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シュンの過去

シュンの過去のお話です。

※暴力表現がありますので苦手な方は読まないことを推奨します。

「…うぅ…いた、い…殴らないで…父さん…母さん…」


何歳頃からだったか…正確には思い出せないが、かなり小さかったころからだ。

ボクはある日を境に両親から暴力を受け始めたんだ。


『あんたなんか…生まなきゃよかった!』

『この、くそ餓鬼が!』


最初に殴られたときはその痛みに耐えられず、泣いてしまった。

しかしながら、泣いたことでその声が五月蠅いと、より一層暴力がひどくなったため、耐えることを覚えたのだった。


『―――――!!』


一年もすると、両親が何と言っているのか理解できなくなっていた。

食事は一応与えられるのだが、それは両親が僕を殴ることでストレス発散するために生かしているだけなのだと思っている。

今日も手酷くやられたが、衝撃を緩和させる技術を身に着けたため、内蔵などへのダメージは見た目ほどはなかった。


暴力を振るわれる日々が続いたある日、ボクが押し込まれている部屋の扉が開き、両親はいつものように何かを発しながらボクの腹を蹴ったり顔を殴ったりしてきていたのだが。


玄関が何者かに乱暴に開かれる音がした後、開けっ放しだったボクの部屋に入ってきたのは同じ青色の服を着た男性や女性たちだった。

突然の訪問者に両親は驚き固まったまま、男性たちに取り押さえられたのだった。


こちらには女性が2人駆け寄ってきて、ボクを見ると

「これは…」

と呟くと、何も言わずに優しく抱擁をしてくれたのだった。


その後両親は児童虐待の罪で刑務所へと行き、ボクはとある施設に送られることとなった。

その施設では同じような境遇の子供が集められているらしい。

そこでボクの面倒を見てくれる先生は優秀な人物なのだとか。

両親には育ててくれたことに感謝はしているが、もう関わりたくはない。

ボクの思考は施設で暮らすことへの不安で占められていった。


◇◆◇


保護当時、7歳であったシュンの体には至るところに傷があったが、内臓へのダメージはほとんどなく、医師たちからはとても不思議がられていた。

物心ついたときから両親に暴力を振るわれていたようだが、取り調べの際、両親は

「あの子の顔を見た後は頭に霧がかかったようになって何をしたのか覚えていない。愛するあの子に会わせて欲しい」

と供述をしており、取り調べにあたった警官は困惑していたという。


心が壊れかけている子供たちは一つの施設に集められるが、広大な施設内にはたった5人しかいなかった。

同じ境遇、ではなく別の共通したナニかを元に彼らは集められたのだった。


お読みいただきありがとうございました。

今回はシュンの話でした。

クリスマスイブなのに明るい話じゃないんかいって思いますよね…。


その他のメンバーについても考察途中ですので気長にお待ちください。

短いとは思いますが。

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