進みし者達。
三話連続投稿、中。この前に一話、後に一話あります。
名乗った四将、遊んでる四将。
……来たか。ほう、なるほど。一芸での勝負を挑まれ、それを了承したと。あの将達も粋なことをする。というか、手加減されたんだね?ああ、やっぱりそうか。……あんにゃろ、恨みつらみに巻き込まれたくねぇってか。完成に遊んでらぁ。つーか観てんじゃねーか!なにしてんだよ!!!
「いやー、その方が面白いじゃないですか?」
「個人的な事は個人的に解決せい、ほっほ。」
「いや、なあ。お前しか見てないじゃねえか。」
このやろー。私ゃ命かかってんだよ!
はぁ。まーいいや。やるよー。
「グリムディア侯爵。……いや、魔の将グリディナ。国のため、ここでお前を……倒す!」
クソ王子、地雷女、クソメガネ、脳筋、クソガキ、武人君、そして、謎の仮面の女。誰コイツ。
「お前に恨みのある者だそうだ。喋らない。」
そうかい。どこで恨み買ったかなー。まあいいや。
「光の巫女として……貴女を、倒します!」
「オレは、国の為戦うのみ!」
「私は、未来のために。」
「君はボクが倒すよ!」
「アンナ様……残念です。」
「…………。」
倒す、倒す。倒すねぇ。倒すかぁ。
「覚悟、出来てるかな。いくよ?」
殺すとは、言わねぇんだなァ?
「さーァ。覚悟の足りない諸君!私に剣を向けるかい!いいね、いいね、その蛮勇!その覚悟を悔やんで死ぬといい!」
「来るぞ!」
「シャムシャラの亡霊が、殺しに行くぞォ!!ギャハハハハハハハハハハハハ!!!!!」
瞬間、一閃。
「はぇ……?」
二閃、そして。
「ヒッ……!」
「嘘だろ……。」
クソガキ、その背骨はなかなか綺麗に抜けたよ。
「さーァ、次はどれにしようかなぁーーーーーーー?????」
背骨付きの頭を、地雷女に放る。おー、避けやがった(笑)
「オイオイ、仲間なんだろォ?取り巻きだろォ???避けるなんて酷いじゃないかぁ。ヒャハハハハハハ!!!」
「く、狂ってる……!」
何を今更。
「クソ、ォオオオオオオオ!!!」
脳筋が突っ込んできた。なんつーかさ、剣の威力は凄いけどおっっっっそいのよねぇ。
「バカ、やめろっ!」
「残念でしたァ。」
剣を、前に出した手の少し前で止める。そして動かない。
「うっ、動かねぇ!?」
「サヨナラ。」
呪術、尖石鱗。肉体を蝕まれ、激痛に悶え苦しみ死ね!
「ギャ、アアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
「ひ、ヒール!ヒール!なんで、効かないようっ!」
そんなのでは効かないさ。なにせ、インテリ君が研究しているものだからねェ!解呪方法は、未だ無し。
そうこうしている間に、全身が石になった脳筋。砕いちゃおうねー。
「これで二人。次は、誰かなん?」
ま、さっきから何か詠唱してるクソメガネ狙うんですけどね。
「スピードアップ!撹乱して戦うぞ!」
「よ、よし、やるぞ!」
「いくよっ!」
ふーん。遅いんだけど。なにそれ。つまんないんですけど。やるならクソガキが死ぬ前にやれよ。つーか最初からかけておけよ。クソか。クソだったわ。
「子供の遊びかい、そりゃア。」
「なっ……。」
まずは喉を串刺しにします。続いて、お腹にも刺します。そして剣に炎を纏わせます。あら不思議!お肉の焼けるいい臭いが漂ってきました!
「ヒュッ……」
そして火力を上げます!燃えます!地雷女に投げます!!!
「ヒィィッ!」
「また避けた。オイオイ。」
受け止めてやんなよ。あーあ、炭になっちゃった。
ところでさ。武人君と仮面女。動いてねえな。どうした。
「……。」
……なるほど。動きを見極めてるのか。いいね。結論出たかな?
「クソッ……アンナ!何故このような事をッ!」
邪魔くせえな、クソ王子。
「答えろ!」
面倒くさい。
「私が楽しむ為。それ以外に理由が要るかしら?それとも、もっともらしい理由を付けてあげた方がよろしくて?」
あえて令嬢風に。
「殿下、貴方は本当に何も見えていないのですね。わかってましたけど、改めて実感致しましたわ。やっぱり、クソ王子ですわね。おほほほほほ。」
口パクパクさせて、水から出た魚かな???
さて。
「ところで、詠唱は終わりましたでしょうか。まだ?ならもう少しお喋り致しましょうか?さあ、どうします?」
地雷女は何をしてくるのかな。
「……いきます!くらって、神の光っ!」
おっと。これは必殺技じゃないか。まあ、なんだ。魔族と獣には効くやつ。
私の種族はーっと。
えー、人間。まだ人間だね、やったね!
眩しい光が視界を埋める。うーわー、やーらーれーたー。
「やったか!?」
んなわけねーだろ。
視界が戻ると、あら不思議。何事もなかったかのように佇むアンナちゃんだよー。
「なっ、なんで!?」
「バーカ。もうどうしようもなくバーカ。効くかそんなもん。ほんっとバーカ。ガキみたいに言ってやる、バーカバーカ。」
人間には撃ってないみたいねー。ま、それもそーか。
「んじゃ、そーゆーことで。バイバイ。」
地雷女を、スライスにします。脚から順番に、横斬りを連続で!
「え、あ、」
剣に熱を持たせて、薄いステーキが量産されていくね!
「そん、な……。」
おー、その顔いいね!クソ王子!
「絶望した?絶望したよね!その顔素敵、貴方の中で一番好きな顔してるわ!」
だからさ。
「素敵なまま、死んでね!」
「アンナ……」
断頭。斬首。転がる首。
「アッハハハハハハ!!」
さて。
「見て、どうだったかな?君達。」
武人君と、仮面女。君達はどうする?
「そう、ですか。本当に、残念です。アンナ様。」
うん?
「俺では勝ち目がありません。貴女に死を見ました。……ですが。」
ほう。
「ここが我が死地。アンナ様。最期の、稽古をお願い致しますッ!」
「承ったッ!」
武人君が来るか!
速い、その剣、かなり鍛えたねっ!
「いいね、いいね!」
一合、二合と打ち合う。だが、私には届かぬ剣。
「くっ、何度やっても強い……!」
「ハハハハハ!もっと見せてみろ!ライオネル!」
「初めて、名前を、呼びましたねっ!」
ああ、いつかは共に進んだライオネル。貴方と殺し合うのは何度目かなッ!
「くっ、そぉっ!」
次第に競り負ける剣。その刃が届くのは、あとほんの少しだよ。
「さあ、最期だ。」
剣を飛ばす。膝をついたその首元に、振りかぶり――
「……ッ!?」
仮面女ッ!避ける。あぶねえ、後ろから刺される所だったわ。
「俺は、生きるッ!さようなら、アンナ様!」
逃げるライオネル。立ち塞がる仮面女。ほう。
……逃げ足はええな!?あんなに速かったっけ……。はあ。一人逃がした事になるのかな。ま、いいや。
問題は目の前の仮面女。こいつ、何者だ。
屍を積み上げて、物語は紡がれる。




