呼び出しだー。
アンナちゃんが言いくるめる?話。
やっほう、アンナちゃんだよー。
夜まで飲みまくって、ナタエラが潰れたあたりでお開き。
ナタエラ背負って宿までいって、寝かして。私はまた少し飲んでから寝て。
そして朝だ!
「あー、朝日が眩しい……。」
ねみー。
「おはようございます……うぁー、頭いたい……。」
「おはよー、二日酔いかい。ほら、水だよ。」
大丈夫かー。
「だるいですー……。」
んー。ひとまず魔術、リフレッシュ。
「……大分楽になりました……有難うございます。」
うん、効いたね。さて。
ベルならして。
「ご要件は如何様で。」
「朝食、軽めでよろしく。」
横目でナタエラを見ながら。
「……畏まりました。では御用意させていただきます。」
よし。
で、朝食。大丈夫かー、食えるんかー。
「まだ少し食欲は出ませんが……食べれます……。」
私は普通に食べる。
ゆっくりご飯たべて、紅茶入れて。
まったり。
と、ノックが。
「何かな。」
「お手紙が届いております。」
……手紙。
「ありがとう。」
さて、誰からだ。予想はつくけど。
案の定、ヨムニール王室。
昼に亡国の客人を是非城へ招きたい、だってさ。
「だってさ、いける?」
「ええ、それまでには治っているかと……。」
そ。
返信書いて、ボーイに渡す。勿論、チップと一緒にね。
さて、昼までゆっくりしようか。
という訳でやってきましたヨムニールの王宮!うーん、四角い。四角が積み木みたいになってて、すごくデコボコ。なんつーか、攻めにくそうだね。
案内されて、中に。……あ、中は曲線なんだ……。迷いそう。そこんところどうなの、兵士さん。
「……実際、迷う者もおります。」
「やっぱり。というか誰でも一回は迷いそうね。」
「ええ。……この城の複雑怪奇さに関する逸話として、嘗て賢王と呼ばれた王が何度も迷ったという話がありますね。」
「へぇ……。それって、守るのに厳しくないかな。」
「ふふ、そこが我々の腕の見せ所ですよ。」
ほう。魔術発動、探査。
「……なるほどねぇ。この城、まともに攻めたくないね。」
抜け道が沢山あるんだね。増援、挟撃、数さえあれば思わぬ所から兵士が出てくるようになってるね。
「ところで、今何回角曲がったのかな?」
「さあ?」
「おいおい……。」
「38回です……今ので39。」
なんか静かだと思ったら、数えてたのかい。
「よく数えましたね……我々ですら数えてないのですが。」
「数えるのを放棄したね?」
「ええ。」
ま、私は探査でマッピングしてるけど。
その後また何回も曲がって、階段上がって、曲がって、螺旋階段登って、また進んで曲がって。
「さ、着きましたよ。」
「長すぎない?」
「これは体力付きますね……。」
わざわざ遠い道を選んだ可能性もあるけど。
とりあえず、謁見の間。
「ようこそ、ヨムニールへ。グラスゴルとエイロジャルの者よ。」
玉座は……空席。偉そうな奴が喋ってる。
「……おや、陛下はいらっしゃらないので?」
「陛下は今、公務の為別の場所にいる。」
「他国の客人を放って、か。ふーん。亡国の客人には興味無いのかしらね。」
「それとも、私達が舐められているのかもしれませんよ。」
「まあ、どっちでもいいさ。で、私等は何の為に呼ばれたのかな。」
一気に自分のペースに持っていくよー。
「我々は今アンデッドに襲われている。その為に戦力を欲しているのだ。」
「ふぅん。亡国の客人を舐めてるってのは否定しないんだ。」
「な、そのような事は……!」
「冗談。で、娘二人に何が出来るっていうのかしらねー。囮?」
「ようこそ、死ね、って奴ですわね。」
「な、お前達は門であれほどの活躍をしていたではないか!」
「ありゃあ私等に得があったからねぇ。早く入りたかったしー。」
「それに比べてこの話、全くメリットがありませんね。」
「な……!ここを落とされては、住む場所すら無くなるのだぞ!?」
「住む場所ね。」
「ここが落とされたら、センティリアに向かうくらいですかね。」
「楽しい旅になりそーねー。」
「何故、そのような事が言える!センティリアとて、落とされているかもしれんのだぞ!」
「ハハッ、何を言ってんのかね。……ただのアンデッド程度に、センティリアが落とせるか。」
「なに……?」
「あそこは面白い国だよ、フフフ。」
護りに特化した、守護神がいるからね。それに。
「あそこはエイロジャルとタメ張れる強さだよ。エイロジャルはアンデッドにやられたわけじゃないしね。」
「な、そうなのか!」
「そうだよー?……詳細は、もはやどうでもいいけどね。」
だって私とリヴィナがやったし。
「ま、とりあえずなにかメリットあるなら言いなよ。ほら。」
「……勝ったら君達をこの国の」
「却下。ここに住むのは面倒そうだ。」
「ナシですね。文化が違うとなかなか……。」
「……金」
「既に有り余ってるわ。」
「贅を尽くした食事は」
「金ありゃ食える。」
「物」
「金ありゃ買える。」
「……くっ。」
「ま、なにか考えておいてよ。」
「…………もう、よい!貴様らには頼まん!」
「アッハハ、そうなるよねー。」
「時間を無駄にしましたね。」
「そだね、戻ろー。」
あの偉そうな奴、交渉下手だねー。
「ま、君達にアレを倒せるとは思えないけどね。ばいばーい。」
「アレ、倒せる人なんているのですかねぇ。上位魔族が束にならないと無理では?」
「かもねー。」
「ま、待て!」
意味深な事話しながら、謁見の間から出る。なんか叫んでたけど無視。
適当にご飯食べに行こかなー。
そんな話術でよく偉い地位にいれたねー。ああ、もしかして強さで決めてるのかな?でも弱そうだったねー。




