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ラブレター ~追憶のププリーヌ~  作者: せんのあすむ
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息の合った連携

正直、期日ギリギリまで掛かるだろうと思ってた。ここの<大トカゲ>は用心深かったから。


でも、翌日、事態は急に動いた。この辺りも、自分の想ってる通りには行かないという部分だろう。思っていたよりは腹を空かせていたのかもしれない。外につないだ羊目掛けて飛び出してきたんだ。


それでもアーストン達は慌てない。予想よりも早まっただけで、することは変わらないから。


私が石礫に偽装した雷撃を食らわせる。なのに、<大トカゲ>はまったく意に介することもなく自分の鱗で弾き返した。私の攻撃はこの程度だと察したんだろうな。何も問題ないのを確かめられた<大トカゲ>の表情が、ううん、本当は表情とか作れるような顔を作りをしてないはずなんだけど、不思議とこちらを嘲ったかのような印象があった。


だけどこれも狙い通り。こちらの攻撃力が低いと思わせるためのものだ。しかも<大トカゲ>は、餌として用意した羊よりも私に頭を向けてきた。先に私をと考えたんだろう。大したダメージはなかったとはいえ、痛い思いもさせられたことを恨んでいたのかもしれない。


むしろ好都合。


ぐわっと大きな口を開けて、<大トカゲ>は私に食らいついてきた。


がつん!と無数の牙が私の体を貫こうとする。でも、ダメなんだ。こんなことじゃ私には傷一つ付かない。もしかすると魔法人形が当たり前にいた頃の<大トカゲ>ならこんなことしなかったかもしれない。けれど、魔法が廃れ魔法人形もいなくなった今の時代を生きる<大トカゲ>には、その知恵はなかったんだろうな。


私は、<大トカゲ>に食らいつかれたまま、その口を、私が着ている服ごと糸で何重にも縫い付けてやったんだ。針を使わずに布に糸を通す魔法だった。


「グイイイイッ!?」


思いがけない攻撃に、<大トカゲ>はパニックになる。私を離そうとしても、離れない。その分、動きが鈍る。そこに、壁の上に陣取ったカインとセレナが、投げナイフとボウガンで攻撃。


投げナイフはさすがに鱗に弾かれたけど、セレナのボウガンは、普通は子供じゃとても使いこなせない強力なものだから、鱗を貫いて見事に刺さった。さらに私が両手両足を広げて地面に踏ん張って一瞬だけ動きを止めると、カインのナイフが<大トカゲ>の目を捉える。


これも、普通なら瞼を閉じて防がれるところが、私の思いがけない抵抗に気を取られて対処が遅れたんだろうな。


「セレナ! 次だ!」


アーストンが声を掛けると、さすがに子供の力では矢をつがえない強力なボウガンに野良子(のらこ)として生きてきたがゆえの力でジルが矢をつがえ、受け取ったセレナが<大トカゲ>の後足の付け根に矢を命中させる。


息の合った連携なのだった。



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