表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
37427周目!
95/204

待つ時間。

アンナちゃんの暇つぶし。

やあやあ、アンナちゃんだよ。


センティリアに対して一週間の猶予を与えたから、暇になったよ!


というわけで、そうだ、王都に行こう!ってことで。


やってきましたセンティリア王都!


ここは街がほんと綺麗。全体的に統一した感じになっててね。整然と並ぶ街並みは凄い。


しかも、要所要所に独特なデザインの家があったりしてね。それがアクセントになっていい感じに整ってるわけよ。


いやー、住むとしたらここだね!


ま、これから壊すんだけど。


その前に軽く観光しよう!


ぶらぶらっとね!




慌ただしく動く兵士、それを不安そうに見詰める住人達。


そんな中を、私はゆっくり歩く。


適当に雑貨屋を見て、金物屋に入って。


鍛冶屋で武器を軽く手入れしてもらって。


やっぱり双剣はだめかぁ。まあいいけど。


いい感じの酒場入って、ご飯たべて。


ここはお肉美味しいねぇ。東が魚なら西は肉か。


ゆっくり食べて。適当に宿でもとって。


ゆっくり休む。


すやぁ。





そしてまた朝!まだ猶予まで4日あるね!


今日はどーしようかな、街全部回ってみようかな。


城から扇のように放射状に広がる道、城の裏には森。


森の中にも街があって、そこも王都。


そしてその森の中に、城より高い大きな樹。


あれが、この国の守護神がいる所だね。


とはいえ、基本的に色々な所をぶらぶらしてるらしいけどね。街中を。


「……それにしても、でっかいなぁ。」


「そうだろう、少女よ。」


……!


