神殿、朝ー!
シスター服着たロリアンナちゃん、可愛い。
おはようございまーす。アンナでーす。
神殿の朝は早い。日の出と共に起床ですわぁ。ねっみー。
この部屋、シャワーがあるから便利。眠気覚まして、朝の散歩。神殿の敷地を把握しませんとねー。
「……おはよう。見ない顔ですね。」
第一神殿人?発見。シスターですかね。
「おはようございます。昨日入ったアンナと申しますわ。」
「新入り……えーと、昨日……入ったのは巫女……。わかりました。私はここのシスター、アイナと申します。」
「アイナさんですね。よろしくおねがいしますわ。」
「はい、よろしくおねがいします。まだ入ったばかりで慣れないと思います。何かあったら相談してくださいね。」
「はい。」
アイナ、ね。私と名前似てるねー。
「そろそろ朝食の時間ですね。こちらですよ。」
ついてく。おー、食堂に沢山のシスター。おや、服が少し違うのも数人いるね。
「あれは巫女の服ですね。何かの儀礼をする日はあの服を。……貴女も着ることになります。」
へえ。ドレスとシスター服の中間みたいな。
「席は決まっておりませんので適当に。……せっかくですし隣でたべましょうか。」
てなわけで朝食。お祈り……これ神が色々いるから食材の命に向けたものなのよねー。
さ、ごはん。んー、想像してた以上に美味しい。これはいける。
さ、朝はなにするのかなー。
答え、掃除。埃を落として、窓拭いて。ゴミ集めて、裏手に。
魔術使ってる人もいるね、私もつかおー。
「へえ、新入りさん。貴女、魔術上手なのね。」
「嗜む程度ですわ。」
一人で戦争できるけどね!
「……随分使い慣れている様な。」
「そんなわけないでしょう、もう。」
「まあ、いいですけど。……上に目をつけられない様に気をつけてね。」
「目をつけられる?」
「……ここだけの話、魔術や剣術、体術が上手い人、あとは見目麗しい人が別の所に行かされる事もありますの。何の為にかは、知りませんが……。」
「な、なるほど……。」
なるほどね。
「…………貴女も声が掛かりそうな気がしますわ。」
「え、何故です?」
「その、女の目からしても、綺麗ですので。……なにか使ってますの?」
「……花の蜜を薄めたものを少し。」
「花の蜜……。」
そこから化粧品談義に。……ここも、化粧品は沢山入ってくるのね。まあそうか。貴族の娘が入ることもあるし。というか女の園だし。
そしてそこから要注意リストを教えてもらった。なんでも司教の愛人だとか上位貴族の娘だとか高飛車で底意地の悪いやつとかシスターを手篭めにしようとする奴とか。こいつ情報通?
「そこ、手が止まってますわ。」
おっと、掃除掃除。
「また色々教えて頂けると助かりますわ。」
「ええ、またお話しましょう。」
情報通と別れて、掃除掃除ー。
ぱたぱた。
掃除の後は、神についてお勉強。私は巫女なので、その神について。……禁書読めっていうやつ。
「輪廻神については、その一冊のみしかありません。大切に扱ってください。」
はーい。
禁書・シャムシャラ。……邪神だね!うん。昔読んだ。
パラパラと読んで、時間潰す。逸話とかもあまり残ってないんだってさ。というか、消されたらしい。あれかー、都合悪いってやつかー。
……私既に目をつけられてる気がしてならないね?
読んだ。読み終わった。昼まで暇になりました。あー、どうしよ?
あ、モップがある。先っぽ外して、んー、身長的に槍かな?
ぶんぶん。槍に見立てて遊ぶのじゃー。私まだじゅっさい!遊び盛り!
えい、や、とー。そー。
ノってきたー。
突く、突く、払う、薙ぐ、回す、突く。
昔習ったのを思い出しながら、型をまわす。
ん、だんだん思い出してきたぞ。適当な相手を思い浮かべて、戦う。
勝った。喉串刺し!
拍手。……拍手?
「素晴らしいですな。いい動きだ。槍の経験があるとは聞いていなかったのですがな。」
誰だこのジジイ。
「足捌きもなかなかのものだ。ふむ、これが輪廻神の加護なのかな?」
そしてお前も誰だ、おっさん。
「どうだね、彼女には戦いの才能があると見えるのだが。」
「そうですな、顔立ちも良い。……やらせてみるかの。」
……あー、なんか察したかも。これさっき情報通が言ってたヤツ……。早速だよ……。
「私についてきなさい。」
「……知らない人にはついていくなと言われておりますので。」
アンナちゃんまだじゅっさい!
