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ラブレター ~追憶のププリーヌ~  作者: せんのあすむ
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アレイン

以前、こんなことがあった。


私達が冒険者ギルドから紹介してもらった仕事であるキャラバンの護衛の仕事をした時の話だ。私達と同じく冒険者として護衛に参加してたアレインというのがいたんだけど、キャラバンを狙ってる盗賊がいるっていう情報を持ってきた。


そうなると当然、私達はそれに備えて警戒を強くする。夜は交代で見張りにつくんだけど、トーマとライアーネ、私とシェリーナという形で振り分けられて、その時にアレインも私と一緒の組だった。


それで見張りをしてたシェリーナのところにアレインがコーヒーを持ってやってきて、


「お疲れ。眠気覚ましだ。飲むかい?」


と優しく声を掛けてきた。私は少し離れたところで見張ってたんだけど、声は聞こえてた。人間よりは耳もいいし。


アレインは、見た目はたぶんカッコいいいって言われるタイプだと思う。剣を構える姿も様になってて腕も良さそうだ。だから普通の女の人ならそうやって優しくされたら揺らいじゃっても変じゃないと思う。


でもシェリーナは、その時、まだそういうのに興味がなかった。精悍で大人びて見えててもまだ十三歳だったっていうのもあるのかもしれないけど。


「君みたいな可愛い子がどうして冒険者なんて危険な仕事をしてるの?」


そんな風に話しかけるアレインに、シェリーナは素っ気なく、


「小さい時から家族と一緒に冒険者として旅してるから。理由とか考えたことない」


と応える。でもアレインはさらに話し掛けてきた。


「じゃあ君が組んでるのは本当の家族なんだ。だけど、辛くないかい? そういうの」


「別に。私、今の生活好きだし」


「え~? 本当かなあ? 君みたいな可愛い女の子ならもっとおしゃれしたり美味しいものを食べたりしたいっていうのが普通だと思うよ? それともそんな風に言ったら怒られたりするの?」


「…違う。私、そういうの興味ないから……」


だんだんとシェリーナがイライラし始めたのは私も分かった。それなのにアレインはしつこく言ってくる。


「僕にはそうは見えないよ? 君はもっと幸せな生活をするべきだ。僕ならそれを与えてあげられる」


とか言われて、とうとうシェリーナがキレてしまった。


「いい加減にしろ! お前に私の家族の何が分かる!! 私はちゃんと幸せだ! 私の家族を侮辱すると許さないぞ!!」


って感じで。


そしてその直後、盗賊の襲撃があったんだ。それは退けられたけど、実はアレインは盗賊と通じてて、それでシェリーナは高く売れそうだからって懐柔して傷付けずにつれていこうとしたらしい。


だけど彼女は、アレインが信用できないことを見抜いてたらしいんだよね。



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