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30の魔法使い  作者: 圧縮
本編
46/83

きっかけ

きっかけ


「風呂は命の洗濯って誰が言ったんだっけかな?」

 まあ、誰でも良いんだが、やはりドワーフの湯宿の温泉は格別だ。レーニア-アピ街道では体を拭くことは出来ても洗うこと、しかもたっぷりとお湯に浸かりながらなんて出来るわけがない。余計に気持ちがいいと感じるのだろう。

 月を眺めながらゆっくりと温泉を堪能する。月明かりの中浸かる温泉の気持ちよさは何度でも体験したいほどだ。温泉でお酒というのも洒落た行動だとは思っているが、酔いやすいから危ないとも思う。だが、温泉での月見酒、これには非情にやってみたくなる。だが、ここで簡単に手に入るのはぬるいエールとさほど洗練されていないワインの様な果実酒しかない。酔えれば良いというわけでも無いので、泣く泣く諦める。まあ、酒がなくても素晴らしい事ではあるのだが。

 俺以外に風呂に入ってる者は誰もいない。お湯が流れ込み、そして流れ出る音のみ。寂しいという気持ちもあるが、日本人の感性がまだ残っているとでも言うのか、わびさびを感じ、これも悪くはないと思うようになった。年を経たからそう思う様になったのかもしれないが、ジルフ爺さんを見ているとわびさびなんぞ何処にある?という人なので、年齢だけではないのだろうと思う。

「この環境は最高だ……」

 思わずふぃ~っと声が出る。最高にリラックスした状態になっている。このまま寝てしまいたい気持ちになるが、アピに入っての初日。まだ夕食も食べてない。まあ、その前に溺れてしまう可能性があるからそれは無理なのだが、非情に魅力的ではある。

