くふくと‥‥
あ~ながされるうぅう(悠長)
「って、あぶね!」
あ、掴んでいただいて助かりました。いや~浮いてるだけだと、突風とかでなくても風に流されちゃって大変なんですよねえ。そういえばこの間バトラーさんにハーネスの検討をとかって言われてた気がする…
「くあああああ~‥‥ちっさいし、もふっとしてっしへにゃって耳が折れてるし、なんでそんなかわいいんだよこのやろう~~~~」
また滾らせてるんですか、そうですか…。私あなたの手の中にいるんですが、
‥‥握りつぶさないでくださいね?
≪おい、森人。姫様に傷一つでも付けたら塵となる覚悟でもってお抱きしろよ≫
ローランさんの聞いたことのない低温ボイスに思わず尻尾が逆立ちましたよ…
それは森人も一緒だったようで、スッと立ち上がっていました。
「はあ…、小人族がそこまで強いなんて聞いたことがねえよ。…で?姫?ってのはこのちまっこいののことだよな?」
切り替えが早いというべきなんでしょうかね。あ、手のひらに乗せてくれるんですね、ありがとうございます。さすがにでっかいですね。さっきも思いましたが私が乗ったくらいでは全くびくともしません。
なので、タシタシ手のひらを踏んだりたたいたりしていたんですが…
≪姫様‥‥お可愛すぎますよそれは≫
気づけばローランさんにいつものようになでくりされているという不思議…。
森人は崩れ落ちてますが…なにが?って思ったら立ち上がって吠えました。
「ああああああ~~~~!くぁわいいいいすぎるだろおおおおおお」
‥‥滾りすぎじゃないですか?