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回避魔術師は王都に向かう


( ˙◊˙ ).。oO〔更新〕 今回はちょっとギャグに走るので苦手な方は注意



「と、言って出てきたはいいものの…………これからどうするか」


俺は勢いで宿屋を出たはいいものの、これからどうしたものか迷っていた。


「金は腐るほどあるから豪遊するのもいいんだが………………それだと俺、暇死するかも知れん。

まぁとりあえず、ギルドに向かうとするか。パーティー抜けたって報告しなきゃならんし、ギルドなら面白い情報なんかがあるかもしれないからな」


そうと決まれば即行動。俺はギルドに向かって歩き始めた。



ーーーーーーーーー




「えええぇぇぇぇぇぇ?!!ジェイドさんを追放?!ど、どどどうゆうことですかああぁぁぁ!?」


夕方のギルドに、いつもなら有り得ない叫び声が響く。

その声の主は、ジェイドの前にいる受付嬢のウサ耳族のミヤだった。


「ちょ、落ち着いてミヤさん。他の人の視線が痛い。というか耳も痛い」


そう言って俺は、彼女に手を向けどうどう、と宥める。


「私は馬じゃなくてウサギです!ってすいません!私、取り乱しました…………コホン。その、何故Sランク冒険者様であるジェイドさんが追放されたんですか?

むしろあのおっさん共を追放するべきでは?ていうかそもそも、あなたがあんなパーティーに入っていたこと自体有り得ないんですけどね。」


中々えげつないなぁこの子…………


「ははは…………いつになく毒舌だねミヤさん。まぁ、なんでも俺は、ちょこまか動いててうざいらしい。ま、あいつらがそれでいいならいいんだけどな」


「はぁ、まったく。ジェイドさんは優しいですね。まるで父のような暖かさ」


「ハハハ、俺はまだそんな歳じゃないんだけどな……………てか、あいつらのほうがかなり上だぞ?」


「えっ、そうなんですか?!Sランクですし経験豊富なベテランさんかと思ってましたよ!あ、でも確かに言葉遣いや声の質はそんなにベテランという感じじゃないですね。顔は仮面をつけていらっしゃるのでよく分かりませんしね」


……………ミヤさんは俺を何歳だと思ってんだよ。あと、そんなにってなんだ。そんなにって!


「ったく、因みにだけど、俺何歳くらいに見える?」


「28歳?」


「違うよ!全然違う!16だから!まだ16だから!」


「えええぇぇぇぇぇ?!16歳なんですか?!」


『えええぇぇぇぇ?!16なのお前!』


「ちょっ、みんなして酷くね?!まじ、マジだから!ええい!仮面の下の面、とくと見やがれ!」


そう言ってヤケクソで仮面を外す。


そう。この時は忘れていた。


母に『絶対にこの仮面を外すんじゃないよ。攫われるからね』と言われていたこと。


父に『この顔はヤバイ。俺でも若干ヤバイ。男だけどヤバイ。後ろに魔王より怖い顔の母さんがいなければかなりヤバかった』と言われていたことを。


そして…………………数秒が過ぎ


『えええぇぇぇぇぇぇぇ?!お、女ああああああぁ?!』


という、声がギルド内に響き渡った。










は?







ーーーーーーーーー



「いや、俺はおと「んなわけねぇだろ!その顔、どう見ても女じゃねぇか!」


…………こいつ。ナメてんのか?潰すぞ?


そんな心の声が伝わってしまったのか、俺の声を遮った冒険者のおっさんが「ヒィ?!」という悲鳴を上げて後退りする。


「てか、なんで俺が女に見えるわけ?髪だって長くねぇしそれにむ、むむ胸だってないじゃねぇか!」


( ( (初心かよ!!) ) )


「いやでも、この世にはショートヘアの女や絶壁の女だっているん……………ヒィ⁉」


冒険者Aは胸の薄い女性全員の地雷を踏み、この場を退場しました。なんか裏から絶叫みたいのが聞こえるけど気にしないことにします(作)


「いやでも、俺は男だぞ?父さんも『体の作り的には男だわ。でもなぁ……』って言ってたし!」


だから、俺は男なんだ!


