表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30の魔法使い  作者: 圧縮
本編
5/83

マルビティン魔法学院

1話にまとめるのがおかしかったので分割、連投です。

マルビティン魔法学院


 11歳になり、全寮制の魔法学院に入学した。

 前世ではゲームで魔法使うキャラを中心に育てたりもしていたくらいには憧れていた。

 しかし、カイルと出会い、その憧れが本物になったのだ


 ・ 1年次は魔法の基礎知識の授業

 ・ 2年次からは実技を含めた授業。

 ・ 3年次は専門分野に分かれて授業、研究。

 ・ 4年次は各分野の研究に。

 それ以降残る者は研究機関に残り、それ以外は冒険者や各街に帰り教師になったりする。

 成績優秀者は貴族に召し抱えられたりもする。

 単純に教養として学びに来る生徒もいた。


 1年目はひたすら魔法の基礎知識を学んだ。

 呪文の読み方、書く順番、言葉の意味、魔法陣の意味、魔法陣の書き方等。基礎知識ができてからようやく魔術書というものが理解出来始めるのだ。


 2年目に魔法能力測定があり、そこで測定された結果、魔力無しと学院史上最低な値を叩きだした。

 どんな村人でも魔力微量はあると言われている。

 魔法は意外と多くの人に常用され、村人が木を切り倒すのに下級筋力増加を自分でかけたり、暖炉の火をつけるために火の魔法を使用している。いわゆる生活魔法というものだ。

 そのため、無しというのはありえないそうだ。

 もちろん使えない人もいるのだが、魔力自体はあるのだそうだ。


 その1年は地獄を味わった。

 いじめというものは無かったが、同学年全員哀れんだ目で見てくる。

 実技授業では木で作られた目標を何でもいいから魔法で倒すという授業で、

 うんうん唸っている俺の後ろで魔法を発動し、「せんせー!フミトくんが倒せたよー!」とにこにこ顔で。

 先生も先生で、「おー!フミト!やればできるじゃない!」と。

 優しさが痛かった。


 3年目で専門分野に別れる時ふと変わった研究分野を見つける。

『書式学』

 なんだこれ?と思い、教授に質問しに行ったら呪文を整理・簡略化・小型化、魔法書の整理などを研究する学問だということだ。

 魔法がなくても知識だけでなんとかなりそうな分野な為、ここにしか道がなかったのもあるが、書式学こそ俺の分野だと思い教授に頼み込み進路を選んだ。

 ちなみに3年目からは専門分野なので、教授となる。


 3年目はひたすら羊皮紙に魔法陣と呪文を書いていた。

 3年目の終わり、羊皮紙1枚に書いた下級火の魔法を冗談半分で手を添えながら魔法名を唱えると、魔法が発動した。

 羊皮紙は発動とともに燃え尽きたのだ。

 勉強しながら食べようと思って自室に持ってきていた自分の晩ごはんが食器以外炭となって腹減らしながら寝た記憶がある。

 ちなみに寮長と食堂員さんに1時間位怒られた。


 翌日教授に相談したところ、再度測定することに。

 しかし、前回と同じで魔力無し。どういうことだ?

 もう一度羊皮紙に書いた魔法を同じ手順で唱えてみると、またもや火が出た。

 教授も真似してみるが、元々魔法を使えるので火の魔法は羊皮紙を無駄に燃やした。

 ちなみに教授位になれば、呪文を唱えなくても発動は可能。

 ただ、効果は3割減とのこと。

 風の魔法は羊皮紙が飛んで行くだけだった。

 水の魔法は羊皮紙がずぶ濡れになっただけだった。


 飛んでいった羊皮紙を拾い、唱えてみると発動しない。

 不思議に思い水の魔法の羊皮紙も試すが、発動しない。

 手持ちにあった火の魔法の書かれた羊皮紙は発動した。


 火の属性だけが発動するのかと思ったら、手元にあった風の魔法の羊皮紙は発動し羊皮紙が燃えた。

 色々と検証した結果、自分で書いた魔法のみ発動できるということだった。

 用紙は羊皮紙以外は発動しない。インクは何でも良かった。レモンとか果物などはダメだったが。はっきり濃くかければ大抵のものは問題なかった。


 ここまでわかったところで3年目が終わった。


 4年目は羊皮紙を買うために仕事と研究と実験を重ねた。

 基本研究分野になっているため、研究と実験のみ行い、卒業までに論文をまとめれば良いという学年だ。

 その為、1週間7日のうち3日は仕事、2日研究、1日実験を繰り返した。

 残りの1日?それはもちろん休日。


 半年くらいしたところで、意外な結果がわかった。

 現存する魔法低級魔法から魔道士と呼ばれる専門上級職の魔法まで自分で書いた羊皮紙であれば発動することがわかった。


 この結果を導くまで、相当数の羊皮紙が失われ、羊皮紙の高いものから安いものまで実験したため、相当数の金銭が失われた。

 高い魔法は最高級の羊皮紙でないと発動しない事もここで判明している。

 ちなみに最高級の羊皮紙は4日分の仕事をしてようやく1枚買える程度の金額。

 書き損じは発動しなかったので、緊張のため最高級羊皮紙を3枚ほど無駄にしたのは悲しい思い出だ。


 これだけなら、多少荒波のある学園生活と思われるが、7歳から11歳までは前世の意識が強く、11歳から15歳まではこちらの自分の意識が強かった。意識は完全に融合できていなかったのだ。その為、7歳以前の告白集中期間とでも言うのか、そのようなモードになっており、毎月1人は告白し、撃沈していた。

 ついたアダ名が『撃沈王』『無謀な王』『ある意味勇者』『撃沈の魔法使えない』。

 他には『キモさん』『キモ勇者』『こないで』『羊皮紙に謝れ』と、前者は同姓、後者は異性から拝命した。

 ある意味愛されキャラだったのか、すべて表彰式みたいな形で賞状を送られている。

 もうアダ名ではなく称号だな……泣いていい?。


 教授に論文は告白撃沈史で良いと言われたが、流石にそれは泣きそうなので自分の研究結果、特殊技能と思われる『羊皮紙魔法』をまとめ提出した。

 教授は真面目な論文を出してきた為、少し面白くなかったみたいだが、素直に通してくれ、卒業の証『マルビティン魔法学院のメダル』を受け取ることができた。


 卒業式に告白し、案の定撃沈した俺はみんなから胴上げをされた。


 さて、ようやく憧れた魔法使いの冒険者になれる。故郷に報告したら早速とギルドに登録しよう。


10/9 今後の展開のしやすさを考え、MP0を魔力無しに変更しました。意味合いは変わりません。

2016/01/04 三点リーダ修正 ・ 誤字修正

2016/11/04 変なデータが入っている所を修正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