「しばらくこのままでいたいな……」

 これがフラグとでも言うのだろうか。突然騒がしくなってしまった。

「温泉!久しぶり!」

「この温泉気持ちいいよねー!」

「私もとても楽しみでした」

「私は何年ぶりかな?ここの宿はたまにしか泊まれなかったからすごく楽しみだったの」

「ハパロバ!体洗いなさい!」

「まだ石鹸あるのですね。フミトさんの所で使った方が良かったのですが、これもいいものではあるので、ありがたいです。早く商品化して欲しいところですね」

「これより良いのがあるのですか?」

「はい、フミトさんの所で使わせてもらいました。香りがとても良くて常に持ち歩きたかったです」

「は~……すごいところですね……」

「初体験です」

「私もそうですよ。運悪くフェスティナ商会の仕事でアピに来ることが殆ど無かったので、今はとても感動しています」

 この騒がしい声の主はうちのパーティーメンバーと御者達だ。11人全員で一気に入ってきたようだ。せっかくの静寂が喧騒へと変わってしまった。

「せっかくのわびさびが……」

 まあ、お湯の気持ちよさと月の綺麗さは変わらないのだ。気にしないで浸かっていよう。

 しばらくすると、次々にお湯に浸かる音が聞こえ始めた。流石に体を洗い終えてから入っているようなので少し安心する。

「お!すげー!浮いてる!」

「ハパロバ!失礼でしょ!」

「浮かない人が嫉妬してるよ」

「な~に!?」

 うん……またこれか……。そろそろ居心地が悪くなりそうな予感がする。

「温泉好例!胸部装甲チェーック!」

「ハパロバ!いい加減になさい!」

「いーじゃんかー。揺れない人は黙ってて」

「貴方ね……」

「それじゃ私はナイアの確かめよーっと!」

「ちょっと!ノンナさん?!」

「ノンナ!何するんですか!」

「いやー、いつ触ってもふかふかでやらかいなー」

「自分の触りなさい!」

「自分のはつまんないもん。そんじゃリーアちゃんかティアちゃんのいこっかなー」

「ノンナは良いキャラしてるねー!私も負けらんないよ!痩せてるように見えてしっかり出ているロゼマ!っていねーじゃねーか!」

「そうそう何度もやられてたまるもんですか。いい加減にやめなさい!ハパロバ!」

「いーじゃん、減るもんじゃないし。んじゃ、カルメニアのいくかなー!」

「え?私いつも最後じゃないの!なんで今来るの!」

「たまにはいーじゃん」

「いやぁぁぁ!」

「ノンナさん!やめてー!」

「なんか、あっちのほうが楽しそうだな……」

「そう言いながら手を動かすのやめろ!」

「フミトー!フミトも混ざりたいだろー!?」

「え?フミトさんいるんですか?!」

「そりゃ、部屋に居なかったから温泉に入ってるだろう?それに、さっき覗いたらいたし」

「男湯覗くなよ!ハパロバ!」

 思わず突っ込んでしまった。だが、声を出してしまったことで失敗したと理解する。

「フミト!今の全部忘れなさいよ!忘れなかったら精霊に頼んでとんでもないことしてやるんだから!」

「私からもお願いします!できたら忘れてください!」

「頑張ったご褒美のつもりだったんだけどなー。それじゃフミト、私の触るか?」

「何言ってんの!?」

 二人から懇願の言葉が来たが、ハパロバへのツッコミを優先して言葉を発した途端に背中にとんでもない悪寒が走る。温かい温泉に浸かっているのに瞬間的に氷の水風呂に入ったような錯覚に陥った。静寂から喧騒へ、さらいは混沌へと進化している環境に俺の精神が参ったのか、それとも何か悪い予感がしてるだけなのか……。

 何となくさっさと逃げたほうが良さそうな気がするので、一声かけて逃げることにする。

「ハパロバ!いい加減にしておいたほうが良いと思うぞ。タイミング的にシャンニーがブチ切れるタイミングだと思うからな」

 捨て台詞を言いながらそそくさと逃げる。せっかく温かく気持ちの良い風呂だったのに寒くなって出るってどういうことだよ。鳥肌まで立ってるし……。ご飯食べたら入り直そうかと考えながら着替えて自分の部屋に戻ることにした。


 風呂からでて部屋に戻ろうとしたところ、ロゼマとレンティと会った。

「あら、もう出てきちゃってたんだ」

「嫌な予感がしましたので」

「理由は聞かないでください」

 ロゼマは経験からくる予感か、レンティの言葉は中々に痛かったので、聞かなかったことにする。

「先に行ってお茶でも飲んでるか?」

「良いですね。フミトさんの商会のことも聞いてみたかったですし」

 ロゼマからその様な質問が来た。経営の事を勉強しているので俺の商会が多少は気になるのだろう。

「それじゃ、食堂集合で」

「はい。荷物置いたらすぐ向かいますね」


 二人と別れ荷物を置きすぐに食堂へと向かう。俺の部屋は風呂には若干近いが、殆どの場所には遠いので、二人がゆっくりしてなければ俺のほうが遅いだろう。

 荷物をおいてすぐ向かったが、結局二人は先に待っていた。

「何飲みますか?」

「お茶で良いかな?お酒は食事の時で良いかもね」

「私もお茶で良いです」

「同じく」

 3人でのんびりとお茶を飲みつつゆっくりとする。先ほどの混沌からようやく回復したかのように感じる。

「フミトさんは商会の会計とかはどうしてるんですか?」

「数字上は管理してるけど、実務はほとんどフェスティナ商会にお任せしちゃってるかな。、フェスティナ商会との売買は商会の口座でやってもらってるけど、他の農家とかに支払うのはうちからじゃなくてフェスティナ商会からにしてもらってるんだ」

