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アラフォーのおっさんが始める異世界スローライフ  作者: おとら@9シリーズ商業化


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紹介

その後、調理場まで戻ると……セバスさんが鍋の前で待っていてくれてた。


「セバスさん、本当にありがとうございました。夕飯になったら、是非食べに来てください」


「いえいえ、お客様同士のことを解決するのも役目ですから。では、有り難く頂戴しましょう」


「はい、出来たらお呼びしますね」


 そして、セバスさんは仕事に戻っていく。

ひとまず、俺とドランはテーブルについて向かい合う。


「さて、改めて自己紹介をしておこう。我の名はドラン、竜人族だ。この辺境でA級ハンターをしている。ここには美味いものがたくさんあるのでな」


「俺の名前はタツマ、人族でC級ハンターだ。最近、ここにやってきたばかりだよ。美味いもの……それは気が合いそうだ」


「お主ほどの力の持ち主がC級? それはハンターギルドの怠慢では? それとも、何か問題でも起こしたのか?」


「いやいや、そういうわけじゃないよ。今まで田舎暮らしでハンター登録とかしてなかったんだ。だから、まだ登録して一ヶ月も経ってないし」


そうか、仮にもA級であるドランに力比べで勝ったのか。

そうなると、ギルドマスターやカルラさんが俺を早く上げたがる理由もわかる。

色々な意味で、疑われてしまうということだ。


「すまない、我の早とちりだった」


「いやいや、俺が少しおかしいみたいだから気にしないで」


「ふっ……詫びとして、何か質問があれば答えよう」


なんというか、直情的だけど良いやつだ。

自分の非を認めて謝れる人は、意外と少なかったりする。


「そうだなぁ……ここから近いダンジョンって、一人で行くのは危険かな?」


「お主の実力なら問題あるまい。ただ物言いと、田舎暮らしということはダンジョンを知らないということか。そうなると、想定外の出来事が起きた時に困る可能性はある」


「例えばどんなこと?」


「いきなり穴から落ちたり、水が押し寄せてきたり……まあ、トラップの類だ。いくら強くとも、対処し切れないこともある」


確かに水攻めとかはきついな。

いくら俺のステータスが高いとはいえ、永遠に息を止めていられるわけじゃない。

単純な強さだけでなく、機転が利く必要がある。


「それが聞けて良かった。それじゃ、一人ではいかないようにするよ」


「……その強さで驕らないか、我も見習わねばなるまい」


「まだまだ新米ですから」


「ははっ! そうであったな!」


すると、上の階から三人が降りてくる。


「ワフッ!」


「タツマさん……だ、誰ですか?」


「み、見たことない……まさか、竜人?」


ハクはともかく、二人は怯えて近寄ってこない。

見た目はともかく、そんなに怖がることはないと思うが。


「すまん、怖がらせてしまったか。やはり、竜人である我は……タツマ、我は席を外そう」


「ドラン、立ち去ることはない」


俺は去ろうとするドランの手を掴み、その場に留まらせる。

一瞬、その目が悲しみに染まったのを見たから。


「エルル、カイル、この人は俺の友人だ。怖がらなくて平気だよ」


「で、でも、竜人は凶暴で……」


「な、何でも食べちゃうとか……」


「少なくとも、俺にはそんな風には見えない。それに二人だって、偏見の目で見られる辛さは知ってるよな? 俺は自分がされて嫌なことは、人にはして欲しくないかな……どうかな?」


「キャン!」


ハクがドランに近寄り、この人は平気だよアピールをしてくれた。

すると、二人が恐る恐る近づいてくる。


「……お兄ちゃん、タツマさんの言う通りかも」


「確かに……カ、カイルっていいます! ごめんなさい!」


「エルルっていいます! すみませんでした!」


「いや、良い……ドランという、よろしく頼む」


「はい、これで自己紹介は終わりだ。二人とも、ご飯の用意を手伝ってくれ」


俺はエルルとカイルの頭を撫でて褒めてあげるのだった

皆さま、本作を読んでくださりありがとうございます!(*´∀`*)


この度なろうコンテストを受賞した本作ですが、5月10日にツギクル様から発売が決定いたしました!


すでに予約なども始まっておりますので、よろしければしてくださると幸いです。

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