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悪役令嬢(壊)の楽しいエンドレス人生!  作者: りんねしん(邪神)
4010周目!
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己が信ずる神の元に。

楽しい楽しいアンナちゃん劇場!!!

「シャムシャラの亡霊……!やはり、その名は……!」


「それがどうした、私は巫女。シャムシャラの力を振るう者だよ。神の名を冠し、神の代理として蠢く者さ。」


「神の名を汚す行為だとは」


「思わないね。お前だってそうだろう?神の正義を騙る者よ。」


「騙るだと!?巫山戯るな、私は神の正義を信じ、それを代行する者だ!」


「あっ、そう。それなら何故巫女に選ばれない?何故信ずる神の名を知らない?」


「秤神と、言っているだろう!」


「それは通称でしょう。私の神、シャムシャラが輪廻神と呼ばれている様にね。それで、秤神の名は?知らないのかな???」


「……っ!」


「ふーん、そっかぁ。ふーーん。」


やっぱり、その程度の人か。


「よくそれで正義だとか、異端だとか、言えたね。」


やっぱりさ。


「神の正義を騙る、お前こそ。」


異端者なんじゃないかな。


「……巫山戯るな、巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るなッ!私はッ!」


怒り心頭、ってか。その状態で突撃してくるか。


「つまらない人。こんな程度の言葉で揺さぶられてさァ。」


周りも見えなくなってるね?


「お前の正義はその程度なんだねェ?ゆらゆら揺れて、揺さぶられて。」


「この野郎ッ!」


動きが直線的だねえ???


「ああ、わかった、そういうことかァ!お前が信じてるのは天秤じゃなくてゆらゆら人形かァー!アッハハハハハハハ!!!形似てるしなァ!!!ひゃはははははは!!!」


そんなのだから、いとも簡単に引っかかる。


「それじゃ、サヨナラといこう。」


トラップ、鎖。


「なにッ!」


「先ずは形を整えようね?」


脚を纏めて、縛り上げる。腕を横に開いて、吊り上げる。


「斬るにはちょっと汚いからさァ。」


腰を吊り上げ、首に鎖を巻く。


「自らが騙る罪で死ね。」


腰を解き、首に全体重をのせる。処刑、縛り首。


「ガ、フゥ……。」


ゴキ、と音がして、泡を吹く罪人。


「良かったじゃないか、ゆらゆら人形に成れたなァ!!!アッハッハッハッハッハッハ!!!!!!」


サヨウナラ。……ふーむ。様子がおかしかったな。何かあったのかしらー。


「さて、終わっちまったけどさ。貴女はどーすんのかな、レティ?」


「……。」


迷い無き瞳で、私を射抜く。


「まだ、終わってはいませんわ。」


「……へぇ。」


「アンナが、信じる神が居るように。ティティが、信じる神が居るように。私にも、信じる神は居ますもの。」


「……そっか。」


「ですから、アンナ。」


「いいよ、やろうじゃあないか。」


構える。対峙するは、黒いドレスの戦乙女。


「けれど、その前に少々お話しないかしら。」


「お話?」


なにを喋る事が。


「私思うのよ。私の知っているアンナと、今のアンナ。同じだけれど、全くの別物といっていいんじゃないかって。」


「……?私は、私だけど。」


「いえ、私が知っているアンナは、幼いながら気高く、清廉な精神を持っていた。」


「へぇ。」


「けれど、いまの貴女は、まるで壊れた時計の様な……狂い壊れている様。」


「……。」


「貴女は、何を経験したの?何があったの?……何を見てきたの?」


周りで、見守る輪廻神の信者。これの前で言うべきか否か。


「貴女も、気にならない?ねぇ、ティティ?」


「ソウ、だな。」


あーあ。そーきたか。遊び過ぎたかー。んふふ。


「いい格好になったじゃない、スティティーラ。」


「感謝するぞ、アンナ。……お陰で、名を知る機会が得られた。」


折れた首を戻しながら、鎖を引きちぎり立つモノ。


「秤神ってのも残酷だねェ?」


「これも試練と思えば。」


巫女、か。


「……やはり、貴女は変わらないですわね。」


「そういうお前こそ、変わらんな、レティシア。」


三者三様、されど共に嗤う者。


「けれど、今の貴女は醜いですわ、スティティーラ。」


「そこの邪悪よりかは良いだろう、なぁ?アンナ?」


私が邪悪かね。


「私としちゃあ、どうせ皆輪廻に乗るから変わんないわ。」


ああ、面倒くさい。


「それで、アンナ。答えて頂戴。貴女に一体、何が起こったの。」


……そうだねぇ。


「……私の輪廻が操作されていると言ったら?」


「輪廻が、操作されているだと?」


「私はね、輪廻神の巫女。輪廻神の寵愛を受け、祝福を受けてるんだよ。」


諦めた様に、されど多大な狂気を含めて。


「私はね、シャムシャラの亡霊。そう、亡霊なんだよ。」


「どういう事……?」


「亡霊は同じ時を廻り続ける、されど同じ場所を廻らない。」


「……!そうか……なんという……。」


「私は死を恐れない、その先に生がある事を知っているから。」


「貴女……!」


「サァ、瞳に光を入れよう。脚に力を入れよう。腕を広げよう。翼を振るおう。」


ニタリと嗤う。


「右の翼は死せる薬を。左の翼は生きし毒を。右の脚は生なる道を。左の脚は死への道を。右の腕は死を与え。左の腕は生を与える。右の瞳は旧き時を。左の瞳は未知なる時を。」


諳んじるは、禁書。


「巫女様、その祝詞は、まさか……!」


「さァ、凡そ23万の年月を。」


絶望を笑みに乗せ。


「4010回目の人生を楽しもうじゃあないかァ!!!!ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「よ、四千……。」


