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ラブレター ~追憶のププリーヌ~  作者: せんのあすむ
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王子様は人でなし

私が見付けたお札は、私がパッと見ただけで本物だと分かるくらいだから、元々私が知ってる種類のものだった。つまり、ここには昔私がいた国に伝わってたのと同じ魔法が伝わってたっていうことだ。


まさかこんな東の最果ての国に同じものが伝わってたなんて……


しかも、ここに来るまでの国にもそれらしいのはない訳じゃなかったけどどれも間違った形で伝わったもので、何の効果もないものばかりだったのに。


この国の人達がそれだけ丁寧に伝えてたってことなのかな。


私達が今いる町の跡は、ゼンキクアの王都の跡だ。そして今いるお城の跡は、ゼンキクアの王様がいたそれだ。シュクに逆らったらこうなるぞっていう見せしめの為に、こうして荒れ果てたままで放っておかれてるらしい。


「どうする? 何か手掛かりが残ってないかもう少し調べてみるか?」


「……」


トーマに言われて、たぶん何も残ってないとは思いつつ、私は頷いてた。きっと攻め入られた時に徹底的に調べた筈だ。それで見付からなかったものが私達に見付けられる訳がない。そう思うのに、『もしかしたら…』っていう気持ちが消えなかった。


だって、シュクの人達が見ても分からないけど、私が見たら分かるものがあるかもしれないから。


お札が放っておかれたのは、彼らにとっては何の価値もないただのおまじないの類にしか見えなかったからだと思う。でも私にはそれが<本物>だって分かった。効果はなくなってても本物のお札なんだから資料としての価値くらいはあるはずなのに彼らにはその価値さえ分からなかったんだ。


だから他にもそういうものがあるかも……


でも、さすがにそう上手くはいかないみたい。焼け落ちたお城は本当に酷いことになってて、宝物とかを探したんだろう、瓦礫とかは城の外に運び出されてたけど、重要そうなところも徹底的に壊してこじ開けて調べ尽くした感じになってた。


ジルも小さいアーストンも寝てしまって、トーマとライアーネも「じゃあ、休ませてもらうね」と寝てしまった。


私は一人でお城の中を一つ一つ丁寧に見て回って、そして見付けたんだ。私に書かれたラブレターのそれと同じ文字を。


それは、地下の宝物庫か何かだったんだろうけど、中にあったものは全部運び出されたんだろうけど、そこの壁に書かれた落書きみたいなのが、落ちた天井から差し込む月明りに照らされてたんだ。


そこにはこう書かれてた。


『セレイネスの王子様は人でなし。王女様の手紙をこんな形で捨てるなんて……』


って。


「これ……たぶん、私の字だ……」



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