第5話 グループクエストの異端児①
自作のラノベを生成AIを用いてコミック化するチャレンジをしています。
<コミック>
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<文章原作>
グループクエストとは、4人で1グループを組み、ダンジョンを攻略していくものだ。
ダンジョンはいくつかのステージで構成されており、グループで協力してそのステージをクリアする度に大量の経験値を獲得できるので、連日大盛況。看板の周りではグループメンバーを求めて人だかりができている。
グループクエストの参加条件は、レベル6~15で、私はギリギリ参加資格を満たしているようだ。
しかしながら、皆できるだけレベルが高いプレイヤーを仲間にしたいところだろう。レベル6の武器、ショートソードをしっかりと装備しているとはいえ、いささか向かい風の状況だ。
リーダー風の男が叫んでいる。
「グルクエメンバー1名募集!レベル10以上。即戦力の方」
チッ。やはり、レベルを条件に含めている。
それに、即戦力とはどういうことか。何度もクエストをクリアするとコツを掴んで進行がスムーズになるようであるが、それだと私のような新参者はいつまで経っても仲間に入れてもらえないではないか。
ここはひとつ、経験者のふりをして忍び込むか……。一度入ってしまえばこっちのものである。
私は、そのリーダー風の男に話しかけてみる。
「経験者です!グループに誘ってください」
「分かりました!誘いますね」
『ユキオのグループに招待されました。』
加入しますか?
→はい
よし、レベルの確認はされなかったようだな。この世界では、自分のレベルは相手に見えないようになっているのだ。
まるで、現実世界で居酒屋の年齢確認をすり抜けているような気持ちになり、ちょっとワクワクする。
ユキオがグルクエの入場ゲートにいるNPCに話しかけると、ビュン!と別のフィールドにワープした。
その洞窟の中のようなダンジョンには、私レナのほかに3人。リーダー風のユキオ、ショートカットの女性キャメル、少年風の男の子カナデである。
キャメルとカナデは私と同じショートソードを装備しているところを見ると、そこまでレベル差はないように思える。一方リーダー風のユキオは、私たちよりも一段と大きな剣を装備しており、木製ではあるが盾まで持っていることから、なかなか頼りになりそうである。
「よろしくお願いします!頑張りましょう」
ユキオが威勢よく士気をあげる。
キャメルが可愛く拳をあげている。
「エイエイオー!」
活発な女性といった感じだ。
対してカナデはクールにダンマリを決め込んでいる。
私は謙遜を持たせて、初めてですがよろしくお願いします、と言いかけたところ、我に返ってさも余裕しゃくしゃくといった雰囲気で言った。
「よろしく」
最初のダンジョンの扉をくぐる。何が出てくるかわからないので、とりあえず私は最後尾で皆についていく。
~1stステージ~
そこには、手前から順に1~6までの番号がつけれた6つの椅子が並べられていた。
3人は、いっさい考えるそぶりを見せずにその椅子に向かって走り、まずユキオから4番目の椅子に座り、続いてキャメルが3番目の椅子、カナデが2番目の椅子に座る。
① ❷ ❸ ❹ ⑤ ⑥
うーん、なんだこれは……椅子取りゲームか?いやしかし、協力してゴールを勝ちとるグルクエで、仲間同士争うゲームは考えにくい。
私も、空気を読んで1番手前の1と番号が付いた椅子に座ってみる。
❶ ❷ ❸ ❹ ⑤ ⑥
すると、目の前のスクリーンにデデーン!と×マークが現れる。
どうやら間違えているらしい。ユキオはすかさず隣の5番の椅子に座りなおす。
私もよく分からずも、とりあえず移動しようと思ったが、キャメルとカナデが椅子から動かない様子を見て、とりあえず座ったままにしていた。
現在は、私レナが1、カナデが2、キャメルが3、そして今からユキオが5の椅子に座ろうとしている。
❶ ❷ ❸ ④ ❺ ⑥
ユキオが5番に座ると、またしても、デデーン!という音とともにスクリーンに×が現れる。
ははーん、分かったぞ。これは確率のゲームだ。
6つある椅子のうち、4人が正しい番号に着席すれば、次のステージの扉が開くというシステムだろう。
さすれば、すべてのパターンは、15通り、簡単な数学の問題である。
そして、端のユキオから順番に1席ずつズレて着席し、すべてのパターンを網羅しようという作戦だ。
なんだ、クエストというから少し構えてしまったが、ほのぼのとした平和なゲームではないか。むしろ知育系は私の得意分野である。
私の予想通り、次にユキオが一番奥の6に座っても×が出ると、続いてキャメルが3番から4番に移動し、ユキオが5番に移動した。
❶ ❷ ③ ❹ ❺ ⑥
その時ピンポーン!という効果音とともにスクリーンに〇が現れる。
どうやら正解らしい。
『経験値400を手に入れた』
確かにこの程度でこれだけ経験値がもらえるのは美味しい。みんなやっきになってグルクエに取り組むわけだ。
キャメルが「早かったですね」と言って喜んでいたが、誰も反応せずに急いで次のステージの扉に走っている。
私もなんとかバレずにやっていけそうだと安堵しながら、やはり最後尾でついていく。
~2ndステージ~
次のステージに着くと、4階建てのクリスタルな構造物に、ドブネズミのようなモンスターがひしめいている。
まずいぞ。モンスターを倒すタイプのクエストだろうか、私の雑魚い戦闘力がばれてしまう。
しかし、なにやら3人とも立ち止まってスクリーンに目をやっている。……ということは、ただモンスターを倒すのではなく、何か条件が提示されるのだろう。
そして、その条件は毎回クエストごとに変わることが想定される。なぜなら、いつも同じ条件であれば3人とも一目散にモンスターを撃退しにいくはずだからだ。
『以下の数だけダークラットを倒せ!
