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0:プロローグと和○は突然に

 二作品目の連載になります!別にラブストーリーメインじゃありませんよ?和○に騙されないでください!

 あとあらすじでも述べましたが、この作品は異世界モノにふさわしいとは自分でもあまり思えません………

 ただ笑えるものを書きたくて書いております。もし面白かった、笑った、などの感想がありましたら幸いです………

「はぁ、はぁ……全く、いつまで追ってくるのよ!」


 暗い森の中を十六歳ほどの少女が一人、必死に走り抜ける。靴は履いておらず足は泥まみれで、身体のあちこちには擦り傷が出来ている。長く焦げ茶色の髪には木の葉や枝がついている。


「イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

「あーもう笑い声うるさいわね!というかなんなのよこの男は!こんなふざけた格好のくせに何でこんなに強いのよ!」


 逃げる少女の背後を笑いながら追いかける存在はカラフルな帽子に服、謎のメイクに赤っ鼻……所謂ピエロの格好をした男だった。そのピエロは己の体よりも大きな鎌をやたらめったらに振り回している。当然その攻撃は周りの木々をどんどん切り倒し、それらが彼の通った後の目印のように倒れている。


「イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!逃げテもォォムゥダァァなんですよォォ!そう、ムダ、ムダ、ムダ!まったくもってムダァァァァァ!イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」


 ピエロは独特すぎる話し方で楽しそうに笑いながら逃げる少女を追いかける。

 少女は、笑い声を聞くたびに背筋が寒くなり、だんだんと恐怖に駆られ始めた。


「イーヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」


 怯える様子を見たピエロは、尚更楽しそうに笑い声を上げた。少女にとっては命がけの逃走も、ピエロにとってはただの子供の鬼ごっこ程度なのだろう。まったく息の切れる様子はない。


「きゃっ!」

 そしてついに少女の体力に限界が来たのだろうか、思いっきり前のめりに倒れ込んだ。当然だ。既に八時間も走り続けているのだから。


「はぁ、はぁ、はぁ………ダメッ、もう、立て、ない………」


 必死に起き上がろうとしても、腕の力が抜けてしまう。もし立てたとしてもその震えている足では走るのもままならないだろう。

 しかし、そんな彼女の後ろからは悪魔が、まるでゲームでもしてるかのように愉悦そうにイヒャヒャヒャと笑いながら迫ってくる。

 まるで悪夢のような光景を見た少女の心の中は次第に絶望で染まっていき、目からは涙が溢れて出てきている。


「ひっ!い、いや………こないで…………」


「おーやおやおや?もォう鬼ごっこはおォしまぁいですカァ?それは残念、トォっても残念ですネェ!もっと遊びカったのですがァ仕方アりませェんねェ!デーはではでは、お嬢サン?ここでお別れでェス。イヒャヒャヒャヒャヒャ、イーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!それではそれでハまたいつか、いえ、またもありまセデシた!イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、イーヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!ソユわけで、バイバァイ!」


 薄気味悪い笑い声で非常に楽しそうに上げながらピエロは鎌を振りかぶる。


(ここまでなの………?イヤッ!誰か、お願い、誰か助けて!)


 誰も助けにこないと知っていても願わずにはいられなかった。そして目を瞑り、最後を悟っていると…………


「イーヒャヒャヒャヒャヒャぶべらっ!」


 急に悪魔の笑い声が止んだ。ふと目を開けるとそこには一人の少年がいた。ピエロ程ではないがこの森の奥深くで灰色のワイシャツに黒いジーンズといった、場に不釣合いな格好の青年である。


「テメェか、オレの大切な一戦を無駄にしやがったのは!あと、あと一歩で大金が手に入るってところでカジノをぶっ壊しやがって!テメェのせいでオレの金がほとんどパァだわ!」

「ふごっ!ぶへっ!へぶっ!」


 青年はピエロにまたがってマウントを取り殴り続けている。既にピエロの顔のメイクは血でぐしゃぐしゃ、殴るたびに周りに血が飛び散る。


「ぐ、ぐぞ………ごの恨み、忘れまぜんよ………」


 そう言うと、ピエロの体は急に透けていき、終いにはその場から完全に消えてしまった。


「あ、この野郎!クソッ、逃げられたか………あーあ、コイツ持ってきゃ賞金がタンマリだったのによぉ………」


 その中世的な顔立ちからは考えられないほどのチンピラ口調の青年はピエロを追って来た道を戻ろうとするとその方向から足跡が聞こえてくる。


(足跡………?もしかして、新手………!?)


 倒れている少女が不安そうに足跡が聞こえる方を見ると、そこから現れたのは、彼女よりも歳の若い茅色の髪の少女だった。


「あ、リョウさん。どうでしたか?」

「どうも何も、逃げられた。ったく、今月厳しいってのによぉ………」


 リョウと呼ばれた青年は頭を掻きながらぼやく。その様子を見てため息を吐いた。


「だからもっと仕事がくるように宣伝しましょうよ。そうすればもっとお金が入りますよ?」

「めんどくさい。つーか仕事もあんましたくねぇ………」


 会話しながら二人は森の奥へと歩いていき、いつしか二人の姿はほとんど見えなくなっていった。その様子を倒れていた少女はただボーっと見ていた。


「あの悪魔をあんなあっさりと………何者なの…………?」







 別作品の『猫転生しても』もよろしくお願いします!

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