エンカウント!
ふらふらふらーっと迷い続けるのだ……。
はろはろ、アンナちゃんだよ。迷宮抜けたと思ったら、コレだよ。
炎天下。見渡す限り砂漠。そして。
「し、灼熱砂竜の巣……。」
大型、大体100mはあるんじゃないかっていう、亀みたいなドラゴンが、沢山!全部私を見てるよ!
あ、ブレスの用意してーら。うん、そーなるよねー。
……酷いオチだ。酷過ぎてつまらないよ。イラついてきた。
ここはドラゴンスレイといくかね?
たたかう
殺す
逃げる
>無視する
決定、無視。西に向かって行こう。だってさー。人じゃないもん。つまらないじゃん、化け物でもないし。ただのトカゲだよ、トカゲ。泣き叫びもしないし絶望もしない。あーやだやだ。
ブレスを避けつつ、歩いていく。踏みつけも、遅くて当たんないし。尻尾短いから届いてないし。
つまらん。はやくどっかの国につかねーかな。
はい、完全に無視して来ました。諦めたのかすごすごと戻っていったね。トカゲを相手しても楽しくないしねー。よかったよかった。
さて、なんだか交易路みたいな所に来たよ。よーやく人と会えるかな!
足跡発見!西行ってるね!よし、追いかけよう!
ソリを出して、今度は砂を操って進むよ!
ソリ便利だねー!
お、オアシスじゃん!馬車もある!やったー!
近づく。……あれ?
この馬車、朽ちてね?
オアシス……これ、水じゃないよこれ。スライムだ。
スライムの巣だ……。
近寄らんとこ。いやんいやん。
馬車を調べる。中に、赤い水晶。またか。うーん。
ぬるりとした感触。え、まさか。
慌てて馬車から出ると、そこは草原でした。……ま、マジ?てことは、さ。
……まだ、迷宮の中?え?
……え?
草原をひたすら歩く。何も無い。見渡しても、地平線。何も無い。
雲もない。夜が来ない。太陽が、天頂の周りを回る。時間の感覚もない。
空腹感はある。喉の渇きもある。疲労感もある。
暑くもない、寒くもない気温。
……ここは、本当に迷宮か?
起きたら朝で、眠くなったら夜。迷宮に入ってから、何日経った?
私は今、どこにいる?禁術は、不明と表示している。
ここは、どこ?
延々と、歩き続け。私の体内時計はアテにならない。寝たのは14回。実際は何日経った?
「……飽きた。飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きたァ!!!」
そうだぁ北に行こう!
北ってどっちだよ!
はぁ。
「ここまで歩いて何も無いってことはあれか。横移動は何も無い訳か。」
無限ループって怖いね。
「と、なると。上か下か……。」
よし、下行ってみよう。
「こうもアレだと大穴開けた方がいいよね!」
天より来たるモノ!
「久々発動、メテオライト!」
でーーーっかいのを落とす!遠くの方にね。
衝突。おぉー……。これは大陸割れるわ……。
で、大穴。見に行ったらこれ、うわぁ。
「どんな世界構成なんだよ……。」
薄い地面。下には空と、多層に重なる、様々な自然。
あら、赤い水晶が落ちてる。
触ろうとしたら、眩しく光って。
目を開けたら、別の場所、ただし大穴の開いた。一層上に、草原が見える。
「ああ、そういう……。」
多層世界の迷宮か。ただし、敵は少ない。まさに迷いの宮殿って訳だ。
ま、面倒だし。
「ショートカットと行きますか。」
大穴の底に、ごー!
ぴょん。
地面に穴を開けない限り、攻略は不可能。