そう言うと周りはシーンと静まり…………なんか頭を下げ始めた。


「すまん!顔が完全に女とはいえ男のやつがいると知らなくてつい!」


「え、」


「ごめんなさい!私よりかわいいのに男という現実が辛くて!すいませんでした!」


「ちょ、」


「俺もすまん!ギルド職員として酷いことをしてしまった!ほんとにすまん!」


「まっ、」


「「「だから安心してくれ!俺たちが責任を持ってお前を男だって伝えとくから!!」」」


「いやあああぁぁ!やめてくれ!いい!いいから!別に大丈夫!仮面つけるからいい!ま、マジでやめろ!」


「「「「「いやいや、お気になさらず」」」」」


こいつらぁ!こうなったら………


「………………………………………もういい。俺、王都に行くわ」


「あー、いってら〜」


「軽?!」


「攫われないように気をつけてね?」


「お前は俺の母さんか!?」


「お菓子は300メルまでですよ?」


「遠足じゃねぇよ!」


「「「じゃ、行ってらっしゃい!」」」


「………………じゃあ、行ってきます」


そう言ってから恥ずかしくなった俺は、手に持っていた仮面をサッとつけ、夜の道を歩き始めた。




ーーーーーーーーー



「あー、行っちゃいましたね」


「あー、行っちまったな」


「ま、これであいつも仕事からおさらば出来るだろ」


「あの子、昔からあの仮面つけてたけど女の子みたいな顔だったのね」


「はは、あれは流石に予想外だったな」


「あの子が来たのって、丁度6年前くらいだったっけ?」


「ああ、確か選定儀式に参加するために近くの村から出てきたらしい」


「ふーん…………そいえばあいつ、職業は何だったんだ?」


「あー、よく覚えてない」


「魔術師と回避術士と魔眼だったはずだよ」


「あー、確かにそんなんだったな」


「てか、魔術師ってなによ。魔法使いなら聞いたことあるけど魔術師は知らねぇぞ?」


「んーと、魔術師は彼が初だったらしいよ。本人曰く『全ての魔法』が使えるんだとか」


「うわー、それ一つで王宮魔法師団のいいとこまで行けるじゃねぇか」


「てかあいつ、回復魔法使ってんのみたことあるぞ俺」


「それより私、回避術士の方が気になるわ!どんな能力なのかしら」


「あー……………こっちの能力の方が酷かったはずだぞ」


「え?どんな能力?」


「確か『空間を屈折させて攻撃を全て流す』だったはずだ。これは本人談な」


「なにその最強能力」


「うわぁ……………それ王宮騎士団にも入れるんじゃないか?」


「うふふ、あなたたち。彼のことまったく知らないのね」


「あぁ?!」


「いぃ?!」


「ま、知らなくて当然かしら。あの子、夜遅くに毎日剣の練習をしてたの」


「ほーん…………マジで?」


「えぇ、しかもめちゃくちゃ下手でねぇ。最初の頃なんて手から剣がすっぽ抜けてギルドの壁に大穴を開けてたわ」


「えぇ?!そんな大穴なかったはずですよ?!」


「まぁ、全部あの子が魔法で直してたからね……………最近はあの子、剣の練習しなくなったのよね。諦めたのかしら」


「まぁ、俺としてはあの完璧Sランクにかわいい一面があると知れて良かったけどな」


「いやいや、あの子結構かわいいところあるわよ?ふざけて『一緒にお風呂入らない?』って誘ってみたら脱兎の如く逃げ出したし」


「いやそれはお前のエロい体をみたら当然だろ」


「あぁ?凍らすわよ!」


「ヒィィィ?!」


彼は、先ほどの勇敢な者と同じように連れて行かれた。((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル (作)


「ご愁傷さま。そいえば魔眼って言ったけどなんの魔眼なんだ?」


「それが、本人にもよく分からんらしい。とりあえず魔法威力が上がるらしいが多分他に能力があるって言ってた」


「能力がわからない魔眼って恐ろしいな……………まぁ、あいつはこんな辺境にいるべきやつじゃねぇ。王都でも輝ける人材だ」


「いやいや、1撃でドラゴン沈めるやつ王都にすらほとんどいないだろ」


「ほんとなぁ…………あいつがいなかったら今頃、この街なかったからなぁ」


「つか、ガレンのやつアホすぎだろ。Aランクパーティーになれたのはジェイドのお陰なのにな」


「それなー。ガレンのやつ、個人戦闘評価じゃC+程度なのに」


「ま、ジェイドもよく1ヶ月保ったよな」


「そいえばあの賭け!『ジェイドが何ヶ月保つかってやつ!1ヶ月保ったから俺の勝ちだよな!」


「あ、テメぇ!いいところで締めようとしたのに!」


「へへへ、照れるぜ!」


「褒めてねぇよ!」


『あははははは!』


こうしてギルド内は、いつもの喧騒が戻っていくのだった。







ども!るなるなです!よくわからない人のために説明。


実は、ギルドのみんなはジェイドの年齢を知ってました。

因みに、ジェイドを王都に行かせるのは前々からの計画で、地道に彼に王都の良さを伝えてました。

ジェイドの選択肢から王都が出たのはそのせいです。

ジェイドとの会話中はテレパシー持ちの人が全員の意識を繋げてました。

勇敢な者は素です。


因みに、女顔だったのはみんな知りませんでした。




ーーーーーー


やっとテスト終わったよ。多分ボロボロ。



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