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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第1章

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7/12

Episode7 - 新しい力を


『あなたは死亡しました:全ステータス低下15分が付与されます』

「うへぇー……精神的にどっと疲れた……」


 その後、約10分程度戦い続けた私はゴブリン達に滅多刺しにされる事でHPを全損し、初期スポーン位置である洞窟の中へと戻ってきていた。

 デスペナルティの所為で重い身体を動かしながら、今回の探索で得た経験値やスキルなどを確認して笑みを浮かべる。


「うん、中々に収穫はあったね。大体倒せたのは……最初の3体、入り口の5体合わせて……15体くらい?」


 ゴブリンの素材らしきアイテムも幾つか手に入ってはいるものの。

 そんな人間社会に迎合しなければ使えないものよりも、今の私に有用なモノの方が嬉しいのだ。


「【疾走】、【恐怖耐性】に……おぉ、最後の乱戦中に【野戦技術】とかいうのも手に入ってる」


 それぞれレベルは1ながら、あるとないとでは違うであろうスキル達。それらの効果の詳細を確かめるべくステータスウィンドウを表示させて読んでいく。

 【疾走】はその名の通り、走っている時に速度が上がるスキル。

 【恐怖耐性】は……恐らく、このゲームにおけるデバフの1つであろう『恐怖』に対する耐性を得れた、という事だろう。

 そして【野戦技術】はと言えば、


「何々……?野外環境での戦闘、探索に関係する行動にボーナス……めっちゃ良いじゃん!助かる!」


 行動にボーナスが入るパッシブスキル。

 それも、基本的に屋内で戦闘などを行わない私にとってはほぼ無条件でその恩恵を得られる良心的なスキルだ。

……でも、遺跡の中で戦ってたのに野外なんだ。どういう判定なんだろ。

 少しばかりの疑問は芽生えたものの、とりあえず機能するのであれば問題はないと結論付けて。

 続いて、ここまでに得られた経験値の総量を確認していく。

 KFOというゲームでは、【隠密】などの様に私がした行動によってスキルを獲得する他、経験値を使う事でも得る事が出来る。とは言え、経験値効率的にはその方法でスキルを得るのは中々に悪いらしく……経験値を使うならば、スキルのレベルを上げた方が良いらしい。ゲーム内の掲示板をちらと覗いた程度の知識だが。


「どうしよっかなぁ。スキルレベルを上げるのも良いし、新しいスキルを手に入れるのも良い……んー……」


 現状、私に足りていないのは攻撃手段だ。

 【噛みつく】はどうしたって相手との距離を零にまで縮めねば効果を発揮しない以上、普段使える様なものではない。

 とはいえ、殴る蹴るが基本の現状において、変に武器を主とした戦闘スキルを取得しても意味がない。


「経験値の総量は約1000。レベルを上げるなら2個分はレベル2に出来るし、スキルを取るなら1個だけ……悩むなぁ」


 ゴブリンを倒せば経験値は手に入る。今回得た量ならばすぐに取り返す事くらいは出来るだろう。

 安定を考えるのであれば、スキルレベルを上げた方が全体的な動きの補強となって生存率も増すはずだ。

 しかしながら、スキルの新規獲得を行う事で狩りの効率が上がるならば……更に大量の経験値を得て、そのまま存在昇華まで狙えるかもしれない。

 そう考え、


「よし、新しいスキルを取ろう」


 私は新規でスキルを獲得する事に決めた。

 スキルレベルを上げるのは重要なのだろう。【筋力増加】や【聞き耳】など、レベル1でも十二分に機能してくれているスキルも存在しているのだ。それらのレベルを上げたらどうなるかなど想像に難くない。

 だが、やはり今の私には戦闘時の選択肢が少なすぎるのだ。

 徒手空拳なのは仕方ないとしても、主に私の戦闘時の許容敵数は1から3。それ以上となると攻撃を食らう事を前提に立ち回らなければならず、ジリ貧になって負けてしまう。


「だから、出来るなら回復系の~……そうじゃん。回復と言えばじゃん」


 スキル獲得用のウィンドウを表示させ、私が思う通りのスキルが引っかかってくれればとキーワード検索してみれば……在った。

 思わず頬が緩み、涎が垂れてしまったのを拭いつつ。

 私は経験値を使ってそのスキルを獲得した。


『経験値1000を消費して【捕食】を獲得しました』

「ぃよぉーし……いいねいいね。これで結構世界変わるでしょ」


 スキル【捕食】。

 口から食べたモノによって、何かしらの効果を得る事が出来る様になるスキルだ。

 薬草ならば回復効果を。薬ならばその薬効を高め。そして敵対者ならば……【捕食】対象によって、戦闘に役立つバフ効果を得る事が出来る、との事。

 結局の所、零距離まで近づかねばならない事には変わりはないものの。しかしながら、今まではリスクしか無かった口での攻撃に意味が生まれたというのは大きい。


「空腹も満たせるし、バフも得れる。うんうん、私好みだよ、本当に」


 そんなこんなで、デスペナルティもそろそろ消える時間が経ち。

 私は再度、洞窟の出入り口の前へと立った。

……さて、改めて。あの遺跡を攻略する以前に、多数のゴブリンが私を襲撃する可能性を考えていかないといけないわけで。

 食糧が自分からこちらにやって来てくれるというのは有難い。

 だが、食糧は多すぎても良くはないのだ。


「いっちょ、間引きますかぁ。流石に多すぎるからね」


 目先の、短期的目標を設定しよう。

 とりあえずは……ゴブリンの数を減らす所から。




――――――――――

プレイヤー:イヴ

合計スキルレベル:8

保有スキル:【噛みつき】Lv1、【筋力増加】Lv1、【聞き耳】Lv1、【隠密】Lv1、【疾走】Lv1、【恐怖耐性】Lv1、【野戦技術】Lv1、【捕食】Lv1

――――――――――

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― 新着の感想 ―
そのうち喰らって行けば暴食になりそう(笑)
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