2話『ターニングポイント』
七瀬『私を・・どうするつもり? ファントムレディ・・!』
レディ『簡単に後ろを取られる 反応が悪い 簡単に急所に握られる』
『3アウトチェンジって所ね』
レディが手を離した『ゴホッ・・ゴホッ・・!』
七瀬『な・・何を・・』
レディ『その程度でよくファントムレディを名乗れるなって事よ』
『最初はちょっと見込みあるかと思ったけど とんだ期待ハズレね』
ぐっ・・これには流石に凛華も憤りを感じる
七瀬『何を偉そうに・・そもそも貴女が街から消えたから
今こんな事になってるんでしょう‼︎』
レディ『私だっていつでもヒーローでいられる訳じゃないのよ』
『それに街の人達に私がいなくなった時の事を考えて欲しかったの』
七瀬『?・・どう言う事?』
レディ『私だって戦えば負ける時だってある
怪我もするし 殺される事もあるかも知れない』
『なのに警察ですら超人犯罪は私頼りなのよ』
七瀬『えっちょっと待って・・まさかわざと街から離れたの⁉︎』
レディ『私が殺されたら今よりもっと悪くなる』
七瀬『だからって・・どれだけの人が被害を受けたと思ってるのよ‼︎』
レディ『私がいなくても街を守れる様になって欲しかったの』
『それにはきっかけが必要だった』
『可能性はあったけど・・
今の所もそれも無駄だったわ・・』
『アンタはもう降りなさい 私が現場に戻るわ
全部忘れて普通に生きていきなさい』
七瀬『・・今更忘れられる訳ないでしょう‼︎
貴女より強くなって‼︎ 私が街を守って 絶対に貴女に私を認めさせてやる‼︎』
『私が新しいファントムレディになるんだから‼︎』
七瀬は人生で初めてといっていい程感情を爆発させた
憧れの人物に失望されたのがこの上ない程の悔しさを感じたのだ
レディ『ガキが調子に乗るなよ』
⁉︎・・なにっこ・・
レディの言葉と共に突然七瀬は呼吸が出来なくなり
意識が遠のき始めた・・
ガンッッッッッッッ!!!!!!!
レディ( 私の気迫を・・気力だけで耐えた・・⁉︎ )
その言葉の通り七瀬は気合いだけで倒れそうな体を立て直した
もっとも体全体震えていて歩く事も出来ない状態ではあるが・・
レディはフッと笑い 七瀬の元に詰め寄る
レディ『ちょっと見直したわ 貴女にチャンスをあげる』
七瀬『えっ?』
レディ『私に認めて欲しいならアンタが街を守ってみなさい!』
七瀬『⁉︎』
レディ『それが出来たら貴女を弟子にして鍛えてあげる』
『将来的にはコンビとして活動なんてのもあるかもよ?』
七瀬『⁉︎・・私が、貴女の相棒になるって事?』
レディ『・・じゃあねー!』
レディはその問いには答えなかったがその後ろ姿から嬉しそうという気持ちが伝わる
その後ろ姿を見て七瀬は決意した
もう観てるだけのファンは卒業だ 私が今観ている背中は 私の超えるべき目標だと
・・その頃街では高架下でフードを被った怪しい男がスマホを弄っている
その男のスマホには七瀬の特集記事が写っている
男『今更本物だと? ふざけやがって・・まぁいいだろう』
『今の俺なら本物でも殺せる 復讐する絶好のチャンスだ』
男は歩きだすが通行人と肩をぶつけた
『・・おいっ!どこに目ぇ付けてんだ‼︎』
『おい聞いてんのか⁉︎ 無視してんじゃねぇ‼︎ぶん殴るぞ‼︎』
びぃいいいいいいい‼︎ ばちばちばちばちちちち‼︎
一瞬にして通行人は雷に打たれた様に死んでしまった
それを男は蚊を払い除けただけの様に無視して歩き続ける
『ちょっと待った‼︎ そこの人殺し‼︎ アンタ良い度胸してるじゃない‼︎』
『でも私に見られたのが運の尽きよ‼︎』
そう騒ぐ女の声に男はイラつき振り返る
『この私ファントムレディが あなたを逮捕してあげるわ‼︎』
そこにいたのはナンパ男に殴られていた太った偽者である
偽者『痛い目にあいたくなきゃ 大人しく自首しなさい‼︎』
男『・・・・・・・』
30人の偽者はニュースにもなったので
男は女の正体に気付く 関わるのも面倒なので無視して歩き始めた
偽者『おいっ‼︎ 人殺し如きが無視してんじゃないわよ‼︎』
『こっち向きなさいよ 犯罪者‼︎ 調子に乗るなよ‼︎』
びぃいいいいいいいいい‼︎ 偽者『うわぁあああああ‼︎』
偽者は辛うじて男の攻撃をかわす事が出来た
偽者『ば・・馬鹿ね!私に同じ手が2度も通用する訳ないでしょ‼︎』
『これが最後‼︎ 言う事聞かないと後悔するぞ‼︎』
ばちばちばちばちばちばちばちばち・・‼︎
うるさい女の声に男は確実に殺す為に力を貯める
偽者『そ、そんなに私を殺したいのね‼︎ なら私を捕まえてみなさいよ‼︎』
男『・・はっ?』
偽者『ほらきなさいよ‼︎ 私を捕まえてみなさい‼︎』
偽者は逃げる様に走り出した
男『・・なんかどうでもいいけど ムカつくなあいつ・・』
男もつい苛立ちのあまり偽者を追いかけ始める
偽者『んひぃいいいいいいい‼︎』
偽者は太ってる割には早い速度で懸命に走るが
ガシャアン!!!!!!!!
行き止まりに行ってしまい後ろにはフードの男がいた
男『本来貴様如き 俺にはどうでもいい存在だ
人間が蟻の命なぞ気にして過ごさない様にな』
『だがついさっき 俺はファントムレディを殺すと決めたばかりでな・・
運が悪かったんだ・・お前はな』
偽者『‼︎・・・・・お前なんかにファントムレディを殺せるもんか‼︎』
男『俺の意見は反対だ』ばちばちばちばちばちばちばちばち‼︎
男は本気で偽者を殺すつもりだ
ドガンッッッッッッ!!!!!!!!!!!
男は後ろからいきなり殴られた
思わず倒れ込み即座に後ろを振り返る
そこにいたのはエネルギー波を溜めて構える七瀬の姿だった・・
ー 3話につづく ー
2話目も読んでくださりありがとうございます!
漫画は描くのに時間かかるのですが
小説だとスラスラ描けるので思ってたより楽しいです!
これからも頑張って描いていきます!