第5話ルール説明
さて次に俺が見た光景は…
転送前と同じ光景だった。
ただし、全く同じかというと俺も違う。違ってる箇所は3つ。
一、何故か俺の周りを囲むようにして柵がある。
二、柵の周りに兵士が居る。
三、兵士や奥に見える木、落下中の木の葉が止まっている。
推測としては、時間転送は受ける側は、その場から自分が消えたように見えるが、傍から見るとその場でフリーズしたようになるのではないのだろうか?
なので、あの貴族の女の子エリスが、俺の周りに柵を作り兵を配置したのではないか。これが、一と二の推測。
貴族であるアリスなら出来るだろう…。家出中だったので両親も帰って来た娘を宥めようと、言う事を聞いた筈だ。
(約束の二つ目の目論見は外れてしまった…)
三は時間が停止しているのではないか?
『正解です』
(いきなり念話されると、いきなり後から話しかけられた様な…悪寒がする…)
「何で時間を止めたんだ?」
『貴方への連絡事項が6つあるからです』
「多いな…、言ってくれ」
『一つ目は貴方には異世界生活をする上で目標を持ってもらいます』
「どういう目標だ?」
『この世界には100の国があります。もしくはコレから1年以内に出来ます。その100ヶ国を全て統一して一つの国、あるいは同盟国にして下さい』
「……イヤ無理だろ‼︎」
『目標なのでやらなくても良いですが、もし成功した場合は、神が願いを五つ叶えます。周囲の協力を得るのも有りです。』
それでも無理ゲーだと思うが、やらなくても良いなら、一応心に留めておくことにする。
「次は?」
『一つ目のミッションが決まりました。バトルアリーナでの優勝です。』
「?…バトルアリーナって何?」
『戦いが嫌いな人は戦闘大会と呼んでいます』
「わかった。それは、出るつもりだったから大丈夫だ」
(やっぱねえな、この名前…。………てか、11年後の戦闘大会に参加するって言ったけど、もし既に終わった後でしたとかだったら洒落になんなかったな…)
『なお、設定された賞品は漆黒のマント(即死耐性付き)です。このマントを着用しているときは即死するような傷は付きません』
まあ、有用性が高いな…(自分で作れるが)
「次は?」
『神からの選別でこの世界の一般常識を与えます』
これはありがたい。俺の能力の欠点は『知らないものは創れない』だ
もあるからだ。で、次は?
『この時間停止は用が済めば解けます』
だろうな、じゃないと困る。てか、ナチュラルに心読んでやがる…。
(まあ、神の遣いならそれ位は出来るか…)
『五つ目は私も貴方に同行します。但し、一般人には見えないよう、本来の姿と、本来の能力で同行します』
「…別に構わないけど」
『最後に貴方がしていた小細工は完全に上手くいっています』
バレてたか…思わず苦笑してしまう。
『以上で終了です。では異世界生活スタートです』