防衛、強敵、そして私。
アンナちゃんの。
はろはろはろーぅ、アンナちゃんだよー!
女王担いで、レイスちゃんの所目指して、敵を斬りまくってまーす!
ああ、女王には気絶してもらってるよ。ついでに、いいアンデッドになりやすい様に、作り替えるための下地を丁寧に丁寧に練りこみながらね!
だって、この女王、かなりイイ魂持ってるんだもの。
高貴で、気高く、量も多い、質のいい純粋なる魂。これを汚すのがとても……っふふふふ。
愉悦が止まらないねぇ?っひはははっ!
お、レイスちゃんみえた!……んん?
「え、なにあれ。」
レイスちゃんの身体から黒い靄のようなモノが出てる。アンデッドがそれに触れたら、なんか活性化する。
「…………あれか、もうすぐって奴か。」
ならこの女王を決め手にしようね。
「レイスちゃーーん!!いい素材持ってきたよー!!!ヨムニールの女王!」
「なんてものを持ってきてるのですか!?」
「いやー、拾った。」
「元の場所に返してらっしゃい!?」
犬か。いや猫か。
「いーじゃん、それよりコイツ、すっげえいい魂してるぜ。」
「…………確かに。これを?」
「ヨロシク!下地は作っておいた!」
「……集中しますので。」
「あいわかった。防衛は任せなー。」
んふふ、さてさてどんなモノができるやら。
「女王陛下を取り戻せッ!」
「やらせるものかァ!」
「ひゃははは!君達の相手はこの私だよぉー!」
魔術発動!風の刃!付与、形成!
「数多の風、避けきれるかなぁー???」
いけー!
ま、避けられる訳ないんだけどさぁ!積極的に脚を刈り取るよ!
「ひゃははははははっ!ほうらどうした!じょーおーへいかをとりもどせぇー!ヒャーッハハハハ!!!」
「……見切ったり。」
お?
「いざ参らん!」
おー??
「死霊など、我の前には無意味也!」
「おおっと!」
細身、異文化な着流し、魔力線付きの……オーガ!
「我が身、既に鬼と成りし!」
「アッハァ♪上位魔族じゃあないか!ここにも居たんだねぇ!」
アンナちゃん、へんしーん!
「然して私には勝てようも無し!」
魔力線、眼の炎、角付きのレイスモード!しかし人間だ!
「そうらァ!」
鬼の鈍器みたいな大剣、なら双剣で!
「滅せよ!」
「喰らわねえーよっと!」
案の定、人間だからくらわねーんですわー。
「……ほう。ならば斬るのみ!」
おお、一瞬で判断しおったか。
「おっとっと!」
突撃、はえーな!
「けど、私よりかは遅いね!」
高速で、斬り結ぶ。
「やりおる。」
「ハッハ、未だこんなの居たんだねぇ!」
これだから楽しいんだよ!
「だからって後ろにゃ遠さねえよっと!」
魔術……いや、禁術発動!
「サモン・トレイル!」
だーれの技かァ、わっかるっかなァーーー!!!!
「来イ、下僕共!」
獣を大量召喚といこうじゃあないか!
「そして這いずれ!禁術、ネクロマンシー!」
全部アンデッドに!
「雑兵は滅せよ!」
っお、半分消しやがった!
「やるねぇ!ならこれはどうかなぁ!」
っふふ。
私が喰らいし魂。それを汚し、再現、複製する!
「アウェイク・ソウル。レプリケーション!ヴィラン・トレイル・ドライアーディ!」
さあ、来い。
「ンフ、キャハハハハハハハハハ!!!」
闇に塗れし、最凶よ!
「来ナサァイ、下僕ヨ!」
凄まじい量の、獣と、動く木と、……ほんの少しの、赤い目の黒い獣。
「行キナサァイ!」
雑兵は任せたよ!
「なん、と……!」
「そゥら、余所見してる場合かなぁー!」
「くっ……!」
連撃、連撃!
「私を見てくれなくちゃ、やぁだ♡」
目移りすら出来ないほど、釘付けにしてあげよう。
「速く速くいこうじゃあないか!!」
超高速戦闘!
「くぅっ、速い!」
「まだ速く出来るだろぅ!?」
残像が残るまで!