ユキオ:港町リプールに置かれている石碑の数
キャメル:ミニソードの最低装備可能レベル
カナデ:ショートソードの最低装備可能レベル
レナ:レベル10で獲得できるお祝いSP
ステータスポイント
数
※過不足があれば最初からやり直し』
知らねえええ!
そもそも私はまだレベル10になってないからな。
しかしキャメルは3匹、カナデは5匹だな、ユキオは……分からない。よりによってなぜ私ばかりこんなややこしい条件なんだ。
「簡単だな」
ユキオはそう言い残して、ダークラットというらしいモンスターがいる建物に走っていき、 キャメル、カナデも彼についていく。なんだか癪に障るヤロウだ。
クッ。恥を忍んで聞いてみるのもアリかと思ったがもう間に合わない。というかレベル10に達していないのがバレバレなので、やはり聞けるはずもない。
私もその建物に向かって走っていくと、さっそくユキオは1階フロアで討伐をしはじめた。
あれ? 待てよ。前回のステージの時は、ユキオは先頭を走って一番奥の椅子に座っていたはずだ。なぜなら、先頭にいる人が一番奥に座ったほうが効率が良いからだ。
しかし、今回は真っ先に近場のフロアで狩り始めている。ということは……。
後ろからキャメルとカナデの様子を見ていると、キャメルは一番上の4階フロアまで上がっている。対してカナデは2階フロアで狩りはじめた。
一見するとただのバラバラな行動に見えるが……なるほどな。
私は3階フロアでダークラットを倒しはじめた。
なかなかすばしっこい奴らで、攻撃を当てるのも一苦労だ。
だがしかしショートソードを買っておいて本当に良かった。3発ほど攻撃を当てれば、ダークラットは倒れてくれる。
最初のステージの経験値でレベル7になったものの、未だ慣れないモンスターとの戦いに苦慮しつつも(実際はスライム1匹しか倒したことはないが)ようやく3匹のダークラットを倒したところで、上の階からキャメルが降りてきて、私に「ファイト!」と声をかけた後、更に地上へと向かっていった。
はやくも彼女は3匹のダークラットを倒したのだろう。はやくも、というか、私が遅いだけだと思うが。
その後、私はもう1匹ダークラットを倒し終えると、地上に降りてゲートに向かう。1階フロアではちょうどユキオが条件数のダークラットを倒し終えたところらしく、私と並走する形になる。
想像するに、ユキオの条件は結構多かったのだろう。
ゲートにはカナデも既に到着していて、暇そうに欠伸をしていた。ふてぶてしい奴だ。
全員がゲートに到着したのを確認して、ユキオが条件達成ボタン押す。
すると、スクリーンには、ピンポーン!という音声とともに〇が現れ、扉が開いた。
……やっぱりな。
この3人はグルクエの経験者だ。ということは、最も効率的な行動をするはずである。
おそらく、今回のステージの条件にはパターンがあって、皆必要な討伐数が頭に入っているのだろう。
つまり、ユキオが真っ先に一番近い1階フロアで狩りはじめたということは、何匹かは不明だが、4人の中で最も討伐数が多いということだ。
次に、キャメルが一番遠い4階フロアまで上がったということは、最も討伐数が少ない。
そして、カナデは2階フロアで狩り始めた。
……ということは、私はキャメルの3匹とカナデの5匹の間、4匹のダークラットを狩れば良いということになる。
無事セカンドステージも乗り越え、次のステージへの扉をくぐる。
この調子でバレずにグルクエをクリアしてやろうじゃないか。
旧作品名は、「天才詐欺師の女子高生はVRMMOでニューワールドの神になる。」です。
作者Xアカウント:@pinebookjp
※この作品は画像生成AIを使用して制作しています。