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どっきゅんずっきゅんで、心臓が胸を突き破らんばかりの衝撃的恋で阿鼻叫喚な私ですが、この赤い糸を手繰りよせるにはどうしたらよいのかという現実的な話になった途端、高鳴った胸の鼓動は急速的に収縮していく。
冷めるなハート! 燃え続けろよ! 諦めるなよ!
そうまだ始まったばっかり。っていうか始まったのは私だけで向こうはきっと何も始まってない。
ガキが一人騒いでるだけで、そんなガキが恋という熱に浮かれているだなんて知る由もないだろう。
知る由もない。
そうだ。まずは知らせなきゃ。私の恋を知らなせなきゃ。でもどうやって。
学校にいる男子生徒達とは勝手が違い過ぎる。そのパターンはまだ一度もない。ちょっとそういうマニュアルどっかないかな。
ともかく、私と言う存在をまずちゃんと示さなければならないのじゃないだろうか。
なんという基本。ベーシック。んーなんだかヤキモチして仕方ないけど、この恋のビートはとめどないし、とめられない。とめたくもない。走るしかない。
しかし私の心のワードチョイスのだささたるや半端ない。絶対に誰にもこの自由な心を聞かれてはいけない。
彼の存在を友達と共有したい気もするけど、無理だろうな。