「……我に力を!鬼神が如くッ!」
なにそれぇ!?あれか、種族的な技かな!?
「重っっも!!!」
「潰し斬る……!」
速さも一撃の重さも格段にアップしやがってからに!
「っくそぅ!」
「滅せよッ!」
いってぇ!?
「やってくれるゥ!」
「貴様は危険だ……故に!」
っ!?
「ここで朽ちよ!」
ん、なっ!?
「ぃ……ってェェエエアアアアア!!!」
やば、左腕やられた!
「っくふ、くひははっ!」
未だここまでの奴がいるとはねぇ!
「ッハ、アハハハッ!」
本当に。
「これだから飽きないんだよォ!」
本当に!
「愛すべき世界だッ!!!ひゃはははははは!!!!」
本当にィ!
「愛ァァイシテルンダァ!!!君達ヲオオオォォォ!!!!!」
クヒ。
「ギャハハハハハハハハハハハ!!!!!」
クヒヒヒヒッ。
「愛ニ溺レテ悶エ狂エ! ソシテ……!」
輪廻の果て迄踊り狂え。
「輪廻ノ果テ迄踊リ狂エ!」
「ロスト・ニルヴァーナァ!」
形成、創成、再現、降臨、再生、発動。
「「ヒャハハハハハハハハハハハハ!!!!!行くよォォォ!!!」」
その魂。
「「貴様も共に来い、終わりの無い輪廻の闇にィ!」」
我等が頂こう。
「「シャムシャラが、貴様を連れ去りに来たよゥウ?????」」
輪廻へご招待。
「邪、神、だと……。」
その魂へ斬られた筈の左腕を伸ばし。
その屍へ二つにブレた右腕を伸ばし。
「「それじゃア、行こうカァ?」」
「……無念、か。」
翼を広げ。
「「楽しかったヨ、また次の世界デ逢おウ?」」
「……良き死合であったぞ。」
それじゃ、サヨナラ。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」
…………。
「ッオエ、ゲェッホゲッホ!あ゛ー……マジでアイツ邪神だわ……。降ろすだけで内臓グッチャグチャ……。」
魔力もはぼ持ってかれて死にそ。
「マスター!生きてますか!死んでたら返事を!」
いやまだ生きてるから……。
「完成しましたよー!」
そ、そう……。
「デッド・リバースゥ!シニソーダネ、アハハハッ!」
いやうん、ありがとう闇ラディーちゃん。お陰で回復したよ……。
「他はどーなったのさ……。」
「ンー?大体死ンダ!ワタシモウ寝ル!」
そだね、魔力も使うし……。じゃーね。
「マタ呼ンデネー!」
よし。
「……大丈夫ですか?マスター。」
「お腹空いた……。けどまだ残ってるのよねぇ……。」
「なら今作ったこいつで行きましょう!」
あー、女王。どーなったのかな。
……。
え?
いやまって。
え???
「悪堕ち……?」
「死霊皇姫ですよ!マスター!最上位が出来ちゃいましたー!」
やべぇ。
「という訳で、いってこーい!」
「了解したの、主よ。……者共、来たれ。」
なんかアンデッド大量召喚しやがったぁ!
「いざ行かん、我が故郷へ。」
ヨムニールの死んだ兵士をアンデッドにしたぁ!
……進軍してったよ。
「もうアイツだけでいいんじゃないかなぁ。」
「……そうですね。」
とりあえずご飯食べよう。
「そういえばマスター、死霊皇姫を作った時なんですが。」
「ん?」
「エリュシューの使者、だそうです。」
「……おめでとう、そしてご愁傷様。」
「そういう訳ですので、その、せめて名前で呼んでください……。」
あー。
「ナタエラ・クルヌアだったよねー。」
「そうですよぅ。」
ナタエラ、ね。
「とりあえずもうお腹ぺこぺこなのよぅ……。」
「でしたらなにかつくりますね……。」
よろしゅー……。
アッハ、アハハハハハハハハハッ!楽しかったよアンナちゃん!まさか喚ばれるとはねェッ!ヒャハハハハハハ!!!いいねえ、順調、順調♪
……そうだ、コイツはとっておこうか。ンフフフフ。
なにが順調なんですかね……?