「商会の口座を持ってるのですか?」

「だって楽でしょ。わざわざ現金のやり取りしてると重いし、結局フェスティナ商会に預けちゃうしね。それに俺のお金なのか商会のお金なのかわからなくなるしね」

「だから数字だけ管理なんですね」

「そう。羊皮紙には資金の流動があった場合記入してもらってるよ。それと、俺が普段からレーニアに居ないから、口座のカードはシルヴィアさんに渡してるんだけどね」

「それも含めて、色々な意味で頭が上がらないんですね」

「レンティ、ツッコミキツイけど、その通り」

 レンティから鋭いツッコミが入る。本当に色んな意味で頭の上がらない人と言うのはこういうことを言うのだろうな。人間的にも金銭的にも。

「確かフミトさんの作ったものは全てフェスティナ商会のみ買い取りできるんでしたよね?」

「そうだよ。口座を作ったのも、口座を任せてるのもそれが一番大きいかな」

「しかし、よく商会を作ろうと思いましたね」

「私もそこは少し気になっています」

「そんな大した理由は無いよ」

「それでも聞いてみたいです」

 二人は結構興味に引かれたような顔をしている。目もキラキラと輝き始めてるようにも錯覚できるほどだ。一人は商会を将来的には次ぐかも知れないレンティ。もう一人は経営のことを学んでいるということは、こちらも将来的には商会を立ち上げたいと思っているのだろう、ロゼマ。ここまで二人が好奇心にかられてる状況は珍しいと事だと思う。

「俺が初めて組んだパーティーの事は話したっけ?」

「はい、ダグラスさんが仲間だったと言うことですよね?」

「え?ダグラスさんってドラゴンスレイヤーのですか?」

 ロゼマがかなり驚いた顔しながら大きな声を出したと慌てて口を軽く押さえる。他の客に迷惑と言うのもあるのだろうが、万が一ダグラスの関係者とわかった場合は良い意味でも悪い意味でも絡まれる可能性があったからだ。まあ、普段からクールな彼女が慌てる様を見れたのは珍しかったが。

「そう。あいつとは駆け出しの頃からずっと一緒でね。色んなとこを冒険したよ」

「そうなると、フミトさんもドラゴンを倒したのですか?」

「倒したよ。きつかったけどねー」

「すごいです!本当にすごいです!上位種のドラゴンを倒したことある人と出会えてるなんて!」

「まあ、ドラゴンを倒したのはたいした事無いさ。俺が居なくてもあいつらならいずれは倒せただろうしね」

「たいした事ありますよ!一般的に見つかるドラゴンでさえ死者が出るんですから!」

 実際小型の小竜種では、このパーティーでも行けるだろう。武器が良いのと経験者がいる。ナイアやノンナは前のパーティーで多分倒している事だろう。リーアやレンティもいずれ護衛していれば遭遇するだろう。

 国境の町オルティガーラ南西に山がある。ダウラギリ山よりは全然低いジャナクプル山からえさを確保するために街道辺りまで出てくることがある。ワイバーンと言いたい大きさだが、小さいのに大きな竜種と同じ硬さの鱗をしているのでドラゴンと認定されている種類だ。鱗は硬いが皮が柔らかいのでさほど高値にはならない。

 だが、大型の竜種は本来なら6~8パーティーで時間をかけて討伐隊を編成するのが普通だ。

 一時遭遇で追い返し、帰巣したところを叩くのが理想だ。

 だが、ドラゴンの集まる巣もあるので、一般的には一時遭遇、ドラゴンが少し傷を治して二時遭遇。傷の治療後怒り狂って三時遭遇等回数を重ね、皆がドラゴンのその個体に慣れたところで一気にたたみかけるのだ。

 その一時遭遇と最終決戦で被害が出やすい。亡くなる事もある。ただ、肉は美味いし、鱗や皮は高価で取引される。遭遇できたら一攫千金を狙う冒険者ですぐ募集はうまってしまう。討伐隊に参加しただけでも酒場の英雄位にはなれるものだ。それの上位種を6人でと言うのは本当に英雄扱いされるだろう。俺は嫌で押しつけて逃げたが。

「ドラゴン退治の話が聞きたいのか?」

「いえ、すっごく気になりますけど、商会で」

「私も、悩んでますけど、商会の話は今を逃したらしてくれなさそうなので」

「どっちにしてもそんなに面白くないし、長くもないよ?」

「問題ないです」

 二人はお茶を飲んでゆっくりしてるはずなのに高揚したかのように頬が赤くなってきている。もうこれでお開きと言ったらいつまでも言われ続けそうなのであきらめることにした。

「ドラゴン退治は今度話してくださいね?」

 かなり熱心な顔で言ってくるので、少しこちらも勢いに負けて約束してしまう。

「ああ、わかったから。続きだけど、あいつらと別れてから幾つものパーティーと冒険したり、新人を育成したりしたんだ。その中にノンナやナイアが居たりしたよ。レンティやリーアもその中の1例のはずだったんだけどね」

