表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラブレター ~追憶のププリーヌ~  作者: せんのあすむ
39/83

格闘技

私は、別に格闘技とかは習ってない。そんなスキルも与えられてない。でも、見たものをある程度は真似する程度のことはできる。だからこれまでいろんなところで見てきた格闘技術を見よう見真似でやってみるようにしてた。


もちろんそれで本当に強くなれる訳じゃない。石礫いしつぶてを投げる時に雷撃の魔法を使うようにしてるのと同じで、格闘に見せかけた雷撃の魔法を使ってるだけだ。


威力は最低レベルだけど、何の防御もしてない生身の人間なら気を失う程度の雷撃だ。防御魔法も廃れてしまった今の世の中では、こんな子供の遊びみたいなものでも十分に通用する。


まずは「迷惑だからやめてください」と注意した上で、でもそれに従ってくれなくて殴りかかってきたから、体を開いて足で地面を踏みしめる勢いで拳を突き出す拳術の真似を披露してみた。それと同時に雷撃をお見舞いする。


「ガッ!!」


と声を上げてその酔っぱらいは尻もちをついた。


ケンカの相手の酔っぱらいにも向かって拳を構えて、


「まだやりますか?」


と訊く。でも私が一人を倒したのを何かのまぐれと思ったんだろうな。「おらあっ!!」とか喚きながら椅子で殴りかかってきた。


でも、無駄なんだよね。私は非力だけど魔法で守られてるからものすごく頑丈なんだ。剣で切られても槍で突かれても傷一つ付かない。椅子で殴られて支え切れずにぐらつくけど、ダメージはまったくない。


『仕方ないな…』と思いつつ、さっきと同じようにして拳を突き出した。と同時に雷撃。


「ギッ!!」


と声を上げながらその酔っぱらいも床に倒れてビクビク痙攣する。体が痺れてるんだ。


「まだやりますか…?」


もう一度訊くと、二人は痺れた体を何とか動かして店から出て行った。


「すげえなお前! なるほどさすがは冒険者だ!」


最初とはうって変わって店主がそんな風に嬉しそうに言いながら私の肩をバシバシと叩いた。


「こんな華奢な体でホントにすげえよ。やっぱそれぐらいじゃないと冒険者はやってられねえってことか!」


とかなんとか言ってる。


まあ別にそんなことはどうでもいいけど。


それでも、その後は得体のしれない用心棒がいるってことで他の客も大人しくなってトラブルはなかった。


仕事の間、休憩時間に賄いとしてもらったパンを手に裏口から出ると、ジルが物陰からこっちを窺ってた。私が差し出したパンをひったくってその場で食べる。


そんなジルを睨んでるのがいた。この町に来た時に絡んできた野良子のらこ三人組だ。パンを奪う機会を窺ってるのかもしれない。だから私は、少し身構えた上で<縮地の魔法>を使って一瞬でその三人組の前に立ち、


「あの子に手を出すな…!」


と、睨み付けてやったのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