くり返す、日常。
学園の日常だよー。
おはようー。アンナちゃんだ。入学式から一週間だよ。
あれからいろーんなのに絡みに絡んで、現在交流してる奴ら。
第三王子、クソ眼鏡、チャラ男、光の巫女、情報通の女、私の代わりに第三王子の婚約者になった侯爵家四女、そして屋根上のサボり魔。
侯爵家四女はレティシアの姉妹。見た目レティシアそっくりなのに、表向き大人しい。ただし内心は凄まじい。というか暗躍する、黒幕的な、腹黒。
サボり魔は二個上の、学年首位の女。どっかで見たような容姿。見た目だけだと規律だの正義だのと五月蝿そうなのにサボり魔。
たまに二人で一緒にいるみたい。
情報通の女は、まさに情報一筋!って感じのヤツ。見た目は普通。普通すぎて色んな所に紛れ込んでるよ。ちなみに性格は変態。
なんだ、変人しかいないな!
他の大多数はこう、敵国から来たからっつーんで敬遠してくる訳で。
まあいいけど。
この前鹵獲した監視の女から、芋づる式にいい感じの影を手に入れたから色々と情報入手できるし。
情報通もなかなかいいモノをもってる。
第三王子はポロッと重要な事落っことすし。
四女とサボり魔は神殿に詳しい。
光の巫女は大衆についてかなり詳しいし。
チャラ男も若者の動向をよく話してくれる。
クソ眼鏡はガードが硬いけど、誘導すれば有益な情報を落とす。
んで、それらを報告書にして、エイロジャルに定期的に転送!
どんどん情報が漏れていくよぉーうふふふふ。
しかもエイロジャルからは情報、あまり漏れないのよねー。
いやあ、最高だね。
さて、報告飛ばしたし。食堂いこー。
「あら、グリディナ様。おはようございます。」
「やー。」
四女とサボり魔。
「おはよーう。」
三人で朝ごはん。
やっぱりここのご飯はおいしい。飽きない味だよねぇ。
「お、おはようございます。」
「おはようございます。」
「やほ。」
「おはー。」
光の巫女だ。これも一緒に。
「あの子はまた外かしらねぇ?」
「みたいですよ。朝起こしに行ったら、すでに居なかったですから。」
光の巫女と情報通は隣室だったかなー。
「精が出るねぇー。」
「よくやるよ……私には無理ー。」
「貴女はサボり過ぎですわ。」
「わかるからいいじゃないかー。」
あー。
「また始まりました……。」
「夫婦でイチャイチャ喧嘩だねぇー。」
「ど、どっちが夫なので?」
「私だ。」
「あ、貴女を夫と認めた覚えはありませんわ!」
「あっちが嫁ね。おーけー?」
「おーけーです!」
光の巫女と一緒に、微笑ましいモノを見るような、生暖かい目。
これ、ほぼ毎日の出来事なのよねぇ。
「ところでさー。光魔術の練習したー?」
「え、ええ。とりあえず本を読む所からですけど……。」
「実際に簡単なのから撃ってみるといいかもよー。勘だけどねー。」
「勘ですか。貴女の勘は当たりますからね……。」
この一週間、第三王子に言った事の信憑性を上げやすくするために色んな事を勘だって言ってきた訳で。
「今のところ、外れた勘、あります?」
「さあ?」
なんかかなり話題になっちゃったのよね。お陰様でたまに探し物だとか相談とか、意を決して話し掛けてくる人がいたりする。大体、探査を使う。ついでに軽く記憶を見させてもらってまーす。
これもなかなか面白いんだよ。
「あ、そろそろ準備しないといけないですね。」
「そーだね。……この夫婦は放っておこう。」
「そうですね……。」
一旦部屋に戻って、ロビーで光の巫女と待ち合わせ。情報通が一緒に来た。
「おはよーございます。」
「おはよー。ご飯食べたの?」
「さっきぱぱっと。」
「早食いは太るよー?」
「なぬ!?」
摘める肉もないくせにお腹を気にする情報通。……かなり引き締まった身体してるのよねこいつ。
「そろそろいきましょう?」
「そだねー。」
「あっ、待ってぇー!」
で、教室。情報通は別のクラス。
「また昼にねー。」
入る。
「おはよう。」
「おはよー、第三。」
「おはようございます。」
「第三……。名前、覚えてるのか?」
「え?」
え?
「……お前なぁ。」
「まってよ。……まず、今更過ぎるけど、名乗られてないからね?」
有耶無耶の内に。
「そ、そんな筈は。」
「名乗ってないな。」
「そういやそうだな!」
や、クソ眼鏡とチャラ男。
「なんという失態……。」
「あはは、これから気をつければいいんじゃねー?」
「なら、今から改めて名乗りましょうよ!」
光の巫女、いーこというじゃーん。
「よ、よし。では改めて……。私の名は」
「諸君、授業の時間だ。席につきなさい。」
第三王子、名乗れず!!!
「……ウケる。」
「どんまいです……。」
授業だ、慈悲はない。
残念!!!
第三王子(名称未定)。




