世界の今際で吼えるケモノ。
がおー!
がおー!アンナちゃんだー!
「おはよう諸君!一週間待ったぞぅ!覚悟は出来たかなぁ!」
目の前には、かき集められた大軍。種族関係なく、私に対抗する為に。
魔術、遠視。んー。
あいつらの姿は見えないなぁ。リヴィナと、ナタエラも。
多分、城で待ってるんだろう。
まあいいや。
今から、センティリアを落とす!
「トイレには行ったかなっ!信じる神様にお祈りは!世界の終わりにガタガタ震えて絶望する準備はオッケー!?」
一つ、不安要素はあるけれど。
「では、いこうじゃないか!王都を、落とすッ!」
これが、私の全霊。
「シャムシャラの亡霊が、貴様等を殺しに来たぞぅ!」
いざ、戦いに。
「ヒャハハッ!真正面から攻めるのもいいけれどさ!まずは一発、いってみよー!」
魔術発動。コンセントレイト・マグナ。
魔力を超濃縮、溜めて、溜めて。めちゃくちゃ溜めて。
禁術発動。
「燃えて、噴き上げ、全てを飲み込めェ!ブラスティラヴァ・マグナ!」
大!
噴!
火ァーーーー!!!!
大軍なんざ!私には何の脅威にもならないのさ!
大軍の真ん中に、禁術を打ち込めば。
一気に崩れる統率!一瞬で消え去る数多の兵!
「どんどんいこうじゃあないか!」
禁術発動。
「だ……なんだっけ?だなんとかウェヒヒー!」
TUNAMIが全てを洗い流していくぜ!
かーらーのー!
確殺コンボ!
禁術発動。
「天より来たれ!神の怒り!神鳴ー!どっかーん!」
感電死ー!!!!
「やっぱ、有象無象はよっえぇわ!!!ハーハハハ!!!」
「では、私共がお相手致しましょう。」
ん?侍女が……六人?
「我々はサーヴァントより参りました、侍女をしている者にございます。どうぞ、宜しくお願い致します。」
サーヴァント……守護神の所か。
思い思いの武器をスカートから出して。
「では、参ります。」
三人突っ込んできて、三人魔術反応!
「おおう、戦う侍女さん!」
しかも、速い!
「一撃も重い、すげー、面白いじゃーん!」
魔術を掻い潜って、剣を避けて。
「踊ろうかァ!」
速さなら、負けねえぜーっ!
「当たらなければなんとやらーっ!」
掻い潜り続け、左腕を狙って来た、その一瞬の隙。
「残念、私の左腕は……幻だ。」
空振る剣、そこを私は見逃さず。
「まずは一人。」
首を斬り落とす!
「っ……。」
連携が一瞬乱れた隙に、後衛に接近して。
「っは、二人目、三人目ぇ!」
斬り刻む!
「んじゃバイバイ!楽しかったぜーっ!」
四、五!六人目を、飛び越えて!
「な……!」
「ヒャハハハッ!」
反転、背中に二閃!
切り落とすは、右腕!左腕!右脚!左脚!
胴体を蹴って!沿わせた刃で首をぐるりと!
髪を掴んでーーーーっ!!!!
「上手に抜けましたァーーーー!!!」
背骨付き頭の出来上がりィ!
いつもより多く切り落としてまっす!
遠くで見てた兵士も、これには顔から血の気が引くっ!
「アハハハハハハハッ!!!」
首だけぐるりと、兵士達の方を向いて。
魔術発動、ロア・スクリーム。
ニタリと笑って。
「次ハ貴様等ダ……ックフ、フヒハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
そして突撃ィ!
恐怖に竦んだ兵士……いや、もはや案山子ですなぁ!
魔術発動、形成!
魔術で形成される、炎で出来た幾多の刃!
魔術発動、付与!
炎の刃に風を纏わせるぅ!
魔術発動、もっかい付与!
当たったら大爆発するようにね!
さあ!