「突然ですまんの、だがあの樹をみていた様だったからのう。」


緑髪緑眼、耳の尖った青年。


「あれを見ているとな、世界とは大きく、我等はちっぽけなものだと感じるのじゃよ。」


「……そうかな。世界なんてただ広いだけ、小さなものだよ。」


「そうか。……ならば、何故世界を壊す?」


「何故、ね。理由なんかいる?」


「きっかけはあるじゃろ。」


……そうだね。


「最初はなんだったかな……。もう覚えてないよ。」


「理由すら忘れたのかね。」


「でも、一つだけ。覚えてる。私を壊した世界に復讐、最初はそうだった事は覚えてる。」


「今は違うと?」


「私はね、この世界が好きだ。同時に、大嫌いだ。……お前もそうだろう、エルド・サーヴァント・アルラエルフィ。」


つまり、この国の守護神。噂をすればなんとやら、ってやつかな。


「そうじゃの。故に儂は護るのじゃ。この大嫌いで大好きな世界をの。」


「私は壊すよ、大好きで大嫌いな世界をね。」


「……そうか。まるで、獣のようじゃの。」


「ははっ、生憎と亡霊でね。獣と言われてもねぇ。」


「そうか。……まあ、よい。お主とは相容れないのであろうな。」


「そうでもないさ。ただ、この世界では敵だっただけ。」


「……そう、か。輪廻神の巫女であったな。どれだけの数、旅して来たのやら。」


「なぁに、たった37427周よ。気にするほどのものでも無いね。」


「……下手な神よりよっぽど生きておるのだな。」


「大体平均60まで生きてるからねぇ。もっとも、最近はかなり短めだから40くらいになってるかもね。」


「それでも、だ。全く、シャラも酷な事をさせる。」


「……お?知り合い?」


「昔、少しな。」


「へぇ……時間があれば聞かせてほしいものだね。」


「なに、後の世界で聞けるじゃろ。」


「今は教えてくれないんだね。ちぇー。」


「生憎、敵に話すことはないのでの。ほっほ。」


「えー。そこはなんか話そうよ。」


「なんか。」


「うわ、ジジイそれウザい。」


「……何故だろうか、心に傷を負ったのじゃ……。」


「神ェ……。」


「いいもん、ワシ神様権限で回復するもん。」


「もん、とかねえわー。どんだけ生きてると思ってんだ、年寄り。」


「お主に言われたくないわ。」


「生憎と私二十ですー、若いですー。」


「全ループ含めると?」


「わたしあんなちゃんだいたいひゃくはちじゅうまんさい!」


「ババァじゃねーか。」


「真顔やめなさい……。」


「というか何故お主とここまで喋っておるのじゃ?」


「暇だからじゃね?」


「そうじゃな、暇じゃの。」


「適当にぶらぶらしねぇ?」


「いいのう、暇潰しにはなるじゃろ。」


「……私、敵よ?」


「時が来るまでは何もしないのじゃろ、ならいいではないか。」


「あー、うん、そーだね……。」


……コイツと適当にぶらつく事決定ー。


並んで街を歩く。


「なんか面白い所ないの?」


「適当にウチにでも来るかね?飴ちゃんあげるからの。」


「……警邏、ここに誘拐犯がいまーす。」


「滅相な事を言うでない……。」


「で、どこいくの。」


「昼前だしの、飯としようか。お主、肉は好きかの?」


「いいねぇ。いこうじゃないか。」


案内されたのは、裏路地にある小さな店。


「へぇ、こんな所あるんだ。」


「ここ、美味くての。」


「んじゃ、オススメをよろしく。」


「うむ。今日のステーキを二つ頼む。」


「……。」


店員、無口!頷きで返したよ!


「なんか、凄い隠れ家みたいな……。」


「いいじゃろ、儂ここ好き。」


「何もなければ入り浸りたい雰囲気よねぇ……。」


「……。」


「……。」


まったり、待つ。


「お、来たのう。」


「うわ、美味そう。」


でっかい、ステーキ!


「頂きます。」


「頂こう。」


お、最高の焼き加減!


柔らかい、けどしっかり歯ごたえ!


肉食ってるって感じする!


「やっべ、これ最高だわ。」


「やはり美味いのう……。」


冷めないうちに、しっかり味わって。


「ご馳走様!いやあ、今まで食った中で最高だったわ!」


「うむ、うむ、ここは最高じゃろう。」


余韻に浸って、さー、出るかー。


「あ、食事代。」


「よい、既に払った。」


「……ゴチになりまっす!」


「ほっほ。さ、適当に歩こうかのー。」


で、またぶらつく。


「知っておるか?この国、実は儂が産まれる前からあるのじゃよ。」


「え、そんなに続いてんの。」


「うむ。とはいえ、何回か国名が変わっておるがの。」


「そうなんだ。吸収したりとか?」


「そこら辺は儂が産まれる前じゃし、知らん。」


「なんだそりゃ。」


「……ここだけの話。祖先に精霊王の血が混じっていたらしい。」


「え、マジ?」


「うむ。神話にもあるじゃろ、精霊王が精霊神に出会う前は地上で過ごしていた話。」


「ああ、精霊神が精霊王を助ける前の話ね。」


「うむ。その舞台が、ここらしい。」


「わぁお……。ロマンだねぇ。」


「ロマンじゃろう。本当の所は、知らんがの。」


「もう遠い遠い昔の話だしねぇ……。」


「本人に聞いてみるという手もあるがの。」


「……本人、ね。」


「なんとなくしかわからんが、近くにおるかもしれん。」


マジか。


魔術、探査。


「探査の範囲内にいる、かも?なんか歪んでる……。」


「あやつら、世界からズレておるからの。」


「しかも強大な力で、周りを捻じ曲げてるのか……。」


ソレルと会ったときは使わなかったからなぁ……。


「ん?まって、私ソレルとは会った。」


「森の中、じゃろう。ここにはあまり来んよ。」


「じゃあ、どれが来てるんだろ。」


「お主が来る少し前に、来たからのう……。目、付けられておるのでは?」


「え、なにそれ知らない……。」


え、こわ。


「黒は大抵来ないじゃろうし……赤か、青か。」


「……キヒヒッ。」


「どっちだろう……。」


「どっちかの……。」


「って、まって、さっき笑った?」


「いや?お主ではない、よな……。」


「……。」


「……。」


「わ、儂用事思い出したの。」


「ちょ、待って、それはナシだろっ!!!」


「その時にまた会おう!」


「うっわ、逃げたっ!あんのクソジジイ!」


……。


…………。


探査、私の近くが歪んで見えない……。


「あ、あのー……。私、なにかしました……?」


気付いたら、周りに人が居ない。


ここ、大通りなのに。


「なにか喋って、くださいよ……?」


……。


…………。


あ、探査の歪みが消えた。


気付いたら、人が沢山いるいつもの大通りに。


「な、なんだったの……。」


ああ、こわ。


「酒でも飲みに行こ……。」


飲んで忘れるに限る……。













































見詰める瞳。


その眼は狂気に歪んで。


「素晴らしいネ……クヒヒヒヒッ。」

「や、やべえのに目ェ付けられてんだけど……私の巫女よ?持ってかれないよね?」


「大丈夫、持って行きはしないだろう、多分。」


「お前の分体だろーが!!!」


「私も分体だ、間違えるな。……まあ、大丈夫だろうよ。」


アンナちゃん、ご愁傷様……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