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ラブレター ~追憶のププリーヌ~  作者: せんのあすむ
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人を見る目

他にはこんなこともあった。


シェリーナがまだ十歳だった頃、小さなアーストンがライアーネのお腹にいて近々生まれそうだからとある町に逗留してた時、ライアーネの出産を見てくれることになってた産婆がいたんだけど、この産婆が実は食わせ物で、生まれた子供が死産だったとか言って死んでたことにして、赤ん坊を売り払ってるっていう奴だった。


でも普段はとっても優しくて腕がいい産婆って評判だったらしい。確かにライアーネの検診に来た時には丁寧で腰も低くて好い人そうに見えたって。赤ん坊が必要だっていう注文が入った時だけやるみたい。


だけど私は最初から何となく嫌なものを感じてた。笑顔が作りものっぽく見えて変だなって思ってた。そうしてその産婆の控室にしてた部屋の隣のクローゼットにずっと入って監視してた。そのクローゼットの隙間から隣の部屋が覗けたからだ。人形だからそうやってじっとしてるのは得意だし。


すると案の定、一人の時はすごく悪い顔をしてた。


私はトーマとライアーネにはそのことは伝えたけど、腕は確かにいいらしいから騙されないように気を付けるだけで手伝わせるのは手伝わせるってことにした。その時はシェリーナはまだ十歳だったから関わらなくていいということで伝えなかった。逆に子供だから先にそういうのを教えるとついつい自分で家族を守ろうとして先走ってしまうかもしれないからね。


それに元々、そういう話は割とあることで、だからって他の産婆を頼んでもまともなのが来る保証もない。だったら腕は確かなその産婆に頼むってことになったんだ。


そうしていよいよ生まれるってなった時、私は荷箱の中に隠れて待った。出産が始まってライアーネが呻き声を上げるのを聞きつつ、監視を続ける。産婆の動きがちゃんと見えるところで。トーマは部屋の外で、産婆が逃げようとしたら捕らえる手筈になってた。シェリーナはライアーネに付き添って汗を拭いたり水を飲ませたりしてくれてた。


その産婆は助手も連れてたんだけどそれも当然グルだった。そしてライアーネがひときわ大きく「ガーッッ!!」って吠えた瞬間、赤ん坊が出てきた。すると、その赤ん坊を手にした産婆に、助手がカバンから取り出して差し出したものがあった。ちょうど人間の赤ん坊くらいの大きさの子豚だった。


生まれた瞬間に赤ん坊を子豚にすり替えて、『人として生きられない呪われた子だ』って言ってライアーネに『そんな子供は要らない』って言わせようとしたみたい。


だけど私はそれをしっかりと見届けた。だから荷箱から飛び出して取り押さえようとしたんだけど、その時、シェリーナが叫んだ。


「私の弟に何する!!」


って。いつの間にか産婆の隣に来てて、彼女もばっちりと赤ん坊と子豚をすり替える瞬間を押さえたんだ。



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