「タイミングが良かったのでしょうか、いい勉強になりますし、このパーティーに入れて良かったと思ってます」

「そう?ありがとう。まあ、それであんまり充たされることがなくて少し無気力になってたんだ」

「その間は冒険者として活動はやめていたのですか?」

 ロゼマが意外そうな顔して質問をする。

「いや、新人育成はやってたよ。まあ、そんなに強い魔獣に遭遇することが無かったから、しっかり育成できたかどうかはわからないけどね」

「強い敵と戦えてないから充たされないとかですか?」

「そんな性格してると思うかい?」

「全く思わないですね」

 レンティがあっさりと突っ込む。ここまですっきりとしたツッコミはなんか気持ちが良いくらいだ。

「育成に関しては強い敵と当たらないと慎重に進めるということが考えられなくなるからね。まあ、充たされないのは寂しかったんだろうね、エステファンにも、シルヴィアさんにも心配されたよ。そこで、フェスティナ商会を改装する時に色々と意見を出して役に立てたことを思い出したみたいで、フェスティナ商会で研究の様なことしないかってなったんだ」

「そんなことがあったんですね」

 あの頃はかなり心配かけていた様で、2日に1回は冒険していない時はシルヴィアさんかエステファンが顔を出しに来ていた。あの二人も忙しいはずなのに。

「連れ添ったパーティーと別れるのはそんなに辛いことなのですか?」

「平気だと思ってたけど、思ったより引きずったね。だから、リーアとレンティには、最初にいろんなパーティーに入る事想定して教えていたでしょ?」

「そう言えばそうですね。そこまで色々と考えていただいていたんですね。ありがとうございます」

「そんな考えてないよ。一つに固まりすぎると冒険者で長く続けられないことがあると言うことを実体験意外にも知ってただけだよ」

 実体験はもちろん以前のパーティーの事だ。それ以外にも仲の良かったパーティーが解散したこともあるし、魔獣相手に壊滅して続けられなくなった冒険者も見てきた。その経験からそうなった時にでも生き残って冒険者活動を続けられる事を優先しただけだ。

「フミトさんは優しいんですね」

「優しくないよ。俺のわがままだよ。最初の動機は知ってる人に亡くなってほしくない、その理由が自分が悲しくなりたくないってだけだからね」

「それでも、しっかりと教えてるし、パーティー組むとかして守ってるじゃないですか」

「まあ、どう思われるかは置いておくよ。それで、商会の隣の倉庫を建て替えることになったんだ」

 恥ずかしいので多少強引に話題を戻す。褒められるのには慣れてないんだなと気づく。

「あの少し変わった倉庫ですか?」

「そう。あの仕掛けは俺の考えなんだ」

 フェスティナ商会の倉庫は、3階建てで、エレベーターがあるの。普通の商会は平屋建てで積み上げておいておくことしかしてないのだが、鎖と滑車を利用したエレベーターを作った。

 エレベーターと言えば現代日本では重いものを数秒で高いところに運ぶものではあるが、実現できたのは約5x5m程度の補強した板に4隅に鎖をつけ、止める装置の着いた滑車で引き上げるという物を1箇所作った程度だ。上げる時用の滑車と降ろす時用の滑車を合わせることができ、一箇所で上げ下ろしが出来るように出来たので、まあまあいいものが出来たのではないかと思っている。

 このエレベーターを使うのには時間もかかるしあげるのも降ろすのも力がいる。だが、大幅に人足を減らすことが出来、時間的効率もよりかなり良くなったのと、空間を多く利用できるようになったので、より多くの荷物を扱うことが出来るようになった。

「シルヴィアさんからあまり動かない物は3階に、送る前に集め保管したり、週1くらいで動くものは2階に、常時動くものは1階にという説明を受けました。あれはフミトさんが作ったのですね?」

「作って実現したのはゲーニアだよ。俺はイメージを絵と共に伝えただけ。でも、そのイメージや知識を売る仕事をやってみないかと言われて初めての仕事がこのエレベーターなんだ」

