(6)
やっばい。やっばい。もうマジLOVEずっきゅん。視線あいっぱなし。
通じた。もしやこれだけで通じちゃった。そんな馬鹿な。あるわけない。人生そうそううまくいくもんじゃない。高校生なんだからそれぐらい知ってる。
でもなー、なかなかな熱視線だったんだよなーこれがどうも。
私という一人の存在を認識してもらう。
今まで他人で、しかもそれがコンビニという空間でレジの向こう側にいるのだからそのハードルというのはなかなかに高い。
とにかくまず私に出来る事はあしげく彼の元に通うという事だった。これでまずは私という人間を覚えてもらう。これっきゃない。恋を叶えるのだから地道に努力するしかない。
むう。しかし胸が苦しいのなんの。
話しかけたい。猛烈に話しかけたい。しかしいざ目の前にするとどうしていいか分からない。なんて言っていいか分からない。
「いつも、見てます」
うげげー。超やばくないですか、これ。超ストーカー。S級ストーカー。駄目駄目絶対駄目。勘違いされても困るし。どうしようきっかけが分からない。ネクストステージへの足かけが分からない。
あれー。こんなにも私って恋に対して臆病でしたっけ。
いやそれも無理ないんですよね。だってあの伝説の一目惚れですよ。レジェンド・オブ・ヒトメボレ。
……駄目だ。カタカナにすると米感がすごい。炊き上げふっくら白米が湯気ってる。やばい腹減った。
違う違う。そうじゃない。
うげー。恋が強すぎて胃がちぎれそう。
頑張って私のストマック。例えあんたが死んでも、私頑張るけど。