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ラブレター ~追憶のププリーヌ~  作者: せんのあすむ
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流れていく時間

私が人間達と一緒にいるのが嫌になってしまった理由。


たぶんそれは、人間達が争ったからじゃないかな。<魔女の落とし子>なんて呼ばれるようになってからだけでも人間達が争ってるのを見ると気分が良くなかったから。


私が作られた国が滅んだのも、きっと争いの所為で滅んだんだろうな……


そういうのを見てるのが嫌になって、私は人間と一緒にいたくないと思ってしまった気がする。だからなるべくもう関わりたくないって。


なのに人間は、勝手に私を<魔女の落とし子>とか呼んで、また争う。しかも今度は私自身が争いの原因になってる。私が作られた頃は、私みたいな魔法人形なんて別に珍しくなかった筈なのに。


だけどそこまで考えた時、私はふと気付いてしまった。


『あれ…? だとしたら、どうして私以外の魔法人形が残っていないの……?』


って。


考えてみたらそうだ。私達魔法人形は、魔法を解かれない限りは不死不滅の存在だ。森が焼き尽くされる火事に曝されたって、船が木っ端みじんになる大嵐に巻き込まれたって、私は傷一つ付かない。そういう存在なんだ。


なのに、私以外に魔法人形が残ってるっていう話をこれまで聞いてこなかった。


もしかしたら<魔女の落とし子>って呼ばれるにふさわしい人形が他にいて、私がそれと間違われてる可能性もあるにしても、それにしたってまったく噂にも出てこなかった。


これは、どういうことなんだろう……?


私が人間と関わらないようにしてる間に何かがあったんだろうか…?


私にとっては別に重要な謎ではないけれど、そういうこともいずれ分かるのかもしれない。


山道を歩いて、川を越えて、私達は旅を続ける。獣を捕まえ、魚を捕まえ、山菜を採り、果実を採り、干し肉や干し魚を作って食いつなぎ、人のいるところに行けばあれこれ伝承を訊いて、でも私にはまったく関係のなさそうな話ばかりが増えていって、だけどそれがシェリーナにとっては楽しみになってたみたいで、いつしか彼女は、聞いた話をおとぎ話風にして、私達の前で披露するようになっていってた。


そうして旅を続けている間に、いつしか十年の時間が過ぎてた。しかもその途中で、シェリーナの弟のアーストンまで生まれて。


そう。アーストンという名前を捨ててトーマと名乗るようになったから、元の名前を自分の息子に付けたんだ。


これから語ることになるお話は、その小さなアーストンが五歳になる頃、十五歳を迎えてたシェリーナが、ある国で運命的な出会いをすることになるお話かな。



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