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ラブレター ~追憶のププリーヌ~  作者: せんのあすむ
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冒険者

冒険者となった私達は、名前も変えて身なりもそれらしくして、二ヶ月も経つ頃にはすっかり馴染んでいた。


名前も変えてある。


私はプリムラ。アーストンはトーマ。レリエラはライアーネ。シェリーナはまだその辺りの事情もよく分かってないからそのままだけど。


逃げ出した時にはアーストン、じゃなかったトーマは移動遊園地に遊びに行ってた時だったから手持ちのお金は乏しかったけど、道々で動物を狩って魚を捕まえて野草を摘んでってしてたから、食べ物に困ることはなかった。野宿とかも慣れたものでナイフで木の枝や葉っぱを組み上げてテントは作るし寝床も作るしで、だからシェリーナもそんな様子を見てるのも楽しかったみたい。


私は人形だからその点では最初から困ることなんて何もない。でも人間には食事や睡眠がとても大事なんだっていうことは改めて実感した。


あと、私が例の魔導書で身に付けた、<針がなくても布に糸を通す魔法>が、服が破れた時とかに地味に役立ったりもしたな。


冒険者としてギルドに登録してからは、ギルドに届く様々な依頼から仕事を選んでそれをこなすことで報酬を得た。


冒険者と言っても実際には<何でも屋>って感じなのかな。


遺跡の発掘の手伝いをしたり発掘する人の護衛をしたり、畑を荒らす獣を退治したり、商人の用心棒をしたり、場合によっては橋や道路を作る作業員として駆り出されたりってのが主な仕事だった。自分で財宝とか探しに行く人も中にはいるけど、そういうのってだいたい根も葉もない噂で、骨折り損に終わることが多いんだって。だから冒険者らしい冒険者って今は珍しいそうだ。


そうして、私達はあるキャラバンの護衛の仕事を得て、ボーデン商会があった国へと潜入することになった。ボーデンやナフィ達がどうなったのかを確認する為だ。


三人とももういかにもな冒険者の姿になってたし、シェリーナは髪を短くして男の子みたいな格好になってた。


「そんな子供抱えて護衛とか大丈夫か?」とか舐めてくる相手にレリエラ、じゃなかったライアーネは、シェリーナを抱えたまま自在に剣をふるって黙らせた。もう、初めて出会った頃の<泣き虫メイド>の姿は完全になくなってた。


護衛の仕事も無事に終えてボーデン商会の近くまで来た私達は、以前と何も変わらない形で商売を続けられてるボーデンと、何事もなかったみたいに書庫の管理の仕事をしてたナフィの姿を確認してホッとして、冒険者へと戻った。


さすがにまた顔を出すと迷惑になるかもしれなかったしね。



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