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「あの子、最近よく来るよな」

「ん? ああ、そうだな」


 誰もいない店の出入り口を見る。つい先程店を後にした制服の後姿を思い出す。


「結構かわいいよな」


 同意するほどには確かにかわいい女子高生だった。派手な顔立ちではないが、手首につけている小物やちょっと茶色いセミロングの髪、わりかし短いスカートからおそらくクラスでも中位、上位には位置しているだろうと予想はしているのだが、そんな彼女は最近よくここを訪れる。

 ひょっとしたら前々から来ていたのかもしれないが、記憶に残るようになったのは最近になってからだ。


 というのも、接客している間、彼女はぼーっとこちらを眺めてくるのだ。かわいいので悪い気はしないが、正直そんなに見つめられるとやりにくい。 緊張して手際が悪くなってしまうのが嫌なので、あまり気にしないようになるだけさらっと接客するように心掛けている。


「実はごっちんに会いに来てたりして」

「いや、それはないだろ」


 と言いながらも、まんざらではなかったし、ひょっとするとそうかもしれないとも思っている。それほどまでに彼女の視線はアツイのだ。


「いやいや、だってあの子、オレがレジだったら近寄って来ないもん。ごっちんになったの見計らってきてるよ、あれは」

「そうなの?」


 それは初耳だった。そうなるといよいよ、俺への恋心説は濃厚になってくる。


「でも、女子高生はまずいだろ」

「まずいねー。まずいからこそ、魅力的だよねー」

「気持ち悪い声やめろ」


 うん、実に犯罪的だ。大学生と女子高生。まあそこまで歳が離れてるわけでもないが、やはり大きな隔たり、障壁はあるように思える。


「しかし、まずいな」

「まずいな、ごっちん」


 そう、まずい。

 なぜなら俺は既に、彼女を意識し始めている。

 恋か。うん、でも悪くない。


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