増やせ、喰らえ、地に満ちよ!
ヨムニール、終了のお知らせ。
ハッハ、アンナちゃんだぜぃ!
ヨムニール滅亡まであと数時間!っつーことでさっさとやっちまいますよー!
「つーわけでナタエラ、よろ。」
「ええ。……野郎共!さっさと突っ込めェ!そうだ、全部だ!全部!何でもいいから喰らい尽くせェ!」
「ヨナ!」
「わかっておる。全軍、突貫!我が民を全て妾に捧げるのじゃ!」
「よしよし、それじゃー私もー!」
魔術、炎弾!避難所の屋根をぶっ飛ばす!
かーらーのー!
「さあさあ皆様御一緒に!隣の他人を喰らいましょーっ!」
禁術、ネクロマンシー!
予め用意しておいた奴らが沢山!アンデッドに早変わり!
そして自分の親を、番を、子を、そして隣人を喰らっていくよ!
そうしてどんどん、増えていく!
「アッハハハハハハハ!!!喰らえ、喰らえ、満腹など認めない!全て喰らい、世界に満ちよ!」
「嫌ぁぁ!」
「なんで、どうしてぇっ!」
「アナタぁー!」
「パパ、ママァー!」
「やめ、ぎゃぁっ!」
「ヒャハハハハハッ!気分最高、絶望の声がたぁっくさん!」
最高だね!
「では、私も。……貴様等の明日を頂こうかァ!さあ苦痛に泣き叫べ!」
「ッギィアァ!?」
「アアアアアアア!!!」
「クッ、ヌァァッ!!」
「イヤァアアアアアアア!!!」
ナタエラったら、身体の一部だけアンデッドにして激痛にのたうち回らせてるよ。いやー、エグいねぇ。
「主よ、壁を越えたぞ。もうすぐ終わる。」
お、さすがヨナだね。
外から、内から、食い潰して、消えていく生者。
おや、城はどうやら複数の兵士からアンデッドが伝わって、かなり喰ったみたいね。反応的にもう数人しかいないや。
で、群集はバリケードをどうにか乗り越えようとして押し潰されたり、喰われたり。
どうにか乗り越えたとしても、その先にはヨナの率いるアンデッド。
詰んでるよねー。うふふ。
そして、一時間と経たないうちに。
ヨムニールから生きたヤツはいなくなった!
「……あと、残っているのはいますか?」
「いんや?死体だけよ?」
「ほほ、呆気ないものじゃの。」
よし。
「それにしても楽だったよ。やっぱり強い助っ人がいると違うねぇ。」
「……ありがとうございます。」
「こちらこそ感謝しておるよ。」
さてさて。
「さて、次の目的地はセンティリアだ。……そうだね。ナタエラ、私ちょっと野暮用があるから、先に行ってて。」
「わかりました。……野暮用とは。」
「なに、ちょっとね。転移させるよ。向こうに、リヴィナ・ティスカっていうのがいるからさ、そいつにこの手紙を渡してきて。ついでにそこで面倒見てもらってね。」
「ティスカ……わかりました。貴女が来るまでですね?」
「そうそう。それじゃ、いってらっしゃーい。」
魔術、転移。ナタエラを飛ばす。
さてさて。
「……のう、もう移動するのか?少々性急すぎはしないかの?」
「なぁに、気にしなくていいよ。だってさ。」
お前とはここでオワカレダカラネ。
「いい駒だったよ、別の世界でもヨロシクネ。」
左腕を伸ばし。
「生ヲ与エル浄キ左腕。」
「……え?」
魔術で形成された左腕。それでヨナの胸を貫く。
「サヨウナラ、お前達の魂は私が頂こう。」
過ぎた駒は退場してもらおうね。
「そん、な……妾は……。」
消滅。魂を喰らう。んー、美味しい。
それじゃ、邪魔なのは消し去りましょうか。
大規模魔術。浄化の聖域!
光の魔術だからちょっと苦手だけど、十分な効果が望めるね!
これで首都とその近辺を覆って、と。
中にいたアンデッド……つまり動いてるの全部だね!これを消します!
ハッハッハー!これで沢山魂が手に入るぜ!
消えたのを確認して、と。
「さーてと。ゆっくりのんびり西を目指そうかなー。」
ごーうぇーすと!
アンデッドを殺さないなんて、誰が言った?




