015話 鎖
「旦那には弟いるよね。」
「ああ、いるよ。それが何か問題あるのか?」
「ねぇ、アイスホントでしょ。」
「うん、さっきは殴ってしまい申し訳ない。」
アイスは、縦に首を下げた。
「それは、いいよ。でぇ、俺の弟が何かしたのか?」
「それは…」
「アイス言えないの?」
「ウイング…、ウイングならわかるよね。私の婚約者が居たことを。」
「うん、わかるよ。もしかして…」
「うん…そうだよ。私の目の前で殺されたの。」
アイスは、悲しそうな顔で言った。
「アイスなら、勝てたのでないの?」
「確かに私が普通に戦えば普通の人間に負けることはない。だけど、あれは…」
アイスは脅えていた。
「おい、アイス教えろ。何があったのか。」
「それは…、覚えてないの。」
「覚えてない?、嘘ついても無駄だぞ。」
「アイスホントに覚えてないの?」
「ホントに覚えてないの。だけど私の目の前で婚約者を殺されるのを、私は抵抗もできなく殺される瞬間を見ることしかできなかった。」
「ウイングどうだ?」
「アイスは、嘘をついてません。それにアイスの心臓に黒い鎖で固定されてます。」
「鎖?」
「はい。多分ですが、鎖で心臓を圧縮して殺そうとしてるんだと思います。」
「ウイング、私に鎖がついてるんですか?」
「うん。それも覚えてないの?」
「すいません。」
「嘘ではないことが、わかったからいいよ。それにしても、アイスの鎖をどうやって壊すかだな。」
そう、今アイスの心臓には鎖がついてる。多分何かの仕掛けで、起動して圧縮して殺す仕組みだろ。
「とりあえず、俺様とウイングはブレスの所に戻って聞いてくる。」
「ブレスとも、契約してるんですか?」
「そうだよ。旦那は私とブレスの2体と契約してるの。」
「それなら…」
「どうしたの?」
「何かいやな予感がする。」
それは、アイスについてる鎖が関係ある。
「ウイング、全速力でブレスの所に飛ぶぞ。」
「わかりました。」
そして、一瞬で飛んだ瞬間だった。
バシ
何かが捕まった音だった。
「旦那、後はよろしくお願いします。」
捕まったのは、ウイングだった。アイスの心臓から出てきたのは鎖だった。
「ウイング?どこにいるんだ。」
この時は、俺様は気づくことができなかった。とりあえず俺様はブレスの所に向かった。
「お~い、ブレスどこにいるんだ~」
ブレスには、俺様の声が聞こえた。
「ミミ様、戻ってきたみたいです。今から向かいますので、手を離さないでください。」
「え!、帰ってきたの。私を放置したんだからお土産とか、持って来てるはずよ。」
「お土産とかは、持って来てるか分かりません。けど、ウイングが…」
「ウイングに何かあったの?」
「いえ、詳しくは言えませんがウイングは帰って来れてません。」
「なら、早く向かいましょ。」
「はい、ではすぐに向かいます。」
そして、ミミとブレスは俺様のところに向かった。
「おかしいな。ウイング何が、戻ってこないんだ?」
ウイングは、アイスによって捕まっていることを知らない。
「ちょっと、アイス。その鎖離してよ。」
「フフフフ、我はアイスではない。我はウイングの契約者の弟だよ。」
何とアイスではなく、弟だった。




