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ちょっとパフェ高いって!!

久しぶりの投稿です、データが消えてしまっていたのでかなり遅くなってしまいました。

俺たちは二人そろって校門を出る。


「さっきは色々あったけど切り替えて楽しもうか」


「そうね、せっかく美味しいパフェを食べに行くんだから楽しい話をしましょう」


「おう、ところで今日はどこに食べに行くんだ?」


「喫茶メモリーに食べに行こうと思ってるの!新メニューのチョコレートパフェがすごく美味しいって評判なの!」


「メモリーかぁ……久しぶりに行く気がするな」


喫茶メモリーというのは、駅前の西森商店街の中にある店で、優しい店長さんが切り盛りしている。


店員さんもお客さんもいつも笑顔で楽しそうで店長さんのカリスマ性がうかがえる。


小さい頃は優奈と一緒によく通っていたのでサービスしてくれていた。


そんなことを思い出しながら昔を懐かしんでいると、優奈も同じことを考えていたらしく思い出を語り始めた。


「メモリーの店長さんよくサービスしてくれていたよね、元気にしてるかな?」


「はははっ、あの店長のことだからもしかすると前よりも元気になってるかも」


そんな会話をしていると喫茶メモリーに着いた。


ドアを開けると店内にカランカラン、と鐘の音が響く。


「いらっしゃいませ」

爽やかな笑顔で店員さんが席に案内してくれた。


席についてメニューを見る。

バニラアイス、プリン、ホットケーキなど、どこにでもありそうなメニューだが、ここのスイーツはどこか優しい味がして俺も優奈も大好きだった。


「やあ櫂人くん、優奈ちゃん久しぶりだね」


優しそうな声で俺たちに話しかけてくる一人の男性。


メニューから目を離し、顔を上げるとそこにはあの頃とほとんど変わりない顔の喫茶メモリーの店長がいた。


「店長さん!お久しぶりです」

優奈が嬉しそうに言う。


「よく来たね、もしかして新作のチョコレートパフェを食べに来たのかな?」


流石だ店長。俺たちのことはお見通しのようだ。


「はい、新作のパフェが美味しいって評判だったから気になっちゃって、優奈と二人で食べに来ました」


「そうかそうか、二人がまたこの店に来てくれてうれしいよ、ただ最近はお客さんが多くてね、厨房の仕事が忙しいんだ、残念だけど僕はこの辺で戻るよ」


「ええ~店長さん戻っちゃうんですか?もっとお話ししたかったのに~」


「ごめんね、また今度忙しくないときに来てね。その時は何か御馳走するよ」

そう言って、店長は店の奥に戻っていった。


パフェを待っている時間はどうでもいい話をしながら時間をつぶす。


それでも優奈と話しているだけどとても楽しいのだ。

話の内容が校長のズラの話だったとしても……


ちなみに田中君のことはもう忘れてしまっているようだ、可哀そうにと思いながらも俺としては好都合なので気にしない。


そんなことを考えていると、店員さんがパフェを持ってきてくれた。


「お待たせしました。チョコレートパフェでございます」


俺と優奈の前にパフェが置かれる。


板チョコ、ブラウニー、チョコレートソース、バナナなどが綺麗に置かれていてとても美味しそうだ。


ということで早速食べてみることにした。


『いただきます』


パフェをスプーンですくい口に運ぶ。


美味しい、すごく美味しい。

店が大繁盛しているのも納得の味だ。


え?美味しさが全然伝わってこない?

仕方ないだろ。素人に食レポを期待しないでくれ。


「美味いなこのパフェ!」


「……」


よほど食べるのに集中しているらしい。

話しかけても答えてくれない。


二人で来る意味ってなんなんだろうと思いながらも、仕方ないので俺も黙って食べることにする。

……マジで美味いな。


カチャ。


二人同時にスプーンを置く。


スプーンを置いた後しばらく余韻に浸っていたようだ、気が付いたら5分もたっていた。


『ごちそうさまでした!』


「とても美味しかったわね!櫂人!」


「ああ、そうだな」


「やっぱりここのスイーツは最高よね、毎日でも食べに来たいくらいだわ!」


その発言に思わず笑いが出る。


「毎日は言い過ぎじゃないか?」


「でもそのくらい美味しかったでしょ?また一緒に食べに来ましょうよ!」


「お前このパフェがいくらか知ってるか?」


「1500円だけど……」


そう。このパフェ実は1500円もするのだ。店長にいちゃもんをつけるわけではないが、正直高いと思う。


東京のような都会に行けばもっと高いパフェもあるらしいが、この西守町は田舎なのでそんなことは関係ない。


このパフェもおいしいことは美味しいんだが、わざわざ1500円も払って食べに来るほどではないと思う。


「なんでこんなに高いパフェをまた食べに来なきゃならないんだよ」


「そんなの美味しいからに決まってるじゃない!」


「美味しくてもな、俺の財布がもたないんだ、今月は買わなきゃならないゲームもあるし、来たいなら優奈一人で来ればいいだろ」


「私は櫂人と来たいわ!だって一人で食べるより二人で食べた方が美味しいじゃない!」


どの口がそれを言ってんだ。ずっと無言だったじゃん。

と思ったが口には出さない


「そう言ってくれるのはうれしいけど、俺はもう御免だよ」


「そこをなんとか!ねえ、友達でしょ?私たち」


「友達でも、嫌なものは嫌なんだ!ほら、俺が会計済ませてくるからそろそろ帰ろうぜ」


そう言いながら席を立ちレジに向かう。

二人で3000円。高い、後で優奈に1500円貰おう。


「帰るぞ」


「ねえ櫂人、後一回でいいの。お願いまた一緒に来て……?」


ここにきて唐突な上目遣い。なんだこいつ……可愛すぎる。


「しょうがないな、後一回だけだぞ」


「ほんとに!ありがとう櫂人!」


優奈に喜んでもらえるなら1500円も痛くないかなと思う反面、ゲーム代のためにバイトでもしようかなと思う俺であった。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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[一言] パフェのえげつない値段設定とヒロインの金銭感覚の危うさ…
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