実妹と紡ぐ、禁断の恋物語。
~プロローグ~
この世は理不尽で満ちている。
例えば権力を振りかざして税金をする無駄遣いする政治家とか。例えば自分たちの都合で子供を捨ててしまう親とか。例えば、例えば、、、。
例えば『実の妹に恋してはいけないこの世界』とか。
これは、そんな理不尽でちっぽけな世界で紡がれるある禁断の恋物語。
1話 二人の朝
「―ぃ。―にい。おにい!もう朝だってば。」
「…んぅ。まだ…あと…5分。」
カーテンの隙間からさす心地よい日差しが再び夢の世界へと誘ってくる。そうして俺はもう一度眠りに―
「ああもう!いい加減起・き・て!」
「―ッてえ!」
つくことにはならなかった。俺、猫田朔は蹴り起こされたせめてもの反抗として、蹴った張本人である少女を睨みつける。
そんな反抗にも動じない彼女の名前は猫田月渚。つまり俺の妹だ。肩下あたりまで伸びた茶髪はふわっとしていて触り心地がよさそうだ。目鼻立ちはよく、透き通るような白い肌はまるで天使を思わせる。兄に対してあたりの強い、若干男勝りな性格とは裏腹に、程よく引き締まりつつも柔らかな肢体や控えめながらも膨らんだ胸はしっかりと女性らしさを主張してくる。
―こいつ見た目はいいんだよなあ。
そんなことを思いながら月渚をじっと見つめてしまう。
「あのさあ。さっきからなに見つめてんの?」
「ああ、いや、かわいいなあと。(あ?別になんもねえよ。)」
・・・ん?今俺なんて言った?
「は、はあ!?マジきもいんだけど!」
そう言って月渚は俺の部屋を出て行った。そんな耳まで真っ赤にするほど怒らなくても、、、。
・・・その後出てきた朝食は何故かいつもより豪華になっていた。




