4/4
04
僕たちは某大型ショッピングセンターに来た。
「見て見て。どう?この服似合ってる?」
「うん…似合ってると思う…」
「どっちなの?」
「じゃあ…」
「じゃあ?」
「やっぱり似合ってると思うよ。」
「そう?ならこれにしようかな。」
美香は本当に服を買ってしまった。美香は服を着替えてもと着ていた服はその店で買い取ってもらった。はじめからそのつもりだったらしい。ちゃっかりしているやつだ。
「じゃあ次はゲームセンター行かない?久しぶりにゲームしたくなっちゃった。」
「うん。いいよ。じゃあ行こうか。」
「そういえば、美香は何で遊ぶ時に僕を誘うの?」
「私、友達少ないし。それにあーくんだと気が楽だし。」
「そう…」
美香の家庭は複雑だ。彼女が12歳のときに母親はいなくなった。理由は知らない。これだけ一緒にいる僕が知らないのだから当事者たちしか知らないのだろう。そのころから彼女は少し変わったように思う。ただ、時期的にそれを中学デビューでイメチェンしたのだということにしてみんなは納得している。