ビールを飲んだら異世界だった
今日も仕事が終わって帰宅。
家族に食事を作る。
料理は、得意だ。家族も食事を喜んで食べてくれる。でも、仕事と家庭の往復で
こんな毎日で人生終わっていくのか。
そんな事を思いながら、今日の晩御飯の
中華料理を食べる。
向かいの旦那と息子は、満足げに食べている。
はー、せめて旦那がめちゃくちゃ
どストライクのイケメンなら…。
んー。そんな中高生みたいなこと言ってる私ってバカだよな〜とポリポリたくあんを食べる。
『今日も美味しいよ。ありがとう』
そんな一言をもらえるだけで、世の中的は
合格なのだろう。
しかし…この湧き上がる焦燥感。
グイッとビールを飲む。
ぐらり…。体が意志とは違う動きする
あれ?いつもコップ1杯程度で酔わないのだけれど…?
※
気がつけばベットで眠っている。
ふー。いけない
明日も仕事なのに。食器も洗ってないし…
はー、また寝るのが遅くなっちゃったな…
!…あ?
なにこれ?
私は豪華なネグリジェを来て、
天蓋付きのベットで、休んでいた…
(え、待って待って。)
自宅で食事していたはずでは?
…思考停止中。
コンコン。
「奥様、お目覚めですか?体調は良くなりましたか?水をお持ちいたしました」
よく漫画に出てくる侍女風の女性が
こちらに近づく。
「奥様って、私ですか?」
「…。 あの、奥様どうなさいました??
あ…旦那様をお呼びいたしますので…少し失礼致します」
水をベットサイドに置き、侍女風の女性はあわてて部屋を出る。
(んー。なんか夢でも見てるのかしら。でもステキな夢だから…もう少し…)
バタン!
背の高い男性が駆け込んできた。
「どうした?アンジェ?具合が??」
(アンジェ?…私はここでは
アンジェというのね?クスッ)
「あら、旦那様。心配してくださったの?
大丈夫で……え??」
なんと!
心配そうにこちらを見つめる夫らしき
男性。
年齢は実の夫くらいだけども…
待て、待て…
相当な…イケメン!
(え、うそ。このヒト私の旦那様なの?)
「アンジェ、脅かさないで欲しい、
食事中に、気分が、悪いといって休んだまま…」
ベットに座り心配げにこちらを見るイケメン。
そ、そうなのね。
それじゃ、現実と同じ状況だわ。
「あら、ごめんなさい。あなたに会ったら、
元気になったわ」
これはマジ。もっと近くに来て欲しい!
「おや、甘えるなんてひさしぶりだね。」
そう言いながら軽く抱きしめてくれた。
え!リアルに抱きしめられてる感じ。
すごい!
「嬉しいわ」
…こころから思う。
あー!いい夢!覚めたくない!
でも…きっと無理ね
「ありがとう、じゃ、もう少し眠るわ」
そう言って未練が残らないうちに、
現実に目覚める事にする…。
…。
…。
ん。眠くないし。天蓋はまだ目の前にある。
ちょっと待って?
これってリアルかな…。
ガチャ。
人が入ってきた。
「アンジェ、もう眠ったか?」
!先程の、イケメン旦那様!
どうしたらいいの??
(とりあえず、寝たふり…)
旦那様は、そっとベットに入ってくる。
(おお…夫婦で眠るのね…。)
暗くて顔は見えないけれど…
隣にいるなんて…はぁ〜。電気つけたい!
そっと寝返りをうって、旦那様に触れてみる。
(夢の特権ね…)
旦那様は、頭を優しく撫でてくれる。
あら、夫婦関係は良好な様子。
は〜アンジェさんは、幸せモノね!
夜はそのまますっかり更けて…
やがて…朝が来る…
…やばい!ゆうべのお皿も洗ってない!
勢いよく飛び起きてベットから飛び出す。
ん。
この豪華な部屋は夢の中のままの風景…
「〜ん。アンジェ。どうしたの?
ずいぶん早いね…」
一体何時?まだ薄暗い室内。
時計もない…
もう一度眠ればいいの??
恐る恐るベットに潜り込む。
元に戻らないの??
私は誰なの??
頭をまで布団をかぶり、冴え渡ってくる脳。
ゆうべの自分を振り返る。
ビール。あれがネックなの?
いつものビールだったけど?
たくあん?
中華料理?
ん…
そうこうしているうちに、すっかり朝が来た
「う…ん。アンジェはよく眠れたの?」
布団をめくり、私の様子を伺うイケメン。
うそ…早朝からこんなにカッコいいなんて。
恥ずかしいんだけど…私…。
中の上程度の自分が急に恥ずかしくなる。
嫌!朝イチの顔見られたくない。
「だ…大丈夫です…」
とてもよそよそしい。
だって、知らないご主人とベットを共にしてるのよ私。恥ずかしすぎる!
