次々と
私とナフィが出会った国は、北の方の大国に攻め込まれて王様は処刑されて、代わりに北の方の大国の貴族が王様になって、属国ってことになったらしい。
だけど、その時には私は既にナフィとアーストンとレリエラに連れ出されて消息不明になってた。
私を手に入れる為に攻め込んだ北の方の大国の王様は大層怒って、周りの国全てに私を見付けたらすぐに差し出しように脅したんだって、匿ったりしたら攻め込むぞって。
でも、このボーデン商会がある国はその北の方の大国を恐れてなかったから大丈夫と思ってたんだけど、それでもある程度は関りもあるから、色々外交的な兼ね合いもあって、『捜索には協力する』っていう話になったみたい。
「ププリーヌ! 行って!」
私はボーデンにそう言われて、窓を突き破って外に出た。地面にガシャンと叩きつけられたけど、このくらいじゃ私は壊れないし痛くもない。人形のふりをする為のドレスが邪魔だったけど、私は走った。
まさか窓から飛び出すとかするはずないと思ったのか、外には兵士とかもいなくて私は何とか逃げ切ることができた。
人間はこういう時、ボーデンを見捨てたことを怒るかもしれないけど、私は人形だからそんなの関係ない。ボーデンが行けと言ったからそうしただけだ。
ボーデンが逮捕されたということは、私を逃がしたナフィとアーストンとレリエラも危ないかもしれない。だから取り敢えず危険を知らせようと、私はアーストン達がいるはずの移動遊園地へと走った。
「なんだって!?」
『私がいることがバレて、国の偉そうな人が兵士を連れて私を捕まえに来た。ボーデンは逮捕された』と私が伝えると、シェリーナを抱いたアーストンがそう声を上げた。
「クソッ! この国でもダメだったか…! そうしたらナフィも危ない。他の社員も!」
そう言って走り出したアーストンを追って、私とレリエラも今度はナフィが責任者を務めてるこの国一番の書庫へと向かった。
でも、私達が着いた時には、ナフィが兵士に囲まれて連れていかれるところだった。
「遅かったか…!」
と悔しそうに漏らすアーストンに、レリエラが声を掛ける。
「他の社員は大丈夫かしら?」
「分からねえ。でも、この調子だと駄目かもしれないな…」
まだ小さくて事情はよく分かってないと思うけど、それでもただならぬ雰囲気は感じているのか不安そうなシェリーナを抱いた私は、アーストンとレリエラと一緒に他の社員の家を回ってみた。
けれどやっぱり、そこにも兵士達が来てて、連れていかれたりするところだった。




