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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
37427周目!
52/204

ほの暗い穴の底から。

迷宮攻略の巻。

やほー、アンナちゃんだよ。大穴の底に、着地!美しい姿勢です、10点!


さて。ここは何かな。


石畳。神殿のような造りの通路。巨大な扉。


深淵を覗く時、ほにゃららら。掠れて読めねー。なにがあんだよ。


トラップはないね。なら、入ってみようか。


案外軽かった扉を開けると、巨大な広場。中心の天井あたりに小さな穴が空いていて、そこに青い水晶。ふむ。


その下には、謎の四角い塊。表面が波打っている。てことは、ボスか。


後ろで、扉が閉まった。塊が、動き出す。


人の形。長い髪。整った顔立ち。巨乳、されどバランスがよくスタイルのいい身体。すらりとした肢体。白魚のような指。流行りをつくる、ドレス。鋭利な、二振りの剣。勝ち気な笑み。


なるほど、ね。


「私を模倣したのかな、どの記憶の私かしら。」


記憶を読み取り、模倣するドッペルゲンガー。


ふーん、面白いもの出てくるじゃん。


「イザ、我ガ誇リニカケテ!」


ん……。


ゆったりとした動き。


「舞踏会ノ主役ハ、私ダ!」


鋭い剣戟。


「仇ナス者ヨ、消エ去リナサイ!」


これ、は。


「これまた、なんというか。懐かしいものを出してきたね……。」


壊れる前の、自分。


ああ、ああ。私の姿を模倣するなんて。


「……本当に。」


虫酸が走る……ッ!!!


「サア、イキマスワ!」


ブチ殺ス。……それにしても懐かしい姿だ。


「小さな世界で満足していたあの頃、か。」


行く先に希望があると本気で信じていた。模倣した私に、過去を重ね合わせる。


「あの時の選択に後悔はない。」


だけど、さ。


「愚かな道を進む過去の私。」


その希望を捨てろ。


「行く先は、暗く深い。」


絶望を享受せよ。


「明日を期待するな。」


一瞬こそが生 。


「そして壊れろ。」


全てを諦めて、こちら側に。


「亡霊ガイクゾ……!」


姿を変える。


禍々しく捻じ曲がる角。右眼から噴き出す青い光。身体を這う光の線。


「貴様モ共ニ来イ…!底ノ無イ、絶望ノ闇ニッ!!」


世界を塗り潰せ。


「私ヲ模倣スルンダ、楽シマセロヨォ!!」


ぎゃははは。


「バッ、バケモノ……!?」


「生憎、私ハ未ダ人間ダ!」


どんな姿になろうとね!


「ギャハハハハハハハ!!!」


「ヒッ!」


アァ?


「模倣するならもっとしっかりやれよー……。ヒッはないわヒッは……。」


やべ、一瞬で萎えた。いい感じにノリノリでやれたのに。


「……とりあえず、死ね。」


縦に半分。はぁ……。


「ドッペルゲンガーって強えっつー話じゃなかったかなぁ……。」


つまんね。


「とりあえず、出るか……。」


天井の青い水晶を撃ち抜く。視界が歪む。ぬるりとした感触を感じて、目を開けると。


「…………ここ、どこ?」


禁術発動。……あー、これあれだー。変な所に転移させられたか。うん。マジないわ。


絶島……。北にある魔族領の、北の海の先。ここ、とある神殿があるだけ……。なのに出てくる獣は異常な強さっつーやつ。つーか変なの。全部黒い靄を纏ってる感じ。


ま、いっか。とりあえず海越えて南いこう。


浮けるっていいね!


ふわふわりー!


一路、グラスゴルを目指そう!




















自分を模倣されるのが大ッ嫌いな様です。中途半端にやるんじゃねえ!的な。

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