まさかの出会い
遺跡の探索の依頼を受けた私達は、依頼主である研究者の下を訪れた。
するとその研究者は、私の顔を見るなり、
「ププリーヌ様!?」
って声を上げた。
「え…!?」
アーストンは緊張した様子で身構えたけど、私は思い出していた。
「あなたは、もしかしてナフィのところにいた…?」
その私の言葉に、研究者は、
「そうです! モールネマシュマウト様のところで働かせていただいていました、スリガンと申します!」
と名乗られたけど、正直、名前までは覚えてなかった。ただ、ライオンみたいな王様の国でナフィと一緒にいろいろ調べてた時に、助手として回りにいた人の一人だったなって思い出しただけで。
でも、そのスリガンと名乗った人は私が覚えていたことにいたく感動したらしくて、感極まってしまっていた。
あの頃の私は、人間のことなんか覚えようともしてなかったからね。たぶん、何度も名乗ってもらったと思うけど、実際、名前さえ覚えてなかったわけで。
「まさかププリーヌ様と再会できるとは…! しかも顔を覚えていてくださったなんて……!」
ちょっと大袈裟な気もするけど、まあ、嬉しかったんだろうな。
それにしても、今のメイクをした私を一目で見破るというのもなんだかすごいと思う。
それについては、
「当然です! 私だってププリーヌ様のことを真剣に見ていましたから!」
だって。そうなんだ。
少し落ちつくと、スリガンは、
「それにしても、まさかププリーヌ様が冒険者をなさってたなんて、驚きです。なぜそんなことに?」
とも訊いてきた。だから私は、ここまでの経緯をかいつまんで話したんだ。
すると彼は、
「セレイネス王国についてなら、少しですが分かります」
って。
「え…?」
まさかの言葉に、私だけじゃなくアーストンまで声を上げた。
でも、自分の研究資料として集めた本を出してきたスリガンと一緒に開かれたページを覗き込むと、確かに<セレイネス王国>と記述が。
それは、セレイネス王国と交流のあった国が残した、貿易についての記録だった。しかも、その記述の中に、王女がセレイネス王国の王子宛に、古い<魔法人形>に添えた手紙を送ったとの記述も。
「王女様から王子様に宛てた手紙って、まさかラブレターとか……?」
アーストンの呟きに、
「もしかしたらそうかもしれない……」
私も応えてた。
それにしても、こんな形で大きな手掛かりがつかめるなんて……
でもこれも、私達が今まで旅を続けてたからこそのものだと思う。どこかで諦めて終わっていたら、この出会いもなかったんだから。