旦那様は、頭にキスをする。
(変な汗と、なぜか罪悪感)
コンコン。
「失礼致します。旦那様、ゆうべの件は…」
執事らしき男性がやってきた。
ん…なんか聞き覚えのある声。
そぉつと、布団から目だけ出して様子を見る。
!旦那…「そっくりなんてすけど?!」
声に出してしまった。
「奥様、体調は戻られましたか?
声がお元気そうで何よりです」
執事が似合う…。旦那
「アンジェがいつもと様子が違うのが
気になるが…。」
そう言って、イケメン旦那様はこちらに近づいてくる。
わわわ。恥ずかしいから…!
「本当に大丈夫か?顔を見せて…」
そう言って布団をやんわり剥ぎ取られてしまった。
「あ…」
思わず目を瞑る。
私、不法侵入にならないかしら…。
旦那様は、まじまじとこちらをみている。
(そんなに見つめないで!)
顔が赤くなる。
「ん?熱か?」
そして、おでこに手を添える。
その様子を、さっきから旦那似の執事がみている。
(マジで何これ、怖いんだけど)!
「あ、いえ大丈夫ですので…」
冷静に答え、頭を下げてイケメンから離れる。
「え。」
同時に腕を掴まれる。
「ゆうべから、おかしい。何か心配ごとか?」
心配そうに見つめる旦那様
(朝から破壊力すごい。)
「奥様、医者でも呼びましょうか?」
執事が心配そうにいう。
「え?いいよ本当に。」
聞き慣れた声に思わず素が出る。
「は…?」
「ん?」
男性二人の反応に、
(あ、ヤバい)
「アンジェ…何か不快ことでも?」
困惑気味の旦那様
15年は連れ添ってそうなのに、優しいわ。
さすが貴族。余裕を感じるわ。
そして、旦那様は
アンジェという私の頬にキスをする。
「わーー!」
そして私はベットから落ちた。
あわてて、旦那様と執事が駆け寄る。
とっさに執事に捕まる私。
「アンジェ?」
不思議な顔をする旦那様。
固まる執事。
「ねぇ、…リョウ?でしよ?」
執事に向かって旦那の名前を呼ぶ。
「昨日の夕飯、一緒に中華食べたよね?」
執事は慌てる
「お、奥様。私はリヨンですが…
奥様は、昨晩、旦那様と食事をされていましたが…?」
「だって、私旦那様の名前がわからないもの…それにこんなに……」
イケメンなんて…。知らない。
「リヨン、下がってくれ」
「はい。」
二人きりの室内
「すみません、私あなたと面識がありません」
少し距離を取って話す。
「…」
困惑気味の旦那様。
「アンジェ…一体どうした?
数日前に熱い夜を過ごしたのに…か?」
何ですって?
「ま、ま、待ってください私じゃありません」
「君はアンジェだ。私の唯一の。」
旦那様が抱きしめてくる。
「アンジェ…セルジュと…呼んで…」
「セ…ルジュ様?」
「アンジェ!」
いい感じに年を重ねつつある男性の
悩ましい表情に、色気を感じる。
本当に私は妻…?
私は彼の手を解き、隣に続くドレスルームらしき部屋へ向かい鏡を探す。
このドレスルームの場所がすぐに分かった…
でも…
大きな前身鏡に写った自分。
それは…
面影も何もない。絶世の美女だった。
誰これ!
ヤバいわ。このヒトと入れ替わってしまって
同じ振る舞いなど出来るわけない!
「アンジェ。どう?やはり君はアンジェだろう?」
後から抱きしめるセルジュ。
そしてキスをする。
ど、どうしたらいいの??
本当のアンジェさんは??どこ?
そのままセルジュにベットへ連れ込まれそうになるのをなんとか遮る。
いくら体がアンジェでも…
「すまない…君の体調が大切だ。
今日は、このまま部屋で休むといい」
頬にキスを落とし、部屋から出るセルジュ。
確かに…ゆうべ
旦那がイケメンだったら…なんて想像したけれど…。
リョウのそっくりさんの前で、誰かといちゃつく趣味はないわ。リヨンさんがいなければ多少楽しんでしまったかもしれないけれども。
…。
もどかしい。
先程侍女が用意してくれた水を
一口飲んでみる。
ぐらり…。
あ…また?
うーん。
目が覚めたら、病院のベットだった。
「こんどは何?」
シャーっとカーテンが開く。
「いかがですか?」
見慣れた息子が他人行儀に声をかけてきた
「なに?どうしたの…」
「…。やばっ!マジで先生呼んでくるわ。」
息子が看護婦を探しに部屋を出た
ん〜どうやら元に戻れたのかな。
きっと…アンジェさんと入れ替わったのね
それは、こちらの入れ替わりの方が
驚いたでしょうね。
笑える。
平凡な日々にとんでもないスパイスの
プレゼント。
今度は、予告して入れ替わるには…
いいかも!
なんて…。
ビールを飲んだら異世界だった【アンジェの場合】もお楽しみください
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