「はっはっは、やられましたな!……私はここの神殿長だよ。」
「私は、ここの大司教だ。……二番目に偉い人だよ。」
うわぁ。やっちまった感。
「……アンナ、と申しますわ。」
「うむ、知っておるよ。さて、このおじさんについてきなさい。」
「おじさん……。」
「わかりました、おじさん。」
じわじわと削る攻撃!大司教のおじさんはダメージを受けた!
で、ついてく。速いっす、こちとらまだじゅっさいじゃ。この脚長おじさんめ。脚無しおじさんにしてやろうかしら。
……置いてかれたんですが。多分、あっちいったよね……。はぁ。面倒な。
魔術発動、探査。おっと、さっきの所を左だったか。探査でマッピングしながら歩いていく。あ、着いてきてないのに気付いたな。こっち来る。
「おい、何故ついて来」
「歩くの速すぎです。後ろを見ないのですか。私まだ子供なのですが。何を考えているのですか。案内するのではないのですか。置いていかれるのはわかっていると思っておりましたがそのような事も思いつかなかったのですかそうですか残念な人ですね女の人と歩いた事もないのではありませんかあるのならこの様な歩き方はしないと思われますがそこの所どうなのですかましてやレディの扱いすらなっていないとみえますがはたしてその歳で女の園に居ながら相手すら見付けていないのではないのですかもしかしてどうて」
「わ、わかった、わかった、私が悪かった。」
勝った。どやー。
で、歩幅合わせてくれました。やれば出来るじゃないの(上から目線)。
で、ここは何の部屋?
「ここで、君にはテストを受けてもらう。」
「テスト?」
首傾げている間に、なんかナイフ渡された。まあ無骨なナイフですこと。
「ふむ。やはり、君には戦いの才能があるようだ。ナイフを見る目が違う。」
どういうことよそれぇ。
「神殿には、異端審問というのがある事を知っているか?」
「ええ。」
「簡単に言えば、戦い、人を殺すものだ。……君にはその素質があると見た。」
ほぉ。
「故に、テストを受けてもらう。」
奥の壁が開いて、そこには。
「囚人、だ。こいつをそのナイフで殺せ。それがテストだ。」
縛られてはないね、檻に入ってる。脚には鉄球がつながれてるけど、多少は自由に動ける……。
「さあ、テストの開始だ。」
檻が開いた。げ、こっちに一目散に向かってくるんだけど。
「君を倒せば、解放してやると伝えてあるからな。」
鬼畜か!囚人もなんか股座おったててるし!ロリコンか!
飛びかかってきた。くせえんだよ!避けるよね普通に!
鉄球に引っ張られて転んだ所を、先ずは、そうね。首周りに切り目を入れましょう。暴れるけど、首は抑えて。ほら、暴れると首折れますよ。折れていいけど。
続いて、背中を背骨に沿って。足りない筋力は、魔術でサポート。肋骨を剥がしますー。
ここいらで時間食ってたら、死んじゃうから早めに。
そして最後、首を持って、肩に足をかけて!引っこ抜くっ!
あら見事、背骨付き首の出来上がりー。ぱちぱちぱち。
「うん、綺麗に引っこ抜けましたわ。上出来ですわね。」
うんうん。満足。
「……合格だ。ここまでとは。」
あ、これテストなんだっけ?途中から忘れてたわ。
「君には異端審問に入ってもらう。生活は今の所だが、招集がかかる。また服も少し違う物が支給される。」
へー。私巫女なんだけど大丈夫?
「大丈夫だ。過去にも巫女で異端審問をしていた者はいる。」
へー。まあいいや。暴れられそうだしね!
「とりあえず、よろしくおねがいしますわ。」
「ああ。……ひとまず、着替えろ。血みどろだ。」
はーい。あ、シャワーも貸してくださいねー。
「昼を食べた後、またここに来い。いいな。」
「わかりましたわ。」
昼飯たべにいこー。
アンナちゃんの罵りが光る!
なお大司教は童貞ではない。残念だったなアンナちゃん!




