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「りょうくん、ごめん」

「え、なにが?」

「俺、先行ってるわ」

「は? 何? 何言ってるの?」

「本命チョコが、俺を待ってる」

「ごっちん、とりあえずキモイぞ」


 彼女が残した紙を何度も見る。


“あすなろ公園で待ってます。来るまで待ってます”


 くそ。早く終われバイト。こんなにも終わりが待ち遠しいのは初めてだ。

 バイトが終わるのが夜の8時。

 しかし一体彼女何時まで待つつもりだ。遅くなる事を彼女は分かっているのだろうか。

 一分たりとも待たせたくない。


 毎日のように訪れる彼女。そしてあの熱を帯びた視線。

 あんな可憐な高校生に見つめられちゃ、どんな男だってイチコロだろう。それを証拠に俺は見事にコロコロしてる。一度意識してからは坂を転げ落ちるように恋に飲まれた。

 

寝ても覚めても彼女だ。あれほど言い慣れたいらっしゃいませが震えてとまらなかった。

 恋は俺の業務に支障をきたしていた。


 犯罪者確定。

 高校生の彼女。やばいでしょ。でもこんな夢を叶えられる大学生がどれだけいる。

 いた。ここにいた。

 俺という至高の存在が。


 恋は確変に入っている。

 今日は2月14日。

 当たりだ。とめどなく当たりだ。その後もリールが回り続ける永遠の確変への道しるべ。


 障壁? 障害?

 知るか。年齢の壁などしれている。


 俺は、この恋路を進んでやる。


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