世界の最奥、そして勇者。
11111回目の物語は、佳境へ。
おはおは、いやこんちわ?はたまたこんばんは?アンナちゃんだよー。
時計があるけど、ここずっと暗いから昼か夜かわかんないわ。起きたら朝で、寝るなら夜。食べる時間も軽食を何回もだから、もはや日にちもわからない。そんな中で、本を読む。自動人形と話す。手合わせする。精神となんとかの部屋みたいだね?
「巫女、お手紙です。」
「はいはーい。」
誰から。……メアからか。なになに?
……クソ王子と、地雷女。その一行が、攻め込んで来ているらしい。少数精鋭で、10に満たない数。今、王領の近くまで来ているらしい。とうとう来たか……。遅かったな。
「四将に、召集がかかっている、様ですね。」
だね。てことは、ここで仕舞いか。
「私は、どの世界でも待っておりますので。過去の世界、この世界、次なる世界でも。貴女をお待ちしております。」
「ありがとう。また来るわ。」
「ご武運を。」
この居心地のよい胎内から、外の世界へ。右の瞳で過去を想い、左の瞳で未来を見据え。グリディナ、いざ参る。
「魔の将、グリディナ。入るよ。」
「来たか。」
会議室。魔王、側近メア、武の将、技の将、錬の将、魔の将。この国の重鎮が揃い踏む。
「今回進軍しているのは、魔の将、貴様の知り合いだと聞くが。」
「ああ、前にいた国の奴らだね。第三王子と、光の巫女御一行。あとは取り巻きかな?」
「ふむ。強いのか?」
「うーん。多分光の巫女が覚醒してりゃ、面倒くさい。」
「覚醒していないと?」
「雑魚。」
「そうか。……覚醒していると見ていいな。ここまで進軍している訳だしな。」
「目標は、おぬしかの?」
「かもね。……王都潰したの私だし。復讐にきたかな?」
「復讐ですか。なんとも物騒ですねぇ。」
「それ私等が言う?」
「違いないの!ほっほ。」
「……そうだな。適当に……どういう順番で行く?」
「私最初で。面倒ですしねぇ。ああ、魔の将は最後で。それが醍醐味ですよ。」
「次、わしがいくかの。そうじゃな、最後に怨敵が当たって、そして魔王という順がいいじゃろ。」
「そうだな、それが面白い。なら私が三番手としよう。」
「……楽しんでるね。」
「祭だからの!」
「楽しまねば。」
「損、というやつですよ。」
「むう、やはり私は最終か。」
「「「「「そりゃあ、魔王ですから。」」」」」
「ぐぬぬ。」
なにこいつらおもしれー。
「とりあえず、街でも祭としましょうか。」
祭じゃー。
「以上。解散。……お祭りの手伝い、してくださいね?」
「わかっておるよ、準備も楽しまねば。」
うんうん。
さあ、やってまいりましたクソ王子一行!魔族では人間が魔王に挑む事を神話になぞらえて、勇者と呼んでるんだよ!だから、勇者祭!飲めや歌えや野郎共!
「師匠、勇者なんていたんですね。」
「光の巫女がいるパーティーだからね。まあ、勇者でいいんじゃない?」
「……少し、心配です。貴女にはまだ教えて頂きたい事があるのですから。」
「そうですわ。……万が一という事もあるのですから。」
「心配、ありがとう。」
……実力では勝っていても、何かで死ぬパターンが多い戦闘。
生き残れるか。
「ま、なる様になるでしょう。」
未来視。あの自動人形から貰った力。こいつによると、私は、死ぬ。そして次のループへ。
過去最短記録は、10歳での死亡。今回は、20。最長記録は、105歳。いやこれよく生きたな。ちなみに平均は65歳。
さて。
「来たみたいですよ。」
南門に、勇者一行が到着したと伝令。皆が道を開け、城へ誘う。
待ち受けるは、四将。
さあ、来い。
いざ、終わりを紡ぐ時へ。




