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プロローグ
カシャ。
僕はまた彼女にカメラを向けてシャッターをきった。
それに気づいた彼女はこちらを見てニコッと照れくさそうに笑う。
「 もう、瞬ったら。」
「ごめんごめん。あまりにも綺麗だったから 、つい。」
僕は頭をかきながら謝った。
何か悪いと思った事をして謝る時の癖だ。
撮った写真を確認している時、少し強めの風がふいた。
「きゃっ!! 」
と言って帽子が飛ばされないように彼女は押さえた。
彼女の綺麗な髪が風になびいている姿を見て、また僕はシャッターをきった。
そして、思った。
あとどれくらい彼女といれるのだろうか。