瞬き
あたしが拾ってきた
段ボールのなかの
小さな命
綿棒に牛乳を浸して
口元に運ぶ
目やにがいっぱいで開かない目を
ぬるま湯のタオルで拭う
眩しそうに瞬きをするキミ
「もう大丈夫だよ」
そう言ったのに・・・
あたしは嘘つきだ
翌朝
小さな命は冷たくなってた
さすっても
両手で包んでも
どれだけ温めても
もう動かない
「ごめんね
ごめんね」
ずっと起きてればよかった
ずっとそばにいればよかった
サヨナラの前にもう一度
ギュッと握りしめるその手に
温もりはない
あたしが瞬きするその一瞬で
今が全部
夢に変わったらいいのに
「2018年6月27日」