「そんなの……悪夢だろう……!」


「一度ぶっ壊れて吹っ切れりゃア楽しいもんだぜェ!?」


もう、戻れない。


「そんな人生……っ!」


「狂っている!なぜその様な仕打ちを受けて、笑って居られるんだ!」


「人生楽しんだモノ勝ちだぜーい?それに、言ったじゃん。」


今さっき。


「一度壊れりゃ吹っ切れるよォ?」


狂笑。


「アンナ……貴女は、もう……。」


「既に人ではない存在か!」


おや、そこは否定しよう。


「アッハハハハハ!!!生憎私は未だ人間でねェ!!」


私は人間だ、どのような姿だろうと。


「未だ倒せぬ化け物ぶっ殺すまでは人間ですんでェー!!ヒャハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


化け物を倒すのは、人だって相場が決まってるんだよ。


「ぐっ……!その様な化け物が、この世界に居るとでも言うのか!」


「え、普通にいるけど。知る世界狭いネー?」


ぷーくすくす。


「それで、それがどうかしたのォー?」


話が二転三転。ころころころころ転がしてくよーっ!


「そんな事はどうでもいいですわ。今はアンナの話よ。」


チッ。


「……それで、なにさ。」


「……貴女は、その力で何をするつもりかしら。」


「なに、と言われてもねぇ?」


このループはひと休みのつもりだったんだけどなぁ。


「お前にとってこの世界は何度も繰り返すものだろうが、私達にとってはこの世界しかないんだよ。」


「危険な力を持つ者が何をするか、知っておかなければいけないのよ。」


うへぇ。めんどーくせー……。


「…………私がひと休みのつもりで入った所で、暴れさせたのはお前らじゃねーかよー……。ハァーーーーーー。まるで私が元凶みたいにさァ……。はぁーーーーーーーーーーーーー………………。」


「……ひと休み?」


「そ、ひと休み。大人しくゆるーく神殿でまったりしよーと思ってたのにさぁ……。」


それがどうなったって。


「半ば無理矢理人殺させてさー。異端審問とかいう虐殺集団入れられてさー。そのあげく危険だからって狙われるとかさー。」


「う……。」


「それでなに、私が全部悪いのかなー?邪神と勝手に断定してる神の巫女だって判ってんのに?」


言葉にするとイラついてくるね?


「ましてや巫女に信者殺させて?それで正義がなんだとか喚かれて?そんでもって根掘り葉掘り私が害悪かのように問い詰められて?」


「「……。」」


「これさ、私本気で怒っていいよねぇ。ほんっとにさぁ。」


本気と書いてマジと読む!


「つーかこれでも侯爵家の令嬢よ?長女よ?次期当主よ?扱いひどくねー?」


へらへらへらへら。


「あー可笑し、ほんっと、あーほんっとにさー。」


口元が笑っていても。


「お前ら全員、輪廻に乗れると思うなよ。」


目は怒ってます!


「禁術はつどーう。」


「な、何をする気だっ!?」


「待ちなさいアンナ!?」


またなーい。螺旋のイメージ、神の御技をここに降ろす。


「エー、我が神による遺憾の意を表明イタシマス!」


遺 憾 の 意!眼鏡をクイッと上げる仕草と共に!


「貴様等ノ死ハ否定サレル。」


朽ち果て虫喰おうとも死ぬ事は許さぬ。


「アンナ、やめて!」


「貴様等ノ前世ヲ否定スル。」


先祖諸共消え失せろ。


「やめるんだッ!」


「貴様等ノ来世ヲ否定スル。」


ただ消滅するのみ。


「巫女様、おやめくださいっ!」


「貴様等ノ今世ヲ否定スル。」


ただ存在しているのみ。


「誰か止めろッ!!」


「貴様等ノ生ヲ否定スル!」


その存在すら否定する!


「止めろぉぉぉぉぉ!!!」


「コノ世界ハ、コノ時ニ停滞スル!!」


無限の虚無へ、一瞬の永遠を。


「いや、嫌ぁぁぁ!!」


「生物ノ務メラ果タセズ、安寧ニ惑イ消滅セヨ!」


次代の命は産まれない。


「発動セヨ!」


世界よ終われ。


「アドヴェン・ロス・ニルヴァーナ!」


……。


…………。


なんつって。


「てへぺろ♡」


「「「「…………は?」」」」


「巫女に発動できるかこんなもの!あっはっはっはっは!!!!ウケる!!!!!」






承認致しました。






は?


「え、今誰かなんか言った?」


「いや、何も……。」






面白い、やるじゃん。一つぐらい世界消えても問題ないからねー。






え、今の。







アドヴェン・ロス・ニルヴァーナを発動します。






え、あの。






見てるからねー、楽しませてねっ!






マジかよ……。


「マジかああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


「ど、どうした。」


冷や汗しか出ねえ。


「私の神がガチで邪神だった件。」


「えっ……?」


「発動、承認しやがったよクソ神ィ!!!!!バッカじゃねーの!バッッッッッッカじゃねーの!!!!!!!」


ウケる!!!!!!!!あっはっはっはっは!!!!


「世界終わるよ!やったねアンナちゃん!!!ってやってる場合かァ!!!!」


えーと、その、なんだ。


「めんご♡」


脱兎!!!!!!!三十六計逃げるにしかず!!!!!!!


「アアアアアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンナアアアアア!!!!!!!!!!!」


「なにしてくれやがりますかこの大馬鹿あああああああああああ!!!!!」


世界の果てまで、逃げてゴー♡






ああ、面白そうだからその二人は何処かの世界に廻すねぇ?






「こんのクソ邪神がァァァァァァァ!!!!」


悪鬼が追いかけてくるので私は逃げます!!!また会おう!




そりゃお前封印されるわ。

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