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第8話

前回投稿した分があまりにも酷すぎたので、改めて書き直ししました。

前回分は別ルートの場合ってことにしておいてください

前回のあらすじ:ついに街に到着した


「な、そんなひょろい男なんかより俺らのがいいって」


男たちはミヤビとサクヤに手を伸ばしている。

横目でミヤビを見ると顔が真っ青だ。

下心のある男の視線とか、過去のトラウマを思い出すには十分すぎるからね。

男の手が触れる前にビャクヤとハヤトが叩き落とし、二人を庇うように位置どった。


「っち。…ん?おい、こいつらガキ連れてんぞ」


「こんなとこに来るのは早えんじゃねえか?お家でママのお乳でも吸ってろや」


ボクとルシたんを見ての発言だ。

ギャハハ、と下品な笑い声が周りから上がる。

それとなくギルドの受付にいる職員を伺うと、もめごとには関わらないつもりなのかただこちらを見ているだけだ。

仕方ない、ここはボクが人肌脱ごうじゃあないか。

ま、他のメンバーでも全然いいんだけど。


「えェ?ボク達、おじさん達より強いよォ?」


「おじッ!?んだとお、Bランクの俺らより強いってのか、この糞ガキが!!」


「うん。試してみるゥ?」


「上等だ。おい!ギルドの訓練所貸してくれ!」


「あ、はい!」


ギルド職員が駆けてきて、「こちらです」と案内し始めた。

隣を歩くリーダーっぽい男と1対1で試合をすることになった。


「おい、ガキ。これでお前が負けたらどうなるかわかってんだろうなあ?」


「ん~?負ける気ないからわかんないなァ。あ、他の人にも見てもらおうよ」


「…。糞ガキぃい!!おい、暇な奴らはついてこい!!」


観戦者を増やすことでうちのパーティーに手を出したらこうなるっていうのを示すのに丁度いい。

ま、本音としては観客がいたほうが盛り上がって楽しいからってだけだけど。

それにしてもこのおじさん、怒ってはいるけどこっちに手は出してこないなあ。

試合でボコボコにするから我慢しているのか、それとも他の理由があるのか…。


「着きました。試合はこちらで行ってください。観られる方はそちらの階段から観戦席に行ってください」


観客席の方を見ていると、5人(と蝙蝠一匹)が観客席の最前列に。その後ろの席に他の冒険者達が座って、席は全て埋まってしまった。その後に来た冒険者は立って観戦するようだ。


「へェ、暇な人多いんだねェ…」


「こういう試合を見る機会なんざねえからだな。おい、糞ガキ。すぐにくたばってくれんなよ?」


「あれェ、怒ってたのってフリ?ふ~ん、まあいいけど。早く始めよォ」


「試合において相手を殺めることを禁止します。お二人ともよろしいですね?では…試合、始め!」


開始の合図と共に男が大剣を振りかぶり突進してくる。

それを横にひらりと避け、腰の二振りの剣を抜き、男に切りかかる。

男はそれを予想していたのか、身体を捻って躱しつつ、大剣を薙ぎ払った。

大剣を跳んで躱し、後退する。

剣を構え直し、再び男へと向かう。

舞うように二振りの剣でもって次々と斬撃をくりだし、男に切りかかる。

対する男は驚くことに大剣でもってその斬撃をいなしていた。


「おじさん、やるねェ。その実力ならBランクなんかじゃあないんじゃない?」


「はっ。お前こそ、ただもんじゃあねえな?」


「ククッ、内緒」



◇◆◇



試合中に雑談を交わしつつも互いに攻撃の手を緩めない二人に、観戦していた冒険者達は魅了されていた。

ハヤト達5人(+1匹)は、魔法を使っていないシュンの攻撃についてきている男の様子を油断なく観察していた。


「あの人、なかなかできるね」


「ああ。だからこそなんで俺らに絡んできたのかがわかんねえ」


「それは後で聞くとしようか」


「…私も参加したいですよ…」


「サクヤが試合したら相手死んじゃうから駄目」


「え~?!お兄、意地悪です…」



◇◆◇



粘っていた男だったが、疲労が溜まってきたのか、大ぶりの攻撃が多くなってきていた。

男の動きを観察していたシュンは、男の一瞬の隙をつき男の喉元へと剣を突き立て、試合を終了させた。

終了後、観客たちはゾロゾロと席を立ち、訓練所を去っていった。


「は~、負けた負けた。人は見かけによらねえってことだな。歓迎するぜ、新人」


「あ、やっぱりおじさんギルドの人だったんだァ?」


「ああ、そうだ。最近急に冒険者の志願者が増えてな。お前さんほど強くなくても、心の強い奴じゃねえとすぐに挫折するから志願者に絡んで振り落としてたのよ。不快な思いさせて悪かったな」


「ボクは楽しかったからいいんだけど、あそこの魔法使いの子には謝ってほしいかな。嫌なこと思い出しちゃったから」


「おう、ちゃんと謝罪させてもらうな。登録、するんだろ?」


「うん、おじさん手続きできるの?」


「ああ、できるぞ。なんたってギルドの副マスターだからな、ガハハ」


「エッ」


衝撃の事実にシュンは固まってしまったのだった。

読んでくださりありがとうございます

続きも頑張って書きますので応援よろしくお願いします。

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