馬車の中からアンナちゃん!
○○ドナ的な。
おはよー、アンナちゃんだよー。馬車でーす。縛られたままだったので身体がギシギシしまーす。
「起きたか。そら、メシだ。」
ステーキっすかー。朝からいきますねぇー。
「あら、小さく切ってあるのね。ご苦労。」
「……お前、昨日とキャラ違わねえか?」
「刺激的でいいでしょう?うふふふふ。」
「……意味わかんねえ。どっちが素だ。」
「どっちも、かしらね?」
いーじゃんそんなこと。
食べやすいご飯ありがとう。
「ご馳走様。さて、今日も移動するのでしょう?」
「……ああ。」
あ、行っちゃった。ちぇ。
馬車の染みでも数えてよー。
暫くして、侍女役してた女が入ってきて、馬車が動き出した。
「ねえ、オジョーサマ。」
なにかー。
「屋敷に居た時とは性格が違いすぎるわよ。なに、あっちでは猫被ってたの?」
「なに当たり前の事言ってんのよ。」
あれも素だ。
「そう。……これから、売られる訳だけど。家に帰りたい?」
「なるようになーれ、ですわー。」
「答えになってないわよ。」
「これが答えですもの。」
適当に。
「訳が分からないわ。貴女、何考えてるの。」
「暇だなーって。何かする事ないのー。」
「あるわけないでしょ。」
「だよねー。」
無言。
ぼーーっと。
…………女の事をぼーっと見る。
「なによ。」
「何でもないわー。」
得意武器はナイフかな。
「あっち向いてなさい。」
「えー。」
「袋詰めるよ。」
ちぇ。
仕方ないから、探査で周りを見てよー。
魔術越しに風景を眺める事、数時間。
「獣の群れだ!」
おー、ありゃあ肉食の強い獣だねー。それがえーと……100くらい。
……100!?そんなに群れないよあれ!?普通多くて10くらいだよ!?てことは寄り集まって大移動してる!
となると。
「当然何かから逃げてる訳で。」
しかもあれ、ちょっと離れた所が生息地な訳で。
「逃げ続けてここまできたのかなー。」
つーことは。
「で、で、でたぁぁぁああああああ!!!!ドラゴンだああああああ!!!」
「に、逃げろォ!!!」
「全速で走れぇ!!!」
わーお。ドラゴン。中型かな。大体30mくらい。
「こっちに来るぞ!!!」
「逃げ続けろォ!!!」
あ、ブレスの前かな。……ヤバいね?
「私はにーげよー。」
転移。適当な所に飛ぶよ!
「頑張れー?生き残るといいねー。」
ばいばい。
転移成功!ここどこ!
寒い!冷たい!こ、これは。
雪の なかに いる。
上どっち!あっちか!炎よ弾けろー!
ぷはー。出てこれた。
魔術倉庫からコートと服を出して、もう一度開けた穴の中で着替える。
んー。
禁術発動、グローバ・ポインティー・サーチャ!しすてむじゃないよ、さーちゃだよ!魔術さん、現在地はどこかしら!
…………大陸、東の端にある、魚の尻尾みたいな形の半島。そこにある国の……さらに北。半島の真ん中にある山脈を越えた先。
大雪原の 真ん中に いる。
ま、マジかよ……。
とりあえず倉庫から防寒具を沢山出して、ついでにソリも出す。
着込んで、と。ソリに跨って、魔術発動。雪を操作して高速で進むよ!あと風が直に当たらないように風を操作するよ!
いざ、南へ!
よるっす。さむいっす。穴掘ってかまくらにしてます。火おこしてます、さむいっす。ココアが美味しい。
空気は風使って確保して、水は魔術で出して、暖は魔術で火起こして。
魔術ないと死んでる。
転移したらどうかって?なんかやだ。折角ランダムで来たのに、楽しまないなんて損!
とりあえず南の山脈まで行くよ!
今日はおやすみ。すやぁ。
アンナちゃんは無事国に帰れるのかな!15までには帰りたいね!