「業火の刃に焼き刻まれろぅ!」
それを全部、ランダムな挙動で飛ばすよ!
ついでに兵士の全てを巻き込める様に拡散させようか!
で、私はそれを飛び越えて。
背後で連鎖的に爆発するよ!アッハ、やっぱり魔術って便利ィ!
「楽だねぇーっ!アッハハハハハ!」
つーわけで、王都の門に到着!閉まってるよ!
「開いてなければ、ぶち破ればいいじゃない!」
巨大な、結界付きの門!それをー。
「固定してる所、全部目掛けてー!風の刃!砂塵!」
砂でギャギャーッと切断しよー!
「かーらーのー!門の全面に、爆発!」
固定が取れた板が、片方全面に力が加わって、ついでに風を纏って抵抗が薄くなったらどうなるでしょーか!
「正解はっ!おぉーーーっと!!!門君とんでもない勢いでぶっ飛んだァーーー!!!」
向こうに待機してた兵士を磨り潰しながらね!!!
「って、すげえ飛んでった。」
道の両端にある家にぶつかって、向きが変わって、勢いで角が取れて。
「とんでもない勢いで転がってった……。いろんなものぶっ飛ばしながら……。」
門、強え…………。
「よ、よーし。王都に侵入!なんか道出来たし城に直行といこう!」
門が転がってった跡が何も残らない道になってる……。
そのまま、城まで続いてる。
そこをふわふわと進んで。
ついでに、爆発する球を撒き散らして。
通った周辺が火の海になるよ!
「……やってくれるのう。」
「おや、お出ましかい。」
エルド・サーヴァント・アルラエルフィ。
「一度通り過ぎおってからに……。」
「あ、マジ?全然気付かなかったわ。」
大体門のせい。
「まあ、よい。お主を待っておる者には悪いが……ここで消えてもらおう。」
「アッハ、そうこなくっちゃ……と言いたいけど!」
面倒くさい!
「守護神なら守護神同士で戦ってろってねェ!」
呼び覚ます、喰らいし魂を!
「アウェイク・ソウル。レプリケーション!ヴィラン・トレイル・ドライアーディ!」
出番だ、ラディーちゃん!
「アッハーーーー!!!呼バレテ飛ビ出テ私ダヨ!」
「……トレイルッ…………!」
「アララララー???エルチャンジャナイノ。ンッフフフ。」
「まさかお主が喰われておるとは……!」
「アッハハ!サアサアエルチャン、マタ私ト遊ビマショオ???」
「お主には……借りを返さねばならぬ……!」
あら、なんか盛り上がってら。
「んじゃ、ヨロ。」
「オッケー!」
「…………くっ、すまぬ!」
あ、ちょっと迷ってラディーちゃんの方に行った。
私を見逃すほどの借りって、ラディーちゃん過去に何をしたんだろ……。
まあいいや。
私は城に行こー。
門が吹っ飛んだ時の誰かの会話的な何か。
ぐるぐるちゃん「門、強くね?」
まっしろ「なるほど……門にもあの様な使い方が……ふむ。」
アカイノ「使い方間違ってるからネ……。」
ぴかりん「……岩で良いのでは。」
おぶしでぃ「今度黒耀石でやってみよう。」
はかもり「私も墓石で……。」
ダイセイギ「ギルティ!」
オーホホ「まあまあ、良いじゃないの。」
ヤミー「ところで、この左に付いているのはなんだ。」
かざん「知らん。」
ダイセイギ「精霊神の気まぐれでしょう。」
ぐるぐるちゃん「とりあえずスルーして、あっち見ねぇ?」
ダイセイギ「反対!」
おぶしでぃ「賛成。」
はかもり「賛成……。」
オーホホ「いいでしょう。」
ぴかりん「賛成ー。」
かざん「いいだろう。」
まっしろ「アリだな。」
ヤミー「多数決だな。」
ダイセイギ「くっ……。そちらが正義か……。」
あかいの「黙って見れねえノ?」
的な。なんだこれ。