「そうだったんですね。だから、フェスティナ商会では珍しい物を仕入れることができたらまずフミトさんにって言うのもうなずけます」

「おかげで苦労したけどね。まあ、それで知識を売るという形で金銭を得ることが出来、たまたま珍しい物で売れるかわからない米を大量買してしまって困ってた商会を助けることで始めたのが本当の出発点かもね」

「それでセイシュができたんですね」

「ちゃんと飲めるまで3年かかったけどね。一人でやるなら知識で得た金銭で蔵以外はまかなえたけど、一人、二人とどうしても必要で雇っちゃったからね、そこから借金との戦いだったよ」

 借金で首が回らないと言うのはこういうことかと実感して苦しい思いをしたのはいい思い出だ。と言うか、今も借金が増えたので回らなくなりつつあるが。

「もう、セイシュとミソ、あとチリソースでしたっけ?あれで結構返済できるんじゃないですか?」

「順調に行って後3・4年かな?そのくらいでようやくトントンかな」

「そんなに借金があるんですか……」

「約4年人を雇うってだけでも結構な額がかかるんだよ。その人の生活を守らないといけないからね。さらに最初の3年間は売上が殆ど無かったから思ったより減らなかったというのもあるんだけどね」

「そうなんですね。まだまだ学ぶことが多いみたいですね。その二人のお金はどちらから出てるんです?」

 ロゼマもかなり勉強していると思うのだが、それでも足りないというのだろうか。俺なんか見切り発車だったというのに。

「俺の口座からじゃなくて、商会の口座からにしてもらってるよ」

「どうしてなんです?」

「まあ、俺の金と混ざってわからなくなるとさっき言ったけど、それ以外にも、二人の給与を商会の口座からと言うのは、万が一俺が不慮の事故とかで動けないとか亡くなった時にでも口座から金額が無くなるまで支払い続けられるからなんだ」

「そんなこと言わないでください!」

「おわっ!」

 突然後ろから大きな声をかけられ思わず声が出る。慌てて振り向くとお風呂で混沌を作っていたはずのメンバーが全員席に座ってお茶を飲んでいた。

「全員いるじゃないの!つか、何処から聞いてた?!」

「ドラゴンの辺りかな?長い付き合いだけどフミトも苦労してたんだねー」

 少し関心した感じと、食料のことじゃないので少し抜けた声でハパロバが答える。

「そんなことより、万が一なんてありえません!そんなことは絶対させません!」

「そうよ!フミト!そんなことになったら絶対許さないんだから!」

 近くに座っていた二人は俺の近くにより、かなり怖い勢いで迫る。

「まあ、先はわからんからね。冒険者をやっていても、やっていなくてもどうなるかわからないからね」

「でも、万が一は無いんです!」

「そうよ!無いのよ!」

「あははははは!フミト!負けだよ!さあ、食事だよ!飲もう!」

 ハパロバから助けが出る。これ以上は確かに説得できる自信もないし、冷静な二人がここまで頭に血が上ってるのも何とか覚まさせなきゃならない。食事で落ち着けば戻ってくれるだろう。

 既に頼んでいたのかタイミングよく料理と酒が運ばれる。ハパロバが頼んだのだろう、量が半端無く多い。飲み物も全員もれなく酒になっている所がはパロバらしいと感じる点ではある。

「貸しひとつな?」

「わかったよ。ありがとう、助かったよ」

 この借りはすぐ払われることになる。さんざん高いものを飲み食いした12人分の代金として……。

「あいつら、一番高いの頼んでいやがったのか……」

 小金貨2枚とはとんでもない借りを作ったもんだ……。






同じ口調の二人との会話となってしまいました。設定通りで進行していたのに、口調までは計算出来ていなかったです。自分で読んでいてどっちがどっちだかわからなくなりますが、どちらが質問しても意味合いは変わらないので、流してくれると大変ありがたく思います。いずれ書き分けたいと思います。時間があればですが…。

今週は余裕を持って書けたつもりでしたが、結局今日の夜まで書き終えることが出来ず、誤字脱字が多いかもしれません。見つけられましたらご連絡頂きたいと思います。

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